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2011.08.28
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カテゴリ: TV


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天下を獲った吉本興業と山口組 「100年の関係」

島田紳助の電撃引退から数日がたち、
会見で語られなかった真実が次々と明らかになっている。

そうした中で徐々に浮かび上がる島田と山口組系暴力団との親密な関係。

だが、そもそも吉本興業と山口組には、明治期から関係があったのは歴史的事実といえる。
現在、組織同士のつながりはないとは言え、100年のよしみから
個人的な付き合いに発展した輩は島田ひとりだけではないだろう。
そこで今回の記事では、
共に天下を獲った吉本興業と山口組の因縁浅からぬ関係を紹介したい。

明治40年頃、山口組初代組長の山口春吉は、神戸の港に沖仲士としてやってきた。

春吉は、持ち前の頑強な肉体と寡黙な人柄で人望を集め、神戸にやってきて数年後、
沖仲士仲間を集めた労働者組織のリーダーとなった。
これが後の山口組へと発展していくことになる。

一方、吉本興業の出発は明治45年。吉本吉兵衛・せい夫妻の寄席経営に始まる。
無名の落語家や流派に属さない漫才師を一手に引き受け、
さまざまな演目を披露することから人気を集め、次々と点在する寄席を買収。
起業から10年余りで、上方演芸界を掌握するほどに成長した。

 神戸山口組と吉本興業の接点は、お互いにそれぞれの地域で頭角を現して来たころになる。

今からおよそ100年前に当たる大正初期、港湾労働者を集めて山口組を組織した春吉は、
対立していた労働者組織の瓦解や三菱商船などとの大口契約という幸運に恵まれ、
一気に組織の規模を大きくした。ついに神戸港の顔役にまでなった春吉は、

浪曲や漫才といった寄席を開くことを決めた。
その依頼先が同じ関西圏で勢力を伸ばしつつある吉本興業であったのは言うまでもない。

大正14年、春吉の長男・登が山口組2代目を襲名すると、
さらに吉本と山口組の関係は密接になる。港湾ビジネスを先代に任せた登は、
浪曲興行に本腰を入れ、興行主の吉本から用心棒や地ならしを請け負う。

両組織の全国進出の足場を作ったと言える。

さらに昭和になると両者の関係はより密接なものとなる。東京進出を図る吉本興業は、
当時浅草で人気のあった浪曲師・広沢虎造を吉本の専属にしたいと2代目登に相談した。
これを快諾した登は、広沢のマネジメントを手がける浪花家金蔵と話をつけ、
一定の制約の元に、広沢が吉本の専属となることを取り決めた。
しかしその数年後、広沢は無断で下関の籠寅組(現在の合田一家)の制作する映画に
出演することを決めてしまう。これに激怒した吉本側は、登に籠寅組との調停を依頼。
登は、広沢の映画出演を白紙に戻させることに成功したものの、その後の話し合いの際、
籠寅組に襲われ重傷を負ってしまう。昭和17年、登はこのときの傷が元で永眠する。

2代目の死後、戦中戦後の混乱を極める時代、山口組は組長が不在だった。
ようやく3代目に田岡一雄が襲名したのは昭和21年。実業家としても名高い田岡は、
先代、2代目の培ってきた芸能関係者との関わりをより深くし、
昭和33年、神戸芸能社を設立。美空ひばりなどといった昭和のスターたちの興行権を
一手に握る芸能プロモーターとして活躍した。だが、やがて時代は興行からテレビの時代へ。
有名芸能人たちのメインステージがお茶の間のブラウン管に移ると、
興行先でのチケットの分配や地ならし、用心棒といった仕事を請け負っていた
ヤクザ組織と芸能事務所の関係は希薄になっていく。

テレビやラジオのない時代、人々の大きな娯楽であった興行寄席。
あらゆる地方に出向いて芸を披露する彼らにとって、
その先での安全や安心を約束してくれる組織はなくてはならない存在だったといえる。

しかし現代社会において、ライブなどといった興行を安心して行うのに
ヤクザの力は必要ない。芸能関係者がヤクザと付き合うのにメリットはないと言えるだろう。

だが、そもそも芸人やタレントにも、どこか"ヤクザな雰囲気"がある。
それは一般社会では生きていけない類の人々がまとうものと言える。
島田の引退で、吉本側はヤクザ組織との関係を真っ白と示したつもりだろうが、
いくら組織同士の付き合いが皆無とはいえ、
似たもの同士による個人的な交際は、今後もなくならないだろう。

(文=峯尾)

■参考文献:

『近代ヤクザ肯定論』宮崎学/著(筑摩書房)

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『実録*神戸芸能社』山平重樹/著(双葉社)

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最終更新日  2011.08.28 23:48:44
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