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tajim

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Sep 16, 2005
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カテゴリ: 旅の思い出
M島のビーチを訪れると、遠くの海に良く見かけるのがタンカー。
大自然の中、エーゲ海の青い海にとても似つかわしくない大型のタンカーが行き来する姿が見える。いや、本当のところ「タンカー」と呼ぶのが正しいのかどうかも良く分からない。とにかく巨大で横長の明らかに何かを運ぶ船。

そして、内陸地でも見かける工事現場のようなむき出しの土。ブルドーザーとまるで宅地開発でもしているかのような、階段状に切り開かれた山。

また、M島で周遊船に乗っているとあちこちで何かの採掘場や、工場の跡地らしきものの横を通り過ぎる。「mine(鉱山)」という曖昧な総称で呼ばれるので、何かを掘り出しているのは確か。でも実際に何をしているのかは分からなかった。

その謎を解くために、以前から気になっていた「炭鉱博物館」なるものに行ってみることに。
外からはあまり目立たないその建物の中に入ると、驚くほど近代的な設備によく効いた冷房。しかも入館料はただだという。

そこで分かったのは、活発な火山地帯だったM島はかなり昔(記憶が正しければ石器時代からと書いてあった気がする…)から様々な種類の産業鉱物が取れる場所で、現在でも労働可能な島民の25%は炭鉱業に従事していると言う事実。M島を拠点に世界的に発展したS&Bという産業鉱物会社がおそらくこの博物館の出資者で、あちこちで目にする採掘場やタンカーもみんなこの会社のもの。
そう、そういえば街ではよく「S&B」のロゴ入りの妙に綺麗な緑のバスを良く見かけた。きっと社員を街から採掘場に運ぶバスなんだろう。

mine01mine02
船から見える昔の炭鉱跡(左)とビーチのすぐ上に見える現在のS&B工場のひとつ(右)


館内ではこの会社がM島からどのように発展し、世界に市場を広げたか、そして採掘後には木を植えるなどしていかに環境にやさしい開発を行っているか、などが詳しく説明されている。


展示では簡単にその使用法等が説明されていたが、中でも目を引いたのはSulfite(亜硫酸塩)の使用法。なんと、フランスなどに輸出され、ワインの木に虫や病気がつかないようにするための除虫剤として使われるというのだ。
そこで思い出したのが、前に家で飲んだことのあるワイン。ラベルに「Contains Sulfite(亜硫酸塩含有)」と書かれていたことがあって、いったいどうして・・・と不思議に思っていたのだ。そういうことだったのね、と謎が解けて、しかもM島との間につながりを感じて、妙にうれしくなってしまった。
(でもやはり身体に良くないのか、最近では使われなくなったとも書かれていた。)

昔採掘場で働いたと言う島民達の話をまとめたビデオも放送されていた。14歳と言う若さから仕事を始め、男性は採掘を、女性は採掘された鉱石をより分ける作業をして働いたと言う。昔はつらい仕事だったようで、「思い出したくない」と涙を浮かべる老人もいた。
青い海と美味しい魚ばかりの楽園のように見える島の背後に、そんな歴史と文化があることに驚いた。観光業や漁業が一番の収入源なのかと思っていたけど、きっとそれはおまけみたいなもので、実際は鉱物がこの島の財産であり収入源なのだ。工事現場のようにみえる荒れはてた大地の下にそんな資源が埋まっているなんて。

そして、妙に納得してしまった。私がM島をこんなに気に入って、何度でも訪れたいと思う一番の理由は、他の観光地と違って島民が観光業にがつがつしていないところにあると思っている。物価は安いし、みんな正直でぼったりしない。必要以上の愛想も振りまかないし、誰もが普通に暮らしている感じがなんとも心地良いのだ。きっと、観光のみに頼らない島民の精神的な安定感と、島の持つ歴史への誇りのようなものが、この島の独特の雰囲気を作り出しているのかもしれない。

そんな新しい発見をした3回目のM島でした。





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Last updated  Sep 16, 2005 09:43:11 PM
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