FLOWER GARDEN 2

FLOWER GARDEN 2

2007.03.02
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西日が差し込む部屋の向こう側から流暢なドイツ語が聞こえてきて私はぼんやりとその声のする方を見ていた。

「ジョージ?」

声の主は奥の扉からヒョイと顔を覗かせると、「ああ。起きたのか」と私に声を掛け、慌ただしく電話を切った。

「具合は?」
「うん。もう大丈夫」

ジョージはベッドに腰掛けると私のおでこにおでこをコツンと当てた。

「熱は……ない、か」
「寝たら大分良くなったわ」
「ルームサービス、7時に取ったからちゃんと食えよ」
「……食欲ない」
「食え!」

ジョージは私の鼻頭を指で弾くと、ジロリと睨んだ。

「明日も具合が悪いようだったら、オレ一人で銀行に行くから」
「私も行くわ!」
「だ、め、だ!別に行ったからって面白いことがある訳じゃないし」

私は首を振ると、ベッドのシーツを握りしめた。

「遊びに行く訳じゃないことくらい知ってるわ。子供じゃないんですもの。ただ……」
「『ただ』なんだよ?」
「…………ジョージの傍にいたい」

ジョージは途端に真っ赤な顔になって、慌ててそんな顔を見られまいとするかのように片手で顔を覆った。

「ったく。何、子供みたいなこと言って……」
「でも、いたい」

我儘だって分かってる。
ジョージを困らせるって……
ううん。むしろ足手纏いだって分かってる……
それでも、せめてこのスイスにいる時だけでも、ジョージの傍にいたい。


ジョージは起き上がろうとする私を抱きすくめると、ポスンとベッドに倒れこんだ。

「ジョ、ジョージ?!」

私の唇にキスをすると、そのまま、私の肩に顔を埋めて抱きしめる手に力を込めた。

「くそっ!」
「ジョージ?」
「あいつ……」
「あいつって?」

ジョージは私の言葉に一瞬、体をこわばらせた。

「いや。いい。オレひとりの問題だから」
「ジョージひとりの問題?何が……」

そう尋ねている間にもジョージの手は私のブラジャーのホックをはずし始めていた。

「ジョージ?!」
「もう気持ち悪くないか?」
「ない……けど。ルームサービスが来るわ」
「2時間後にな」
「でも……」

そんなに抱かれたらやっぱり赤ちゃんに悪いのかもしれない。
そう思うと自然とジョージの両胸に手を当て押し戻していた。

それでもジョージは強引に私の手首を掴み、ベッドに抑え込もうとしていた。
乱暴なジョージの行動に慄き、私はとっさに彼の頬を打っていた。

「ご、ごめん……」

私は我に返り、ジョージの頬に手をあてた。
ジョージは私の手を振りほどくと、私に背を向け、顔を手で覆っていた。


「抱いても……抱いても……実感がない。本当にお前はオレのものなのか?」
「何を……」
「あいつ、シラを切り通しやがった」
「あい……つ?」
「藤枝」

突然、ジョージの口から発せられた先生の名前に私はただただ動揺していた。


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Last updated  2007.03.03 00:28:15
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小山千鶴 @ Re:ひさしぶり・・・(06/20) koukoさん ご無沙汰しています。 本当に…
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