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八木哲郎

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2006/10/28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ロンドンのヒースロー空港から汽車に乗って15分、終点のパディントン駅から歩いて5分というが、大きな荷物をもって知らない道を尋ねあるくのはいやだからタクシーに乗る。あっという間にファイアーウエイ・ベイスウオーターという名のホテルにつく。なんというか、日本で言うなら3流くらいのホテルで、フロントの男はブッキラボウだ。HISでできるだけ安いところというので決めたのが1泊7500円のここである。来てみてやはり驚いた。エレベーターのないアネックスの4階の狭い階段を上った3畳ほどの狭い部屋で、ベッドの周りの床に荷物を広げたら足の踏み場もなくなった。同じフロアの4室とトイレとシャワーが共用であるから安いわけである。

飲食店でビールとスパゲティを食べる。なんとも甘い変な味のビールとまずいスパゲッティである。しめて10・5ポンド。水とワインと明日朝食べるサンドウイッチを買って帰る。狭い部屋に帰るとなんともわびしい思いにとらわれた。
なんと言うかな、夏目漱石がはじめてロンドンに着いたときはこんな気分に陥ったんだろうなと想像した。
テレビを見る。やはりニュースとトーク番組とグルメ番組は日本と同じである。だが、日本ほどCMは少ない。何もやることがないので8時頃に寝る。
真夜中にトイレに起きる。こうして最初の日に大失敗をしてしまった。
というのは、トイレは目の前にあるから、部屋のドアを開けっ放しにして置いたら、自然にドアが閉まってしまったのである。カギは部屋の中に置いたままだ。自分の部屋に入れなくなってしまった。
よくあることで、こういう場合はフロントに行って万能キーで開けてもらえばいいわけだが、なんとアネックスだからアネックスのドアが閉まっており、フロントに行くことが出来ない。郵便受けの隙間から大声を出してみたが、フロントにどうしても届かない。あせってしまった。階段を上がったり下りたりして、誰かがトイレにでも起きてこないかとしばらくフロアの床にしゃがんで待っていたが、夜は深深と更けてくる。このまま朝まで廊下にいて風邪を引いて肺炎でも起こしたら万事休す。ロンドンまできて絶望的な気分になった。
やがて荷物を一緒に持ち上げてくれた親切なアジア人ふうの男が5階にいることを思い出し、5階に行って「ヘルプ・ミー」「ヘルプ・ミー」と大声で叫ぶ。やっとドアが開いてごそごそと彼が出てきた。彼が自分のカギでアネックスのドアを開けてフロントに行かせてくれた。






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Last updated  2006/10/29 01:04:52 AM


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