紫水晶のまなざし 紫水晶的凝视
1
「はてさて・・・どちらについたものかな・・・」熊野別当湛増は、悩んでいた。源氏につくか、平家につくか・・・己の本拠地・熊野から水軍を発し、瀬戸内讃岐の港に停泊中のことである。その姿を見ていた郎党のひとりが湛増に勧めて言上した。「されば、この地に伝わる『鶏合わせ』なる行事にて決めては如何」「なに、『鶏合わせ』とな?」その郎党の説明によれば、小さな土俵のうちで白い鶏と赤い鶏を戦わせ、どちらかが死ぬか、土俵から逃げ出すかで勝負を決めるというもので、「おぉ!それは面白そうじゃ!みなへの余興にもなろう、すぐ支度をせよ!」
2017.09.11
閲覧総数 114