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2009/09/25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
北康利氏の講演「プリンシプルのある男、白洲次郎」をテ-プ起こしてまとめたが、改めて、白洲次郎という男の魅力を知った。白洲ほどではないにせよ、私が若い時分、昭和も40年ころまでは、まれにこういう白洲みたいな人がいたことを懐かしく思い出す。私自身の半生でみても、数人いたかどうか。

通産省の戦後の目覚ましい活躍は知っていたが、白洲次郎が通産省を作った男だということも知らなかった。
戦時中に軍部政府は日本の電力会社を統制して半官半民の日本発送電という会社を作ったが、戦後はこの会社が解体されて九つの電力会社に分割された。白洲次郎はこの中のひとつ東北電力の会長に就任した。しかし、白洲は電源開発という会社を新しくつくった。これはまるで日本発送電の復活みたいで轟々たる反対が起こった。なぜ白洲が東北電力の会長職にありながら、いまさらこんな発想をするのか誰も理解できなかった。しかし、白洲の本音は外資を導入して大きな発電会社をつくっておかないと日本は電力が不足して産業を振興できないと考えたからだ。実際にこれで外資が導入されて大規模な只見川ダムの電源開発が可能になった。東北電力の会長であった白洲は東京電力から只見川の水利権を強引に奪い取ることで東北電力につくしている。こういうところを見ると白洲は強引で毀誉褒貶の多い男であったことがわかるが、全体をみると、彼の行った仕事がいかに大きかったがわかる。

さて、城山三郎の「官僚たちの夏」は通産官僚たちの姿を描いたものであるが、出てくる官僚たちは白洲次郎の相似形みたいに、自分たちが日本を背負っているエースであると自任し、実に冴えた人物たちで国士然としてふるまう。政財界などのいうことなど聴く必要はない、俺たちが日本をみちびくのだという気概にあふれている。傲慢そのものである。民間に対してはものすごく威張っていた。ひところの通産省はMITIとして世界的に有名になった。通産省のマネをして似たような組織を作る国がたくさん出た。
しかし、時移って、冷戦が終わり、日本の高度成長がおわると、官僚たちがこういう能力を発揮する機会はなくなり、調整型官僚と言われるようになり、矮小化した。
「官僚たちの夏」に出てくる官僚たちは日本の復興と発展期、しかも冷戦の時期と云うきわめていい時期に恵まれた幸運な人たちだったといえよう。
今の官僚はそういうプリンシプルもそれを発揮する対象もなくなり、彼らにビジョンを与える政治家もいない。官僚自身の国家目標といってもきわめて漠然としており、数ある官庁をたばねる司令塔もない。自民党にマニフェストがなかったのだから、官僚が何をやったらいいかわからないのは当然である。こうして縦割り主義、省あって国なしの状態に陥ったのは自然の勢いというものであろう。
やはりこういうのがもともとの官僚で「官僚たちの夏」のような官僚はもういらない。

したがって民主党対官僚という図式は、民主党が圧倒的な指導性を発揮すれば、あと2年もすれば、なんでもなかった、ということになるであろう。
昨日の夕刊で構想日本の加藤秀樹氏が民主党の行政刷新会議の事務局長に抜擢された。加藤氏はここ7年ほど地方自治体の事業仕分け活動をすすめ、昨年あたりから国の事業仕分けを自民党の無駄撲滅プロジェクトの河野太郎氏と組んで実行した。私も何度かこの会を見学したが、役人のやっている仕事はずいぶん根拠薄弱で無駄なことが多いなあと思った。その仕事をやらねばならないプリンシプルというのも希薄であった。つまり官僚を動かしているビジョンなどというものはないのである。官僚が案をつくって自民党の政治家がハンコを押すというのもうそであることがわかった。






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Last updated  2009/09/25 08:07:13 PM


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