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2013.06.02
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カテゴリ: 株式・金融市場





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2013/5/31 日本株投資戦略 ~債券から株式への資金シフト本格化へ/株価反発に備えよう~

金利上昇でから騒ぎする前に「名目」と「実質」を理解しよう

長期金利の一時的な上昇について、マスコミは「から騒ぎ」した。

4月初めの0・5%程度から0・8%程度になったというが、
これは昨年7月から今年2月ごろまでの水準と変わらない。

以前の本コラムでも書いたとおり、
名目長期金利が変化すると銀行の債券部門はたしかに大変になる。
しかし、それもこれまで儲けてきた分を吐き出すだけだ。
それに銀行の他の部門では債券部門のマイナスを補うこともできるので、
銀行経営にとって大した問題にはならない。

それでも、名目長期金利の上昇が設備投資を抑制するなどして

「名目」と「実質」を混同していることだ。

まず、言葉の定義をしっかりしておこう。
「名目」とは、まさに目にしている数字そのものだ。
「実質」とは経済分析に使用し、実物経済に影響を与えるものなのだが、
「名目」から「予想インフレ率」を引いて得られる。

長期金利は10年物国債の流通利回りを指すことが多いが、
「予想インフレ率」は5年程度しかわからないので、
ここでは、5年物金利を使って1年前と現在の「名目」と「実質」をみてみよう。

約1年前は、5年名目金利は0・2%程度、
予想インフレ率0・2%程度だったので実質金利は0%程度だった。
ところが今では、名目金利は0・4%程度、


実質金利はマイナス1・4程度である。
名目金利は上昇したが、実質金利は低下したのだ。

ここで、設備投資などの実物経済に影響を与えるのは、名目金利ではなく実質金利だ。
筆者が長期金利の上昇を「から騒ぎ」というのは、
実質金利の低下を知らずに、名目金利だけで経済を語ろうとするからだ。


「名目値から(予想ではなく実績値の)インフレ率を引いたもの」という人さえいる。
それは「事後的な」実質であり、これからの設備投資動向などを見るには役立たない。

インフレ率がまだ上がっていないから、実質金利は下がっていないと誤解する者もいるので、
マスコミが理解できないのはやむを得ない面もある。

実質金利が下がり実物経済に好影響が出てくれば、
物価の上昇と相まって名目GDP(国内総生産)成長率も高くなる。

デフレ脱却に重要なのは名目金利ではなく実質金利の低下だ。
そのためには多少、名目金利が上昇してもいい。
デフレ脱却の過程では、強力な金融緩和をすれば
予想インフレ率の上昇の方が名目金利の上昇より大きいことが
理論的にも歴史的にも知られている。

設備投資資金の需要はすぐには起こらず、
企業の資金需要が発生してもいきなり外部金融機関に依存せず、
先に内部資金で手当てをするため、名目金利の上昇も遅れるからだ。
この意味で、今起こっている名目長期金利の上昇は、
債券市場内での出来事で、実物経済への影響は限定的だ。 

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)


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最終更新日  2013.06.03 00:13:06
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