MUSIC LAND -私の庭の花たち-

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「十三夜の面影」21








いつの間にか二人ともそのまま眠ってしまったようだ。

朝日が差し込んできて、眩しさに起きてしまった。

隣にかぐや姫が横になってる。

はっとして起き上がってしまった。

胸に耳を当てて生きているか確かめる。

大丈夫。息をしている。

交わっても記憶が無いなんてことはないよな。

酒を飲んでたわけでもないのだから。

でも、自分の理性に自信がないから不安なのだ。

そのくせ、眠り姫に目覚めのキス。

舌を入れたら、かすかに反応した。

ぼんやり目を開けて、僕を見つめる。

まっすぐな瞳が眩しくて、僕が目をそらしてしまう。

「おはよう。」

無邪気な声は以前のままだ。

「おはよう。」

彼女に顔を向き直して答える。

昨夜のことは夢のようだが、本当だよな。

こうして同じベッドにいることがその証拠だけど。

彼女の裸体を思い出し、慌ててベッドから降りた。

「何か着たら」

そう言って、バスルームに駆け込んだ。

僕がここにいる間に何か着て貰わなくちゃな。

目の遣りどころに困るよ。

僕もそう冷静では居られないから。

「もういいかい?」

「まーだだよ。」

甘く間延びした声。

のんきだよなあ。

「もういいかい?」

「もういいよ。」

今度は大丈夫らしい。

安心して出て行くと、

まだネグリジェだ。

「早く服を着てくれよ」

「じゃあ服を選んで。」

甘えてるな。

といっても、彼女はあまり服を持ってないから、

選びようがない。

もっと買ってあげると言ったのだが、

遠慮してるのか要らないというのだ。

バーには貸衣装があるらしい。

まあ、そんな服を普段に着るわけにはいかないけど。

とにかく少ない服の中から、

ワインレッドのキャミソールと

黒のスカートを選んだ。

もう涼しくなってきたから、

白のレースのカーディガンも。

手渡してから、またバスルームへこもる。

まったくどっちが部屋の主か分からないよな。

やっと着替えたらしく、

僕の名を呼んでいる。

いつまでこうして呼んでくれるのかな。

十五夜といえば、もう明後日だ。

今日、明日しか彼女と過ごせないというのか。

残された日々をどう過ごそう。

仕事も休んでしまおうかと思ってるところへ

「はい、お弁当。」

と愛妻弁当?を手渡されてしまった。

「一体どうしたんだい?」

「せめてこれくらいはしてあげたいの。」

けなげだよな。

これでは仕事に行かない訳にはいかない。

「明日は休みを取ってくるよ。」

「嬉しい!」

手を叩いて喜んだものの、

「最後の日だものね。」

急にしんみりしてしまった。

僕はから元気を出して、

「何がしたい?

行きたいところとか考えておいてくれよ。」

と勢いよく言った。

そして、すぐにドアから外に出た。

涙が出そうになったからだ。

続き

































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