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2017年07月29日
“眩暈” 「“皆土”を盛って作ろうぞ生活環境」8 引き寄せの引き出しで、洞の闇が茶番を隠す
テーマ:
引き寄せの法則 本当の秘密とは?(13)
カテゴリ:
Hiekka aikaa
Photo by
Andrew Tyson Thomson Photography
「“皆土”を盛って作ろうぞ生活環境」8
引き寄せの引き出しで、洞〔うろ〕の闇が茶番を隠す。
ロンダ・バーン著『ザ・シークレット』の宣伝文句には、こう書いてあります。
“__世界の指導的な科学者、作家、哲学者たちが、歴史上初めて
「ザ・シークレット」の秘密を明かしてくれるのです。
この秘密を知った人たちは一人残らず、人生をがらりと変化させました
……プラトン、ニュートン、カーネギー、ベートーベン、
そして、今度はあなたが「ザ・シークレット」を手に入れる番です。
これで、あなたの人生は一変するでしょう。 ”
「嘘を言うな!」
むしろプラトンは、『ザ・シークレット』の読者層が求めるような、
飽くことなき物質至上主義や快楽の追求を否定していたはずです。
ロンダ・バーン氏はプラトンの著書のどこをどう読んで、
「引き寄せの法則」の成功例として彼の名を挙げたのでしょうか?
疑問を抱きつつ先週からの続きの部分を以下に引用しましょう。
「それでは、親しいグラウコンよ」とぼくは言った。
「いま話したこの比喩を全体として、
先に話した事柄に結びつけてもらわなければならない。
つまり、視覚を通して現われる領域というのは、
囚人の住いに比すべきものであり、その住いのなかにある火の光は、
太陽の機能に比すべきものであると考えてもらうのだ。
そして、上へ登って行って上方の事物を観ることは、
魂が〈思惟によって知られる世界〉へと上昇して行くことであると考えてくれれば、
ぼくが言いたいと思っていたことだけは
__とにかくそれを聞きたいというのが君の望みなのだからね
__とらえそこなうことはないだろう。
ただし、これが真実にまさしくそのとおりであるかどうかということは、
神だけが知りたもうことだろう。
とにかくしかし、このぼくに思われるとおりのことはといえば、
それはこういうことなのだ。
__知的世界には、最後にかろうじて見てとられるものとして、
〈善〉の実相(イデア)がある。
いったんこれが見てとられたならば、この〈善〉の実相こそあらゆるものにとって、
すべて正しく美しいものを生み出す原因であるという結論へ、
考えが至らねばなければらぬ。
すなわちそれは、〈見られる世界〉においては、光と光の主とを生み出し、
〈思惟によって知られる世界〉においては、みずからが主となって君臨しつつ、
真実性と知性とを提供するものであるのだ、と。
そして、公私いずれにおいても思慮ある行ないをしようとする者は、
この〈善〉の実相をこそ見なければならぬ、ということもね」
「私もまた、同じ考えです」と彼は答えた。
「私の理解できるかぎりでは」
「さあそれでは」とぼくはつづけた、
「次のことでも同じ考えになってくれたまえ。
そして、けっして驚かないようにしてくれたまえ
__上の世界へ行ったことのある人々は、世俗のことを行なう気にならず、
彼らの魂はいつも、上方で時を過ごすことを切望するということを、
それは当然のことだろうからね。
いやしくもこの点について、こんども先に語られた比喩のとおりであるとするならば」
「ええ、たしかにそれは当然のことです」と彼は言った。
「ではどうだろう、次のことは、何か驚くに足るようなことだと思うかね?」
とぼくは言った、
「神的なものを観照していた人が、そこを離れて、みじめな人間界へ立ちもどり、
その場の暗闇にじゅうぶん慣れないで、まだ目がぼんやりとしか見えないうちに、
法廷その他の場所で、正義の影あるいはその影の元にある像について、
裁判上の争いをしなければならないようなとき、
そしてそういった影や像が〈正義〉そのものを
まだ一度も見たことがない者たちによって、
どのように解されているかをめぐって争わなければならないようなときに、
へまなことをして、ひどく滑稽に見えたとしても、
これは驚くに足ることだろうか?」
「いいえ、ぜんぜん驚くに足りません」と彼は答えた。
「むしろ、心ある人ならば」とぼくは言った、
「目の混乱には二通りあって、その原因も二通りあるということを、
想い起こすことだろう。
すなわち、光から闇へ移されたときに起る混乱と、
闇から光へ移されたときに起る混乱とがそれだ。
そして、これとまったく同じことが魂の場合にも起るということを認めるならば、
ものをよく見定めることができずにまごまごしているような魂を見ても、
わきまえもなしにただ笑うというようなことはしないだろう。
むしろ、その魂はもっと明るい生活のなかからやって来たので、
不慣れのために目がくらんでしまっているか、
それとも、もっとひどい無知の状態のなかから比較的明るいところへ出てきたので、
以前よりは明るい輝きのために、目がちかちかと火花でいっぱいになっているのか、
そのどちらかであるかを、よくしらべることだろう。
そしてそのようにしらべたうえで、一方〔前者〕の魂に対しては、
そのような状態と生き方を幸せであるとみなすだろうし、
他方〔後者〕の魂に対しては、あわれみを感じるだろう。
その場合、その魂のことを笑いたくなったとしても、
上方の光のなかから来た魂を笑うのにくらべるならば、
その笑いには笑止な点がすくないということになろう」
「それは、たいへん公平適切なお説です」と彼は答えた。
「それなら」とぼくは言った、
「もし以上に言われたことが真実であるならば、
目下問題にしている事柄について、次のように考えなければならないことになる。
すなわち、そもそも教育というものは、
ある人々が世に宣言しながら主張しているような、そんなものではないということだ。
彼らの主張によれば、魂のなかに知識がないから、
自分たちが知識をなかに入れてやるのだ、ということらしい
__あたかも盲人の目のなかに、視力を外から植えつけるかのようにね」
「ええ、たしかにそのような主張が行なわれていますね」と彼は言った。
「ところがしかし、いまのわれわれの議論の示すところによれば」
とぼくは言った、
「ひとりひとりの人間がもっているそのような〔真理を知るための〕機能と
各人がそれによって学び知るところの器官とは、
はじめから魂に内在しているのであって、ただそれを
__あたかも目を暗闇から光明へ転向させるには、
身体の全体といっしょに転向させるのでなければ不可能であったように
__魂の全体といっしょに生成流転する世界から一転させて、
実在および実在のうちで最も光り輝くものを観ることに堪えうるようになるまで、
導いて行かねばならないのだ。
そして、その最も光り輝くものというのは、
われわれの主張では、〈善〉にほかならぬ。
そうではないかね?」
「そうです」
「それでは」とぼくは言った、
「教育とは、まさにその器官を転向させることがどうすればいちばんやさしく、
いちばん効果的に達成されるかを考える、
向け変え
の技術にほかならないということになるだろう。
それは、その器官のなかに視力を外から植えつける技術ではなくて、
視力ははじめからもっているけれども、ただその向きが正しくなくて、
見なければならぬ方向を見ていないから、その点を直すように工夫する技術なのだ」
「ええ、そのように思われます」と彼。
「そうすると、
魂の
徳とふつう呼ばれているものがいろいろあるけれども、
ほかのものはみなおそらく、事実上は
身体の
徳のほうに近いかもしれない。
なぜなら、それらの徳はじっさいに、以前にはなかったのが後になってから、
習慣と練習によって内に形成されるものだろうからね。
けれども、知の徳だけは、何にもまして、
もっと何か神的なものに所属しているように思われる。
その神的な器官〔知性〕は
自分の力をいついかなるときもけっして失うことはないけれども、
ただ
向け変え
のいかんによって、有用・有益なものともなるし、
逆に無益・有害なものともなるのだ。
それとも君は、こういうことにまだ気づいたことがないかね
__世には、『悪いやつだが知恵はある』と言われる人々がいるものだが、
そういう連中の魂らしきものが、いかに鋭い視力をはたらかせて、
その視力が向けられている事物を鋭敏に見とおすかということに?
この事実は、その持って生まれた視力がけっして劣等なものでないこと、
しかしそれが悪に奉仕しなければならないようになっているために、
鋭敏に見れば見るほど、それだけいっそう悪事をはたらくようになるのだ、
ということを示している」
「まったくそのとおりです」と彼は答えた。
「しかしながら」とぼくは言った。
「そのような素質をもった魂の器官が、もし子供のときから早くもその周囲を叩かれて、
生成界と同族である鉛の錘〔おもり〕のようなものを叩きおとされるならば、
__この鉛の錘のようなものは、食べ物への耽溺〔たんでき〕だとか、
それと同類のものの与える快楽や意地〔いじ〕きたなさなどのために、
この魂の器官に固着してその一部となり、
魂の視線を下のほうへと向けさせるものなのだが__、
もしそういったものから解放されて、真実在のほうへと向きを変えさせられるならば、
同じ人間のこの同じ器官は、
いまその視力が向けられている事物を見るのとまったく同じように、
かの真実在をも最も鋭敏に見てとることであろう」
(プラトン著 藤沢令夫訳『国家(下)』岩波文庫 より)
なるほど、ロンダ・バーン氏の目的は、
われわれの魂に「引き寄せの法則」という名の鉛の錘を叩きおとして、
快楽や意地きたなさを刺激して
、
われわれの視線を“洞窟”の下へ釘付けにすることのようです。
次回からは『国家』巻末「エルの物語」を取り上げ、
「引き寄せ」考を一旦締めたいと思います。
(つづく)
※アインシュタインによる重力場(引き寄せの法則?)
NASA Goddard Space Flight Center - 100 Years of General Relativity
https://asd.gsfc.nasa.gov/.../100-years-of-general-relativity/
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