2004年02月19日
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”風雲!たのみこむ城!!ぷろじぇくとX(ぺけ)”
   ~天まで届け平和の歌声 麻生百合之介”のどじまん”への華麗な挑戦・前編~

(風の中のす~ば~る~♪砂の中のぎ~んが~♪みんな何処へ行っ~た~♪見送~られることもなく~♪)

 激動の20世紀、日本は戦後の混乱を乗り越え、様々な紆余曲折を経ながら一歩一歩、着実に成長を続けていった。日米安保、高度経済成長、バブル好景気、そしてその破綻―。来るべき新たな世紀を、日本は絶望的な閉塞感を漂わせる不況の中で迎えていた。しかし、いつの時代も、人々の心には”歌”があった。『東京ブギウギ』、『リンゴの歌』、『川の流れのように』・・・希望に満ちた歌、悲しみを癒す歌、こころ奮わせる感動の歌―。ラジオ放送が流した歌声が、人々の勇気となり、明日への希望となった。そしていつしか”私もあの舞台に立ってみたい””眩いスポットライトを浴びて歌ってみたい”と言う心が、人々の胸に芽生えていた―


21世紀を迎えた年、秋―


麻生百合之介は、城内の控えの間で、二人の”漢”と対峙していた。一人は唐元気。百合之介よりもひとつ年上の先輩で、パソコンに精通している”草”の者である。もう一人は雲つくような大男で 額が物凄く広い 。漢は、藩の”草”を操る上士だった。名を 課長・裏耕作 と言った・・・。

 百合之介はかつて、裏耕作が 結婚した時の引越しの手伝い をし、そしてまた 離婚した時にも引越しの手伝いをした 仲で、身分を超えて親しくしている”仲間”・・・だった。

 『一体何でござるか?改まって話とは?』

いつもは ケチ 一本100文の珈琲 を奢ってくれたので、百合之介は警戒しながら話を聞いていた。

 「いやあ、忙しい所申し訳無いね。その~、唐君にはもう話してあるんだけどね、百合之介殿、 一生の御願い があるんだけど、承知してくれる?」

もう3回位聞いた 記憶があるのだが・・・(--;)』


 「今回はホントに最後の御願いなんだよう。たのむから先に”うん”と言ってくれよぉ」裏耕作は、とても上士とは思えない情け無い声でたのみこんだ。

 『内容により申す。先に断っておくが 金ならありませんぞ 。』

 「 知ってるよそんなの。 君にはお金なんか借りないから安心して。・・・とにかく僕の御願い聞いてくれる?」

 『だから内容に拠ると言うに・・・』

 「わかったよぅ、そんな警戒しないでよ。じゃあ、単刀直入に言うよ。・・・・その~・・・百合之介殿、僕と一緒に のどじまん に出てくれない?」







『断る。』 <キッパリ







 百合之介は無表情に立ち上がって、その場を離れようとした。

「ちょ、ちょっと待ってくれよぅ、話を聞いて!たのむから!!・・・実はNHKの”のどじまん”に前から出たいと思っていたんだけど、今回葉書を出したら一次審査の書類選考が通ったって連絡があってね。予選大会に出られることになったんだよ。・・・でその~、唐君と百合之介殿にも協力して欲しいんだ。」

『なんで拙者達まで・・・裏殿が一人で出場すればいいではござらぬか。』

「いや、だってさ・・・ 恥ずかしいじゃん、一人じゃ。 」

『だったら最初っから出すな、申込書なんか』

「そう言わないでよぅ、これって物凄いラッキーなんだよ。大体一大会五百~壱千組位の出場希望者があって、書類選考で弐百組位まで篩い落とされて、その中から僅か十組位しか出場できないんだよ?大体いつも書類選考で落ちちゃうんだけど、今回ホントに偶然通ったんだ。だから出たいんだよ。たのむよぅ」


 百合之介は、ふと、傍に座っている唐の方を見て訪ねた。


『唐殿も承知なされたんでござるか?』

「うん、まあね」男前の唐元気は、こんな時でも爽やかだった。

『・・・・参考までに聞きたいのだが、何を唄うんでござるか?演歌?』

「い、いや、曲は書類選考の時点で決めてから出すんだ。今回は SMAPの”SHAKE!” にしたんだけど。」

『唄えね~でござるよ、そんなの!!スマップの歌なんかひとつも知らん!!』

「そ、それはこれから練習すればいいじゃん!
から断って欲しく無いんだよぅ、たのむから!」 

『拾壱人目を探して下され、じゃ、失礼。』

「ま、待って!御願いします!この通り!!今度酒奢るから!!!」裏耕作は土下座でもしかねない勢いで、百合之介に懇願した。

 『・・・こーゆーのってアレでござろう?衣装とか自分で用意したり振り付けもするんでござろう?一体どーゆーの考えてるんでござるか?』

 裏耕作の必死な姿に、一応百合之介は話を聞くことにした。いざとなったら、応援団として、オブザーバーとして、協力するつもり・・・だった―。

「うん、実は今考えているのは アロハシャツ着て麦藁帽子被って唄って踊る って お笑い路線 で考えているんだけど。。。」
























つ、つまんねぇ(T▽T)



・・・百合之介は、そう思った。だが、しかし―


 この時百合之介の頭の中にある考えが浮かんだ。 


(こんだけ つまらない アイディアだったら、よもや本大会に出場することはあるまい。予選だけならさして人目にもつくまいし、裏耕作殿と拙者の中じゃ、ここは一肌脱いで進ぜるか。。。)

決して 酒に吊られた訳ではなく 、心からの友情から、百合之介は裏耕作の御願いを引き受けることにした。

『判り申した、ご協力致しましょう』

 百合之介のその一言を聞いて、裏耕作の 額が眩く耀いた。

「ありがと~!!君ならきっと引き受けてくれると思ったよ!!大会は再来週の土曜日が予選で日曜日が本大会なんだ。時間が余り無いから、早速今日にでもカラオケボックスで練習したいんだけど二人ともいいかなぁ?」

『委細承知。』「いいですよ。」




その日の夕方―。



”課長・裏耕作と愉快な仲間達”は残業もそこそこに切り上げ、連れ立ってカラオケボックスに向かった。カラオケで、最初こそSMAPのSHAKE!を歌ったが、 すぐに飽きて 酒に走り、銘々自分勝手に好きな歌を歌って、その日の夜は過ぎて言った。。。



数日後―。



奉公中の麻生百合之介の元に、一本の電話が入った。電話の主は裏耕作だった。。。

『はい?』

「ああ、百合之介殿?裏耕作ですけど、今週の日曜日、藩邸の大広間借りて練習できないかなぁ?この間の練習じゃあ ちょっと不安 なんで」

『いや、 物凄く不安 の間違いでござろう、それ。ってかこないだのアレって 練習になってないし。 』

「う・・・と、取り敢えず百合之介殿の力で大広間押さえてよ。確かマイクとテレビカメラもあったよね?君使える?」


『あるでござるよ。拙者が使えるかっつーより、拙者以外に使い方判る人はいませんアレ。』

「流石頼りになるねぇ。カメラ慣れしておく必要もあるしマイク持ちながらの振り付けも考えないといけないからたのむよ」

『ラジャー。』



そして、日曜日―。



まだ残暑が厳しい中、藩邸の大広間に漢達が集まっていた。


三人のパートを決め、曲に合わせて振り付けを決めた。先鋒が裏耕作、次鋒が唐元気、 トリ が麻生百合之介だった。

三人のパートを決めて練習を始め、小休止をしている時、突然思い出した様に裏耕作が百合之介に言った。

「百合之介殿、のどじまんには40秒制限ってのがあってね、番組の進行上歌える時間が決まっているんだ。多分鐘が鳴るとしたらきっと百合之介殿の所だろうな」

『・・・・そりゃ 本大会に出場 できたら の話でござろーが。』

「う、うん、まあそうなんだけどね。。。」

 本当に出場できると思っているのだろうか・・・・百合之介は、そう、思った。。。


 その日はパートと振り付けまで決めたが、結局百合之介が ステップが踏めない まま、日が暮れて行った・・・。


 こうして、ろくに練習もしないので安心していたある日―。



 百合之介は、再び裏耕作に控えの間に呼び出された。


 『いよいよ今週末でござるな裏殿。まあ、 どうせ予選落ち だとは思うが、頑張りませう。ちなみにアロハと麦藁帽子の手配はついたんでござるか?』

 「うん、それなんだけどさぁ・・・ちょっと考えたんだけど、変えようかと思ってるんだよね、そのアイディア」

 『はあ?この期に及んででござるか?予選は明後日なんですぞ、間に合うのでござるか?何なんでござる?別のアイディアって』 

 「うん・・・SHAKEだけにさあ・・・ バーテンの格好してシェイカー持って唄う ってどうかなぁ?」 




























(やばい、面白いぞ、ソレ。T▽T)












それは暗黙の了解―のハズだった。。。。











つまらないアイディアで予選落ち




(ど、どうしよう・・・T▽T)





その答えで、運命は大きく分かれるハズだった・・・。





2001年秋―。漢達は”巨大な敵”に立ち向かおうとしていた。それは”あり得ない”挑戦だった・・・。



漢達の闘いはまだ・・・終わらない。。。    ”次回に続く”





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最終更新日  2004年02月20日 01時03分41秒
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