2010年夏休み・フィンランド&エストニア遠征(8月18日~23日)
今日の早朝、無事にフィンランドのヘルシンキから4泊6日の日程を終え帰国しました。ヘルシンキ空港には2時間前に着いたのに、出国の長蛇の列と係官の仕事の遅さで危なく乗り遅れそうになり、久々にしびれましたが、それにしても最高気温20度くらい、夜10時過ぎまで太陽が出ている北欧フィンランドは、くそ暑い日本を逃れる場所としては最高でした。仕事柄、アジアやアフリカの厳しい国に行くことがずっと多かったわけですが、純粋観光のみでアジア以外の国に行ったのは初めてでした。欧州も15年前にアフリカ出張へのトランジットで行って以来でした。最近、生活水準や福祉レベルあるいは税負担が高い北欧が日本の今後を探るための比較対象として取り上げられることが多いこともあり、その中でおそらく日本から一番飛行時間が短い国がフィンランドであり、ITの分野では世界最大のケータイメーカ、ノキアの本拠地があるのもフィンランド。そんなこともこの国を選んだ背景にあります。
ここ数年の夏の旅行は、基本的にすべて自分でネット経由で手配しています。今回のフィンランドも、フィンランド航空(Finnair)のサイトから安値の期間を選び、ホテルもそこからリーズナブルなところを予約し、事前にカード払い。また、最初はフィンランド以外の北欧の国や温泉が有名なハンガリーなども候補にしましたが、たくさん行くと疲れそうなので、ヘルシンキから豪華大型客船で簡単に日帰りができるバルト三国のひとつ、エストニアのタリンに行くことにしました。ここもネット上で事前に予約をして行きました。あと、4泊もあるので、電車でちょっと遠くまでということで、フィンランド国鉄(VR)のサイトから現地で予約をしたりしました。あらためてITで旅行が便利かつ効率的にできるようになったと思いました。
あと、言語マニアでもあるので、せっかくなので、欧州では異質な言語のひとつであるフィンランド語も少し勉強していきました。そんないろいろなことも踏まえつつ、以降とても冗長になりますが、鬼のように撮った写真をもとにたぶん10日以上でレポートします。よろしかったら適当なところまでお付き合いください。。
8月17日夜、羽田空港直結のホテルに前泊。18日朝6時半ごろのFinnair共同運航便のJALで関空へ。この日は天気が良く、左舷窓側の席に座ったので富士山の赤茶色の頂上が完璧に眼下に見えました。写真は7:37、関空ターミナル内に入ったところ。関空は初めて降り立ちましたが、成田と違い滑走路からの誘導路が短く、効率的ですね。また、ターミナルの構造も吹き抜けが多く、ターミナル内をつなく電車など、本来アジアのハブになれそうな素晴らしい設計だと思いました。あと、大量に土産を買いこむ中国人の多さ、アグレッシブな店員もたくさんいて、アジアらしい活気を感じる空港だと思います。東京にいるとネガティブな報道のせいで滅入るときも少なくないですが、日本も大阪や九州などアジアに向いた地域が中心になって、国を建て直す時期が来ているのではないかとさえ思ったりします。
こちらがヘルシンキ行きのFinnair。11時に一路ヘルシンキへ出発。10時間以上のフライトは久しぶり。アラフィフおやじにはちときついかも。。
エコノミーの座席でもすべてにこのタッチパネル式テレビがついています。14:48(日本時間)、シベリア上空通過中。左の湖はバイカル湖。この手前、左舷にアムール川(黒龍江)とウスリー川(松花江)の合流地点、昔60年代に中ソ軍事衝突があったダマンスキー島(珍宝島)あたりがくっきり見えました。
この座席テレビからは、SMSやEメールも送れます。試しに会社の同僚に送ってみました。送信1通あたり2ドル、受信したのを開くのも2ドルと、ちょっと高いですがいろいろできるものです。
15:26(現地時間)、ヘルシンキ・バンター空港到着。10時間以上タバコを吸えなかったので、出口で一服。久しぶりに吸ったのでちょっとクラっときました。
空港内のWiFiの看板。
ノキアの専門店も入っていました。フィンランドといえばノキアですが、街中ではあまりケータイのショップそのものを目にしませんでした。アジアとは違いますね。となりは通信キャリアのSonera。私のケータイはこのSoneraと大半の時間ローミングしてました。
15:31、Finnairの空港バスでヘルシンキ市内へ。約30分で宿泊するホテルの近くに停まります。
言語マニアはこういうのに惹かれます。上からフィンランド語、スウェーデン語、英語の順番。フィンランドは95%くらいの人の第一言語がフィンランド語。かつてスウェーデンに長期間統治された経緯からスウェーデン語も公用語になっています。ここは空港なので英語も併記されていますが、街中に行くとフィンランド語とスウェーデン語の表記しかないところが多く、見てもさっぱりわからないことしばしばでした。でも、フィンランド人は誰でも流暢な英語をしゃべりますので、英語さえなんとかなれば不自由ありません。
市内までのハイウェイ中。運転席横の席に座りました。ここでは昼間でもヘッドライトをオンにしないといけないようです。
ガソリン代は日本よりやや高め、というところでしょうか。ここ最近の円高でほとんど同じくらいかもしれません。
16:28、Scandic Continentalというホテルにチェックイン。大型ビジネスホテルみたいな雰囲気でした。もともと由緒あるホテルだったのかもしれませんが、いろいろ効率化されています。
なぜか部屋の壁に海老蔵。
さらになぜか北斎も。
17:45、ホテルを出て中心部に行きます。
ホテル前を走るトラム。初日は徒歩で中心部まで行きましたが、その後はずっとこのトラムにお世話になりました。さて、初回レポートはこんなところまで。。
フィンランド・エストニア遠征レポート(2)です。1日目、8月18日(水)の夕方、まずは初日の散策から。
ホテルを出て、ヘルシンキ中央駅方面に歩いていきます。すぐ近くに教会?がありました。あとでわかりましたが、実際は古い教会の建物を使った国立博物館(National Museum)でした。時間は現地の17時すぎですが、白夜で日が沈むのは22時くらいなので、まだまだ太陽はかなり高いところにありました。
17:55、逆方向から。このときはまだただの教会だと思っていました。。
17:59、駅前近くまで来ました。IKEAのバスが目に入ったので思わず一枚。郊外のIKEAの大型店舗に向かう直通無料バスのようです。IKEAは隣のスウェーデンの資本ですが、フィンランドにも数店舗あるようです。大型店舗マニアとしてなんだか親近感を感じます。。
その近くの交差点の雰囲気。中心部は全部石畳になってます。ヨーロッパらしいですね。
18:03、ヘルシンキ中央駅の西口前。
ヘルシンキ中央駅の正面入口。荘厳な作りです。高福祉、高負担の国、フィンランドではありますが、駅周辺には物乞いの人もいました。女性の物乞いも数人見かけたことに、ある意味男女同権で厳しい社会ではないかとも思ったりしました。あと、タバコは駅構内や建物の中は禁煙ですけど、やはりそこはヨーロッパ、街中に灰皿も多いし、歩きタバコも結構いました。最終日にこの駅前で吸っていると、女子高生?くらいの女の子が「タバコちょうだい、あと友達のもお願い」と近寄ってきて、思わずあげてしまいました。
駅の壁の像が印象的だったのでもう一枚。滞在中、この駅前にはあらゆる移動の拠点として毎日お世話になることになります。
18:06、駅構内に入ってみました。
プラットフォームへ向かいます。4日目にはここから列車で日帰り往復をすることになります。
ホームです。ヨーロッパの駅は改札口がないのが普通だと思いますので、勝手に入れるのがうれしいです。
モスクワ行きの国際列車が止まっていたので一枚。フィンランドはかつて帝政ロシアの統治下、ソ連の影響下にありましたが、その近さを感じさせます。サンクトペテルブルクなどは、フィンランド湾を囲んで実際すぐ近くにあります。フィンランド人自身は面積は結構大きいですが、ロシアとスウェーデンという強国にはさまれた「小国」と認識しているようです。そのバランスのなかでどう生き抜いていくかを常に考えなければならないところが、バランス感覚に優れる一端になっているのかもしれません。
モスクワ行き列車の全体です。
ダブルデッカーのインターシティ特急電車。4日目にはあの車両に乗ります。
東京でいえば「近郊区間」にあたる通勤電車も結構たくさん走っています。「VR」というフィンランド国鉄のロゴ、日本のJRのロゴに似てますね。。
駅構内にあった切符の自動販売機。あとで別のところで3日分の一日乗車券を買いました。市内のトラムや地下鉄、バス、フェリーなども共通で使えます。見た目普通の紙のレシートと同じ電子チケットなので最初は切符であることがちょっと信じられませんでした。あとLippuというフィンランド語はよく見かけたので、それがTicketという意味であることは勉強いたしました。。
18:21、駅から出て駅前の様子。
こちらも駅前を別方向から。
港の方に歩いていく途中にあったノキアのショップ。ノキアの総本山フィンランドですが、ケータイのショップはあまり街角でみかけませんでした。ちなみに、「ノキア」とはフィンランドの地名です。
仕事柄、こういうのも記録しておきます。。あのフィンランド語はたぶん「あなたはどんなタッチ式ケータイがお好き?」みたいなことが書いてあります。そんなことでこのあとは港近くで夕食へ。。
夏休みフィンランド遠征レポート(3)、8月18日夜の続き。ヘルシンキ中央駅周辺から市内中心部を歩いて行くと。。
まずは目の前をトラムが曲がって行きました。トラムの車両はこの低床式の新型車両と、やや古いタイプの2種類が走っています。
ヘルシンキのランドマーク的存在、ヘルシンキ大聖堂に18:32、やってきました。
だんだん正面に近づきます。同じような写真が続きますがご容赦ください。
階段を上って後ろを振り返ります。この広場は「元老院広場」という由緒正しい名前です。
この方向は真南。すぐ海があります。
180度広場を俯瞰しました。
大聖堂の中に入りました。
パイプオルガンのアップです。静かでとてもよい雰囲気でした。アジアの喧騒とはやはりちょっと違いますね。。
18:44、ヘルシンキ大聖堂を出発、海の方に向かいます。
18:47、港に面したマーケット広場というところに来ました。翌日以降の日記でレポートしますが、ここはいろいろな屋台が出る市場です。ただすでに夜6時を回っていますので、屋台は片づけられていて、カモメが餌になりそうなものを探しているだけ。「マーケット広場」にはほぼ毎日来ましたので、フィンランド語でKauppatoriというのも覚えました。
この港からは、湾の先にある世界遺産、スオメンリンナ要塞をはじめ、観光クルーズがたくさん出ています。一番遅い便では19時台のもありました。
広場からはウスペンスキ寺院という西欧では一番大きいというロシア正教の寺院も見えます。ここはまた日を改めて訪問します。
マーケット広場からの風景。
港の沖合方向。
すぐ近くにあったフィンランドレストランのアウトドア席に座り、19:15夕食。日はまだ高かかったですが、日陰で風も強かったので寒かったです。たぶん体感温度は15度前後。。でも地元のビールはうまかったです。
19:24、前菜のサラダ。サーモン系の料理が多かったと思います。
19:54、やっとメインが登場。魚のフライとジャガイモはヘルシンキの定番のようです。
レストランはこんな感じのところ。
港にあった自動販売機で3日間分のDay Ticketを買い、初トラムで帰ることに。チケットというと硬いカード式を予想したのですが、普通の紙のレシートと同じe-ticketなので、にわかにこれがチケットだとは思えませんでした。。Senaantintori(元老院広場)という電停から乗ります。
電停の壁面にも先ほどと同じノキアの看板。
旧式車両のトラム車内。運転士に切符を見せたりする必要がないので、勝手にドアの開閉ボタンを押しての乗降が中心。とても効率的ですが、無賃乗車したりすると高額な罰金になるんでしょう。しかし、このあとのヘルシンキ滞在ではこのトラムに本当にお世話になりました。土地勘がない旅行者でも簡単に市内を移動できます。では2日目は明日に。。
フィンランド・エストニア遠征レポート(4)です。帰国してからというもの、日本のくそ暑い気候に馴染めなくなったのか、夏カゼをひき更新が滞ってしまいました。そんなことで8月19日の朝から再開です。ちなみに、前日の夜は、ホテルにあった本場フィンランドのサウナに行きました。日本のサウナでやっているような、熱した石に水をかけて蒸気を出すロウリューというのを自分でやって、少しその雰囲気を味わいました。ただ、サウナ自体は日本の日帰り温泉にあるやつのほうが設備自体は全然いいですね。。
さて、8:53朝食のバイキング。ここの新鮮なトマトは本当に美味しく、毎朝大量にいただきました。
朝食後9:17、ホテルの外で一服。涼しくて清々しい気候です。
通りを渡って反対側にあるトーロ湾公園です。フィンランドらしい景色です。小さな湖のようにみえますが、海ともつながっている入り江のような感じです。
公園の雰囲気もいいです。
トラムに乗って、昨晩も行ったマーケット広場から世界遺産・スオメンリンナ島に行く船に乗るつもりでしたが、間違ってひとつ先の駅まで行ってしまったら目の前にこのウスペンスキ寺院がありました。折角なのでそのまま見学することにしました。
10:15、寺院前です。中に入ります。
西欧地域では最大のロシア正教の寺院だそうです。なかなか荘厳です。
中のいろいろな説明は、ロシア語が主流になってました。フィンランドはロシアに占領されていた時代もあるのですが、フィンランド人はこのような寺院にどのような評価をしているのでしょうか。。
ウスペンスキ寺院のある高台からは、昨日行ったヘルシンキ大聖堂もよく見えます。
マーケット広場もよく見えます。昨晩は店じまいの後で広場には何もありませんでしたが、この時間帯はこのようにたくさん屋台が出ています。
大型フェリーも停泊しています。あのタイプの船に翌日乗ってエストニアに行ったというわけです。
まずはマーケット広場から散策します。青空にフィンランドの旗が印象的。
野菜の色鮮やかさが見事です。
こちらはキノコ系。
10:41、スオメンリンナ島に船で向かいます。この船も昨晩買った3日分のチケットで自由に乗れます。
フィンランドっぽい景色です。島までは約15分。
左側にスオメンリンナ島の一部が見えてきました。
だいぶ近づいてきました。
10:50、あと少し。
10:53、スオメンリンナ島上陸。この島はかつてフィンランドをスウェーデンが統治していた18世紀に、ロシアの侵攻に備えて島全体を要塞化したというところです。そのあと帝政ロシア占領時代、冷戦時代の軍事拠点となり、その後ユネスコの世界遺産に登録されたという経緯だそうです。島の続きはまた明日に。。

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