乳癌、マラソン、そしてバカ話

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2012.11.11
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カテゴリ: 乳癌
 4年前の今頃、くうみんは再手術勧告を受けました。

「脈管侵襲が極めて高度なので再発したら炎症性の乳がんになる可能性が高い。その時はもう手がつけられない」

 主治医は言うとおりにしないと責任が持てない、主治医を降りる、とまで言いました。病期こそ2bでしたが、主治医の口ぶりからは3期に匹敵するような再発率だったようです。

 当時でも乳腺だけを取り除いて乳頭や皮膚などウワモノを残し、その中にバッグを入れるという「乳腺全摘術」というのがあったのですが、皮膚の方にも癌が回っていて、それも出来ないということでした。

img010全部×の図.jpg
 うわっ、全部×だ!ひどいもんだね~


img011 巨大な脈管侵襲.jpg
 tremendous lymphatic permeation 恐ろしい程の、巨大な、すさまじいリンパ浸潤、だって


img011断端強陽性.jpg
 オホホ、断端不明なんて笑わせてくれる


 全摘は絶対に嫌でした。某掲示板にも相談しました。

 それに対する返事は皆冷ややかなものでした。
「今ではいくらでも再建が出来るのに、あなたってバカね」
 そんな答えがほぼ100%でした。

 どうにか再手術しないで済む方法はないか?頭が痛くなるくらい勉強しました。
 ネット検索や図書館通いで、実用書、専門書まで読み漁りましたが、この病気の状態で、手術せずに済む方法なんてどこにも書いてありません。すべての意見は全摘の再手術の上抗がん剤、放射線。
 セカンドオピニオン、サードオピニオンも同じ意見でした。

「おじさん、私はどうなるの?」
 心細くて、どうにもならないことをおじさんに聞きました。
「誰にもわからないんだよ」
 おじさんは答えました。

 くうみんはこの頃まだまだ弱い芦でした。



「命とちちとどちらが大事?命でしょう?」
 そんな風に自分の考えを矯めていくようになりました。
「仕方ない、全摘の上一日も早い再建を目指そう」

 4年前は北京オリンピックの年でした。パラリンピックも開催されます。
 障害があっても鍛え抜いた彼らの体は美しい。車椅子の選手の上半身の筋肉は彫刻のようだし、重い障害を持ったボッチャの選手の真剣な眼差しは、ドキっとするほどセクシーです。



「あんなみっともない体ぶら下げた五体満足のおばより、片乳なくした私の方がかっこいいわい。そうだ、ボディビルに転向しよう。全摘した胸もこのままで大会に出てやる!みんなに見せつけてやる!」

そこまで決心したのに…

 主治医がなぜか、
「このまま放射線ということにしましょう」
と言ってくれたので、再手術はせず、そのまま放射線、今日に至っています。

 言う通りにしないと主治医を降りるとまで言ったのに、なんでこんなに態度を変えたのか、不思議でした。
 くうみんは主治医にはっきりと嫌だといった訳ではありません。ただ、全身に
「全摘は嫌だ!」
 というオーラが充満していたと思います。だから
「そこまで嫌なら…」
という事だったのではないかと推測しています。

 この時は医者にはっきり「嫌だ」と言えるほど強くはありませんでした。ただ、怖くて押し黙っていたのが、強情に見えたのでしょうね。 

 再建も、くうみんのように放射線を当てた後で再建するには、お腹の皮膚を移植する方法が選択されます。
 これも手術例の写真を見るとあまり自然には思えませんでした。その上感覚もなくなります。しょせん本物にはかなわないのです。

 その後の診察のたび、黄緑色の倍角文字で
「局所再発の可能性が極めて高い」
 とパソコン画面に書かれているのを見ました。

 しかし、ホルモン剤も1年半前にやめましたが、4年経った今でも再発なんかしていません。
 もっとも検査もしていないから、再発したかどうかはわかりませんが。

 でも、手術しなくても再発していない、この事実は医者の言うことなんて当てにならないということの証明ではありませんか?

 だから手術する、しないを決定するのは医者でなく、患者であるべきです。

 私、元気です。お蔭様でフルマラソンもサブフォーに復帰できたし、黙っていれば全くの健康体です。
「体調はどうですか?」
「治ってよかったね」
 人はそう言いますが、体調は悪いです。大きな動きはできます。しかし細かい動きができません。

 治って良かった?ガンですか?それとも抗がん剤、ホルモン剤の副作用ですか?

 ガン由来の痛さ、苦しさは今まで一度も感じておりません。あるとすれば、抗がん剤、ホルモン剤の副作用の苦しみです。

 指先でする細かい仕事は未だにうまく出来ません。
 先日久しぶりに針仕事をしました。ぞうきんを縫うようなことですが、手指が思うように動きませんでした。
 末梢神経を傷つけるというパクリタキセルのせいか、ホルモン剤の影響かは不明です。両方の影響かもしれません。

 小学生の頃、小児まひの後遺症で体の不自由な子がいました。その子の手指は猫の手のように曲げられ、動きも力が入りすぎているような、それでいて物をつかめないというような変な動きをしていました。それと同じだったので愕然としました。

 今ある機能を大切に、失ったものを数え上げるのはいけない…そう言いますが、これから抗がん剤を受けるかもしれない方々には、こういったことを考慮に入れてから受けて欲しいのです。

 手術は拒否できた。けれどもくうみんは抗がん剤がこんなにひどいものだとは知りませんでしたね。


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最終更新日  2012.11.11 15:43:08


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