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八木哲郎

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2008/05/27
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カテゴリ: カテゴリ未分類


こういうふうにグローバルな金が動いて資源を買い漁り、価格騰貴をおこして人々を苦しめても国際的なコントロール手段がない。不正、貪欲に対する制裁手段がない。資本主義のもっとも悪い一面が出てきた。
日本でも国際競争力をつけるための人件費削減が進んでいる。正社員の人件費削減はなるべく避けて、非正社員を使うことにより全体の人件費を削減するため、勤労者の3分の1が低賃金の非正社員という状態になった。
今、本屋に小林多喜二の「蟹工船」が文庫になって平積みされている。非正社員は自分たちの待遇はまさに蟹工船の低賃金労働者だとなぞらえて読むそうである。マルクスももはや危険思想ではなく、正当な資本主義のチェッカーとして読まれ始めた。
アメリカの企業トップで年収数十億円という人がいる。一億円の年収でも使いきれないほどの金である。ましてや数十億円なら一生かかっても使いきれない。どうしてこれほど貪欲に金を求めつづけるのであろうか。
私は1860年代の英文資料を読んでいるが、この頃は資本家のことをマーチャントと呼んでいる。アヘン売買をしたり、奴隷売買をする商人もマーチャントなら、そうでない商人もマーチャントで、マーチャントは悪い印象でとらえられている。マルクスが資本論で告発したように少年を16時間も働かせたり、黒人奴隷をプランテーションで酷使したのもマーチャントである。マーチャントはいつの時代にも貪欲に金を儲け続ける存在だ。
こうしたマーチャントの貪欲性に対して社会主義が起こってきたのも、欧米においてとらえる限り正当な流れであったといえよう。
しかし、一方、車を作ったり、鉄道を敷いたり、さまざまな商品をつくって文明を築いてきたのもマーチャントである。
戦後はマーチャントを企業家とか経営者というようになり、社会的な評価が上がった。経営者が教育や倫理まで口にするようになった。
しかし企業家の本質はマーチャントであることにかわりがない。
国民は、行き過ぎたマーチャントの行動をチェックし、対抗する手段を考えないといけない。とにかく非正社員がいちじるしく差別化されている状況を改革しないといけない。





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Last updated  2008/05/27 09:36:56 PM


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