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2004年08月29日
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"野分き"---いとど、近づけり


"けざやか"にめでたき人ぞ在(い)ましたる
"野分"(のわき)が開(あ)くる絵巻のおくに "晶子"


"けざやか"
はっきりしているさま。
際立っているさま。
「黄金(きん)の腕環の―に燿ける手/金色夜叉(紅葉)」

"野分き"(のわき)
〔野の草を吹き分ける風、の意〕
(1)
二百十日、二百二十日前後に吹く暴風。台風。
あるいはその余波の風。
また、秋から初冬にかけて吹く強い風。
のわけ。のわきのかぜ。
[季]秋。
《吹飛ばす石は浅間の―かな/芭蕉》
(2)
源氏物語の巻名。第二八帖。

"いとど"
〔「いといと」の転という〕
(1)いよいよ。一層。ますます。
「―ゆかしさまされど/更級」
(2)ただでさえ…なのにさらに。そうでなくてさえ。

/狂言記・鈍根草」


"眠られぬ夜のために"
(145)
真実は、まことに、最も美しく、最も大切な性質である。
真実は動物をも非常に尊いものとし、ほとんど人間なみの価値と品位にまで高めるほどである。

しかし、真実が全く欠けているときには、最も才知あり、教養のある人間でも社会一般に危害を及ぼす野獣にすぎない。(ヒルティ著「眠れぬ夜のために第一部十月十六日」)


"ヒルティ"は自身の著書の中で語りかけてきます。

真実がない場合、いかに数学や英語などの"ability"が恵まれていても、また会社で業績をあげても、それらはかえって悪用され、社会に害悪を及ぼすことになる。

たとえ"ability"が乏しくとも、真実な心さえあれば、誰をも害することなく、神の性質の本質的な部分を周囲の人々に指し示し、ひとの心を潤すことができるのだと--------

Treue ist eigentlich die schonste und wichtigste Eigenschaft.
Sie veredelt auch ein Tier so sehr,
dass es fast zu menschlicher Bedeutung und Wurde emporsteigt,
und wo sie ganzlich fehlt,ist der geistvollste und gebildetste Mensch nur eine gemeingefahrliche Bestie.


"ヒルティ"
(1833.02.28-1909.10.12)
スイスの法学者。
ベルン大法学教授、国会議員、軍事裁判所長など歴任。

聖者的人格と博学から生まれた著作は、唯物的な文明進歩の波に酔っている人に警告を与え、弱い人々には慰めを与え、大きな影響を及ぼした。
主な著作
1891-99 「幸福論」
1901 「眠られぬ夜のために」



眠られぬ夜は
"源氏"の世界へ参りませんか???


源氏物語・第二八帖
"野分"(のわき)
與謝野晶子訳


中宮のお住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣(がき)がところどころにゆわれ、朝露夕露の置き渡すころの優美な野の景色を見ては、春の山も忘れるほどにおもしろかった。

春秋の優劣を論じる人は、昔から秋をよいとする方の数が多いのであったが、六条院の春の庭のながめに説を変えた人々は、またこのごろでは秋の賛美者になっていた、世の中というもののように。


中宮はこれにお心がひかれてずっとご実家生活をつづけておいでになるのであるが、音楽の会の催しがあってよいわけではあっても、八月は父君の前皇太子のおん忌月(きづき)であったから、それにはばかってお暮しになるうちに、ますます草の花は盛りになった。

今年の"野分"(のわき)の風は例年よりも強い勢いで空の色も変るほどに吹きだした。

草花のしおれるのを見ては、それほど自然に対する愛のあるのでもないあさはかな人さえも心が痛むのであるから、
まして露の吹き散らされてむざんに乱れていく秋草をごらんになる宮は、ご病気にもおなりにならぬかと思われるほどのご心配をあそばされた。

おおうばかりの袖(そで)というものは春の桜によりも、実際は秋空の前に必要なものかと思われた。

日が暮れていくにしたがってしいたげられる草木の影は見えずに、風の音ばかりのつのってくるのも恐ろしかったが、格子(こうし)なども皆おろしてしまったので、宮は、ただ草の花を哀れにお思いになるよりほかしかたもおありにならなかった。


南の御殿の方も前の庭を修理させた直後であったから、この"野分"に、もとあらの小萩が奔放に枝をふり乱すのを傍観しているほかはなかった。

枝が折られて露の宿ともなれないふうの秋草を、女王は縁の近くに出てながめていた。

源氏は小姫君のところにいたころであったが、中将が来て東の渡殿(わたどの)の衝立(ついたて)の上から妻戸の開いた中を何心もなく見ると女房がおおぜいいた。

中将は立ちどまって音をさせぬようにしてのぞいていた。

屏風(びょうぶ)なども風の激しいためにみなたたみ寄せてあったから、ずっと先の方もよく見えるのであるが、そこの縁つきの座敷にいる一女性が中将の目にはいった。

女房たちと混同して見える姿ではない。

気高くてきれいで、さっとにおいの立つ気がして、春の曙(あけぼの)の霞(かすみ)の中から美しい樺桜(かばざくら)の咲き乱れたのを見いだしたような気がした。

夢中になってながめる者の顔にまで愛嬌(あいきょう)が反映するほどである。かつて見たことのない麗人である。

御簾(みす)の吹きあげられるのを、女房たちがおさえて歩くのを見ながら、どうしたのかその人が笑った。

ひじょうに美しかった。

草花に同情して奥へもはいらずに紫の女王がいたのである。

女房もきれいな人ばかりがいるようであっても、そんな方へは目が移らない。

父の大臣が自分に接近する機会を与えないのは、こんなふうに男性が見ては平静でありえなくなる美貌(びぼう)の継(まま)母と自分を、聡明(そうめい)な父は隔離するようにして親しませなかったのであったと思うと、
中将は自身のすき見の罪が恐ろしくなって、立ち去ろうとするときに、源氏は西側の襖子(からかみ)をあけて夫人の居間へはいって来た。

「いやな日だ。あわただしいふうだね、格子をみなおろしてしまうがよい、男の用人がこの辺にもいるだろうから、用心をしなければ」
と源氏がいっているのを聞いて、中将はまたもとの場所へ寄ってのぞいた。

女王は何かものをいっていて、源氏も微笑しながらその顔を見ていた。

親という気がせぬほど源氏は若くきれいで、美しい男の盛りのように見えた。

女の美もまた完成の域に達したときであろうと、身にしむほどに中将は思ったが、この東側の格子も風に吹き散らされて、立っているところが中から見えそうになったのに恐れて身を退(の)けてしまった。

そして今来たように咳(せき)ばらいなどをしながら南の縁の方へ歩いて出た。

「だから私がいったように不用心だったのだ」


こういった源氏がはじめて東の妻戸の開いていたことを見つけた。
長い年月のあいだこうした機会がとらえられなかったのであるが、風は巖(いわお)も動かすという言葉に真理がある、つつしみ深い貴女も風のために端(はし)へ出ておられて、自分に珍しい喜びを与えたのであると中将は思ったのであった。

家司(けいし)たちが出て来て、

「たいへんな風力でございます。北東からくるのでございますから、こちらはいくぶんよろしいわけでございます。
馬場殿と南の釣殿(つりどの)などは危険に思われます」
などと主人に報告して、下人(げにん)にはいろいろな命令をくだしていた。

「中将はどこから来たか」

「三条の宮にいたのでございますが、風が強くなりそうだと人が申すものですから、心配でこちらへ出て参りました。

あちらではお一方(ひとかた)きりなのですから心細そうになさいまして、風の音なども若い子のように恐ろしがっていられますからお気の毒にぞんじまして、またあちらへ参ろうと思います」

と中将はいった。

「ほんとうにそうだ、早く行くがいいね。年がいって若い子になるということはふしぎなようでも実はみなそうなのだね」

と源氏は大宮にご同情していた。

騒がしい天気でございますから、いかがかとお案じしておりますが、この朝臣(あそん)がおつきしておりますことで安心しておうかがいはいたしません。

という挨拶(あいさつ)をことづてた。

途中も吹きまくる風があってわびしいのであったが、まじめな公子であったから、三条の宮の祖母君と、六条院の父君へのご機嫌(きげん)うかがいを欠くことはなくて、
宮中のご謹慎日などで、御所から外へ出られぬとき以外は、役所の用の多いときにも臨時のご用の忙しいときにも、最初に六条院の父君の前へ出て、
三条の宮から御所へ出勤することを規則正しくしている人で、こんな悪天候の中へ身を呈するようなお見舞なども苦労とせずにいた。

宮様は中将が来たので力を得たようにお喜びになった。

「年寄りの私がまだこれまで経験しないほどの野分ですよ」
とふるえておいでになった。

大木の枝の折れる音などもすごかった。

家々の瓦(かわら)の飛ぶ中を来たのは冒険であったとも宮はいっておいでになった。

はなやかなご生活をあそばされたこともみな過去のことになって、この人一人をたよりにしておいでになるご現状を拝見しては無常も感ぜられるのである。

今でも世間から受けておいでになる尊敬が薄らいだわけではないが、かえってお一人子の内大臣のとる態度に暖かさの欠けたところがあった。


夜どおし吹きつづける風に眠りえない中将は、もの哀れな気もちになっていた。

今日は恋人のことが思われずに、風の中でしたすき見ではじめて知るをえた継母の女王の面影が忘られないのであった。

これはどうしたことか、だいそれた罪を心で犯すことになるのではないかと思って反省しようとつとめるのであったが、また同じ幻(まぼろし)が目に見えた。

過去にも未来にもないような美貌の方である。

あれほどの夫人のおられる中へ東の夫人がまじっておられるなどということは想像もできないことである。

東の夫人がかわいそうであるとも中将は思った。

父の大臣のりっぱな性格がそれによって証明された気もされる。

まじめな中将は紫の女王を恋の対象として考えるようなことはないのであるが、自分もああした妻がほしい、
短い人生もああした人といっしょにおれば長生きができるであろうなどと思いつづけていた。


明け方に風がすこし湿気を帯びた重い音になって村雨(むらさめ)ふうな雨になった。

「六条院では離れた建築物が、みな倒れたそうでございます」などと侍(さむらい)が報じた。

-----以下 略--------------





"Ankle Hold"(あんくるほーるど)


足首を捻って極める関節技。

主にうつ伏せに寝ている相手の足側から仕掛ける。
自分の左手で相手の左足のつま先を掴み、
相手の左足首に自分の右腕を巻き付け、
自分の右手で自分の左手首を掴んでロック。

掴んだ相手の左足を、右方向に捻って絞め上げる。

うつ伏せの相手に仕掛けるのが基本形だが、
仰向けの相手の足首を取りつつ裏返す場合もある。


“アンクル”は「足首」、
“ホールド”は「固める」


"アテネ"では愈々、終盤です。

レスリングの"男子"諸君、

"女子"レスリングの「つわもの」達に続け!!!!!

---------"ヤッホー"-------------





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最終更新日  2004年08月29日 17時01分39秒
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