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今、野田首相がさかんに脱原発を言って自民党との差別化をしようとしており、メディアなどが脱原発か原発維持・推進かを争点にまとめようとしているが、伏せられているもう一つのテーマは官僚政治からの脱却である。メディアはこのことを隠そうとする。
憲法改正を自民党が言っており、自民と維新が組めば、これは実現するだろうが、石原慎太郎が統治構造を根本から変えると言っているのは官僚政治をやめさせるということなので、これには「みんな」も「未来」も通底した要求である。だから、これは脱原発とおなじくらいの大テーマである。だが、自民党、民主党の態度は明確でない。
官僚政治から脱却する方法は、中央集権を薄めて地方分権化し、財源を地方に移すことが道筋になるが、そうなると道州制になる。だが、これはまだテーマになっていない。脱原発が一区切りしてからになるであろう。これをはっきり謳っているのはいまのところ、「維新」だけである。
さて、憲法改正とか脱官僚ということになると、さらに伏せられたテーマは安保条約をどうするかである。安全保障条約というと日本人はアメリカが日本を守ってくれて有り難いと思っている人が多いが、実際は、安全保障条約とは、軍事的に強い国アメリカが軍事的に弱い国日本を他国が攻撃したり侵略したりしてくるのを許さず、排除するという取り決めで、アメリカが第三国に対して宣言し、独占的に日本を保護下に置くという条約である。集団的自衛権と言っても軍事的に弱い国と軍事的に強い国との集団自衛のありかたはどなたにも想像がつく程度であろう。
安保条約のため、日本は軍人系のアメリカの国務省、国防総省に支配されているから、オスプレイなどは押されっぱなしになる。もし安保を廃棄するならば、日本からアメリカの基地を撤去し、アメリカ軍を自衛隊に置き換え、日本は自国で国防し、アメリカとの関係は相互軍事同盟になり、完全な集団的自衛権の世界になる。
ややこしいのは、日本の外務官僚と防衛官僚は政治家をとばしてアメリカと直接結びついているので、脱官僚となると、ここに踏み入れることになる。石原慎太郎の発言から推測すれば、彼はここまでやろうとしているのかもしれないが、自民党はわからない。
安倍総裁が首相になって祖父の岸信介が企てたようなアメリカからの独立をやるのか、あるいは今のようなアメリカの保護圏下にあって、しかも集団自衛権を云々するのか、そこのところを言わないからわからない。
中国は日本がどういう政治選択をするのかをみまもっている。