Sep 1, 2008
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カテゴリ: 小説
「んーっとぉ…次は、ゼロー!早く来い!」

(ついに俺の番だ)

不安が押し寄せる中、ゼロは修練所へと向かった

修練所には教官が木製の練習用大剣を持って立っていた

「さて、今から第二次試験を始めるぞ」

「えっと…俺はどうすれば?」

そう聞くと教官はゼロに盾を放った、そして大剣を構えた

「え!?」

「いいか、今から俺がこいつや体術でお前に攻撃を仕掛ける、だからお前はそれを防ぐ、あるいは避けろ


(ちょっとまてーーーッ)

ゼロが戸惑っていると教官が問答無用というばかりに大剣を振ってきた

「うぉぉおぉ!」

ブゥンブゥンと大剣の風を切る音が聞こえる

ゼロは右や左に避けつつ盾や足を使って攻撃をかわす

教官がニヤっと笑った

「!?」

そして振るっていた大剣を修練所の湿り気のある土に突き刺した

ゼロは反射的に盾を構えた、それとほぼ同時に教官が大剣を軸にまわし蹴りをした



ガキャィィィイィィン!!!



と教官の鉄のプレートつきの靴と盾がぶつかる金属音が響いた



ゼロに盾を通して衝撃が伝わる

それを見た教官は大剣を引き抜き、すばやくゼロに足払いをかけた

ゼロは体制を崩したところに足払いをくらって尻餅をついてしまった

教官が大剣をゼロに振りかざした

(あぁぁあぁぁあぁ!!!)



「フン、耐えた時間は…だいたい5分か」

ぜぇぜぇとあえぐゼロを見もせずに教官は言った

「今のは基本的な回避と視力のテストだ、次は聴力のテストをするぞ」

と、言うと教官はポケットから鈴を取り出した

そしてゼロにアイマスクを渡した

「今からこの鈴を右と左手で入れ替える、お前は音だけで右手に入っているか左手に入っているかを当てろ」

そういうと右、左、右と鈴を投げて入れ替え始めた

ゼロは全集中力を耳に集めた



チリン、チリン、チリン、チリン…



だんだんと入れ変えるペースが速くなる

チリリリリリリリ…

パシッ!!


教官が手を止めた

「さぁ、どっちだ?」

(わかんねぇよ…こうなったら…直感だ!!)

「…左だ!!!」

アイマスクを取って教官が手を広げるのを待った

トクン…トクン…トクントクントクン

心臓が高鳴る、手から汗がにじみ出る


バッッ!!


教官の広げた左手には鈴が乗っかっていた

「よっしゃあああああああああ!!」

教官は少し笑った

「よし、第二次試験合格だ!」





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Last updated  Apr 7, 2012 05:20:34 AM
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