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これまでお願いしていた呉服店の方がお亡くなりになり、はじめてのお店で着物を誂えることになった。出来上がりを楽しみにしていたのだが、一番肝心の紋が刺繍紋で仕立て上がってきた。しかも、どうみてもミシン刺繍。あまりの驚きに袖を通す気力もなくなった。一つ紋といえば染め抜きにして下さると思い込んでいたので、まさか刺繍紋で出来上がるとは思っていなかった。刺繍紋の場合は、刺繍の種類や糸選注文する側で指定するのが普通なので、勝手に刺繍されるなんて事前に想定することも出来なかった。紋入れの場合は、染め抜き日向紋でときちんと伝えなければならなかったのだ。指定しなかったこちら側の不手際もあり、大目にみて刺繍紋でもかまわないのだが、ミシン刺繍だけは納得できない。着物全体が貧相に見えてしまう。どうして一言お知らせいただけなかったのだろうと悲しくなってしまう。やりなおしをお願いするにしても、ミシン刺繍をほどくとなると生地が傷むのは黙認するしかないので、もう着物をあきらめるしかない。紋なんて入っていればいいというものではない、紋には思いもあるし着物の格を決める大切な部分。おそらく、お願いした呉服店側にこういう感覚がないのだろう。今までお願いしていた方は、着物だけではなく和のお稽古すべてに精通していた方だったので、着物を誂えるにあたって、寸法のことや帯の合わせ方などいろんなアドバイスをいただけた。慣れ親しんだところなら、こんな悲しい出来事は起こらない。細かく注文をつけなくてもお任せで良いものが仕立て上がってきた。こういうことは当たり前と思っていたが、当たり前ではなかったんだと今更ながらありがたみを感じる。着物選びも大切だが、それ以前に長くお付き合いできる呉服店選びが一番大切なんだと勉強させられた出来事だった。 きものまわりの小物
October 2, 2010
最近、色無地の着物についていろいろ思い悩むことがある。お茶を始めたころ、「色無地は絶対必要」との目上の方のアドバイスで色無地の着物を誂えたのだが、お茶席以外の場所で着ることはほとんどない。しかもふだんのお稽古に紋付は着ないので、着る回数は「紋付着用」という指定がある炉開きやお茶事など年に数回。紋が入っていてかろうじて礼装着になったとしても、披露宴など華やかな場所には地味すぎて着ていけないし、訪問着に比べるとあまりにも寂しい。思えば、「紋付着用」のお茶席で紋付訪問着の方がいた。ほとんどの方が色無地の着物の中でやや目立つのだが、その方のお気持ちがとてもよく解る。色無地はお茶のお席でしか着用できない高価なお稽古着ともいえる。お茶のためだけの着物というのは、なんとももったいない話なのだ。もう少し年齢を重ねて、色無地が似合うようになるまで、お茶席にも着ていける訪問着を開拓しようと考えている。 きものまわりの小物
October 1, 2010
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