「今日も暑いなぁ~。 って、あれ?紅狐は? アイツ、今日は休みだろ?」
「狐ちゃん? 夕方頃でかけたわよ。 カレンダーに『mtg』って書いてあったけど」
「えむてぃーじー? マジック・ザ・ギャザリング?」
「ミーティングだと思います」
「あぁ、そっち」
「普通カレンダーに世界的有名なカードゲームのタイトル書きこまないでしょう」
「そりゃそうだ。 だけど困ったなぁ…用があったんだけど」
「まぁミーティングだけならすぐに帰ってくるでしょう」
「た~だ~い~ま~…」
「噂をすれば何とやら」
「おぅ、お疲れ~! って、元気ねぇな。 どうした?」
「あまりに眠気に降りるバス亭通り過ぎ、暑い中歩いて帰ってきました…」
「あらまぁ」
「アホだ…」
「でも買い物する気力はあったわけね」
「まぁね」
「ってか今日は昼ごろまで寝てたんだろう? 何でそんなに眠そうなんだよ」
「確かに12時間近く寝てましたね…。 う~ん…連勤だったから身体が疲れてたのかな? 若しくは精神的な疲労?」
「精神的?」
「実は明日夜勤なんですよ~」
「んなの、今に始まった事じゃねぇだろう?」
「しかも最近は結構慣れてきた所為かそれなりに楽しんでるわよね?」
「えぇまぁ確かに慣れてきましたよ。 厄介な利用者さんもいなくなって施設も平和になりましたし」
「じゃあ何で?」
「明日は多いんですよ! 泊まりの人数がッ!!」
「そういう事…」
「でも大抵寝てるんだろう?」
「寝てる人は寝てるけど、徘徊する人は一晩中ウロウロしてるんですよっ! 足腰が丈夫な人なら多少安心ですけど、その人フラフラだから心配で心配で…」
「厄介な利用者再び…ね」

「変に眠くならなくて良いんでない?」
「まぁそうですね…。 どうにかして起きてます」
「でも、人数多いと朝ごはんの支度が大変ね」
「そう、そこ何です。 夜勤の時最も苦手ななのが朝6:00以降なんですよ…」
「紅狐の米固ぇからな」
「お味噌汁も美味しくないし…」
「うぅ~」
「掃除とかもあるんだろう?」
「着替えとかも大変ね」
「朝のおつとめは、掃除に炊飯、そしてオムツ交換! 介護施設に紅狐の悲鳴がこだまするよ!」
「そうだね」