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2006年07月27日
"倫敦"(ロンドン)
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"編集手帳"(7月27日付)
正岡子規は亡くなる前年、
ロンドンに留学中の友、夏目漱石に手紙を書き、闘病の苦しみを訴えた。
「僕ハモーダメニナッテシマッタ」
「生キテヰルノガ苦シイノダ」
同じ手紙に以下のくだりがある。
「倫敦(ロンドン)ノ焼芋ノ味ハドンナカ聞キタイ」と。
生きることに苦しみながらも好奇心は衰えていない。
「その明るさが人々を引き入れ、子規のそばに添わせてしまう」
病床の随筆「墨汁一滴」では痛みをこらえつつ、ガラス鉢の金魚を眺めて言う。
「痛い事も痛いが、綺麗(きれい)な事も綺麗じゃ」。
これも読む人を“そばに添わせる”一行だろう
独特の明るさを育てたものは、生まれもった晴朗な人柄に加えて、
病床を囲む友人たちとの心の交流であったに違いない。
その記録ともいうべき子規と友人たちの筆による書画約120点が見つかった
「竹の子や雨の一夜を二三尺」という子規の筆とおぼしき句の傍らに、
洋画家中村不折(ふせつ)が若竹の図を描き添えた作品も含まれている。
書画の一部は子規庵で9月に催される特別展示で公開されるという
「枝豆や三寸飛んで口に入る」。
死の影が迫る病床で屈託を感じさせない句を詠んだ人である。
書画は見る人に何ごとかを語りかけるだろう。
(2006年7月27日 読売新聞)
Who's Who???
ABOUT "正岡子規"(まさおか-しき)
(1867年10月14日(旧暦9月17日) - 1902年9月19日)
俳人、歌人。
名は常規(つねのり)。
幼名は処之助(ところのすけ)で、のちに升(のぼる)と改めた。
俳句・短歌・新体詩・小説・評論・随筆など、多方面に渡り創作活動を行い、
日本の近代文学に多大な影響を及ぼした、
明治時代を代表する文学者の一人である。
死を迎えるまでの約7年間は結核を患っていた。
享年35。
辞世の句
「糸瓜咲て痰のつまりし佛かな」より、
子規の忌日9月19日を「糸瓜忌」「獺祭(だっさい)忌」という。
AND....
正岡子規 「はて知らずの記」yori
(新聞 『日本』 明治26年7月23日~9月10日掲載)
(一)
松島の風 象潟の雨 いつしかとは思ひながら
病める身の行脚道中覚束なく
うたゝ寝の夢はあらぬ山河の面影うつゝにのみ現はれて
今日としも思ひ立つ日のなくて過ぎにしを
今年夏のはじめ何の心にかありけん、
松島の心に近き袷かな
と自ら口ずさみたるこそ我ながらあやしうも思ひしが
つひにこの遊歴とはなりけらし。
先づ松島とは志しながら
行くては何処にか向はん。
金華の豪壮高舘の悲滲末の松山末遠くとも矢立峠に筆を濡し
八郎潟に西湖の遠きを忍びて名にしあふ秋田に露の哀はれを知らんか
はた山形米沢をうしろにして越の国に夏の白雪を誰やらの膚にながめ
猶行く先は直江津より信州に入りて仏の御光を拝まんか
山路にあへぎて掬ぴあへぬ清水越に
渇せる喉をうるほさんか。
まゝよ浮世のうき旅に
行く手の定まりたるもの幾人かある。
山あれば足あり 金あれば車あり。
脚力尽くる時 山更に好し 財布軽き時
却て羽が生へて仙人になるまじきものにもあらず。
自ら知らぬ行末を楽みに
はて知らずの日記をつくる気楽さを
誰に語らんとつぶやけば罔両(魍魎)傍に在りてうなつく。
乃ち以て序と爲す。あなかしこ。
三春病ひに鎮して筆硯やうやうにうとみ勝なるに
六月のはじめつかたより又わらはやみに罹りて
人情の冷熱一生の盛衰は独り心に入みながら時鳥の黒焼も其効あらず
野道の女郎花われ落ちにきと人に語らふ間も無く
木末の朽葉ふるひかへしふるひ落して兎角する程に一月も過ぎぬ。
ある日鉄眼禅師のわが病床をおとつれて
今より北海行脚にと志すなりと語らるゝに羨ましさは限りなけれども
羽抜鳥の雲井を慕ふ心地して
涼しさやわれは禅師を夢に見ん
と餞別の一句をまゐらす。
やがて病の大方にをこたりしかば
枕上の簑笠を睨みて空しく心を苦しめんよりは
奥山越水を躇み越えて胸中の欝気を散ぜんには如かじと我も思ひ人もすゝむるに
旅衣の破れをつくろひ蕉翁の奥の細道を写しなどあらましとゝのへて
今日やたゝん明日や行かんと思ふものから
ゆくり無く医師にいさめられて七月もはや十九日といふに
やうやう東都の仮住居を立ち出でぬ。
かねて旅立のよし知りたる誰彼より
よりよりに贈られたる餞別の句
松島の紙帳につるせ松の月
素香
橘爲仲とよ陸奥守にてくだりける時白河の関を通るとて
狩衣指貫とり出でゝ着しける事を思ひ出でゝ
白河の関で着かへよひとへ物
松島へ書床しに行く行脚かな
涼しさの君まつしまぞ目に見ゆる 同
孤松
鷺洲
子規氏松島行脚の首送に泥硯を贐(はなむけ)して
旅硯清水にぬらせ柳陰
松島で日本一の涼みせよ
江左
瓢亭
其外にも数へ尽さず。
How does he want to live???
(*^糸瓜^*)
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最終更新日 2006年07月27日 07時17分33秒
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