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前回『「ラクナ梗塞」があるということは、脳以外の臓器にも血栓がたくさんあるということが予想されます。』と書きました。これについてちょっと考えてみましょう。 血管には動脈と静脈があるわけです。一般に、動脈は新鮮な酸素、栄養素等を運んで全身に行き渡らせる働きをもっています。静脈は二酸化炭素をはじめとした様々な老廃物を回収する働きをもっています。 さて、動脈が運んできた酸素や栄養素を実際に供給し、二酸化炭素等の老廃物を回収する現場はどこでしょうか? そうです。そこが毛細血管なのです。毛細血管は直径がおよそ7μm(マイクロメートル=ミクロン=1mmの1000分の1)です。実は酸素を運ぶ赤血球は7.5μmほどはあります。つまり、赤血球は自らの体をよじりながら毛細血管の中をくぐり抜けていくのです。 毛細血管は内皮細胞というものでできていて、他の太い細胞に比べきわめて華奢です。だからこそ細胞を通して物質のやりとりができるのですが、そのため非常に傷つきやすいとも言えるのです。 例えば、活性酸素等で赤血球の柔軟性が損なわれているとか、尿酸値の高いヒトは鋭く針のようにとがった尿酸の結晶が流れているとかしていると、毛細血管はたやすく傷つきます。 血管が傷つくとすぐに血小板がやってきて、その後フィブリンという繊維質で修復されますが、ただでさえ細い毛細血管はもう赤血球が通れないほどに細くなってしまっているかも知れません。あるいは血液の粘度が高ければ完全に塞がってしまうかも知れません。 血管を赤血球が通れなかったり、塞がったりすれば、その先の組織は死んでしまいます。もちろん、これは非常に微細な世界ですので、一本や二本の毛細血管が塞がったからと言って、何らかの障害が起こるはずはありませんし、代わりの毛細血管が延びてくることもあるでしょう。 しかし、こうした異変が修復のメカニズムが追いつかないほどに頻繁に起こったらどうでしょう。そのダメージは徐々に蓄積されていくのではないでしょうか? 腎臓を例にとってみましょう。 腎臓は、左右二つずつあり、それぞれにネフロンという組織が100万個ほどあります。ネフロンはまさに毛細血管のかたまりのような臓器で、そこで老廃物の抽出、尿の製造などが行われています。 もともと老廃物の処理工場である腎臓ですから、このネフロンを構成する毛細血管には常時非常に多くの血液が流れています。そして毛細血管が傷つく機会もたくさんあるのです。 一般に、中年以上になると腎臓の働きは徐々に衰え、高齢者の場合は若い頃に比べるとその働きはずいぶん低下しています。もちろん、腎臓は十分なマージンを持っているので、簡単に危険なほどになることはありません。 しかし、気がつかないところでその機能の低下が様々な影響を与えていることも事実なのです。 腎臓の機能の一つとして、活性化ビタミンDという名のホルモンを製造するというのがあります。実は活性化ビタミンDというのは、腸管からのカルシウムの吸収を促す働きがあります。 つまり、 腎臓の働きが低下⇒活性化ビタミンDの分泌量の低下⇒腸管からのカルシウム吸収の低下⇒血中カルシウム量の低下⇒副甲状腺ホルモン分泌⇒骨からのカルシウムの流出⇒骨粗鬆症の発生 というメカニズムがあるのです。実は骨粗鬆症の根本原因の中には腎臓の機能低下というのがあったのです。 つまり、腎臓の機能が低下している中で、カルシウムだけ飲んでも何の解決にもならない、否、むしろ有害でさえあると言えるのです。 以上、毛細血管の詰まりが単なる血栓症に留まらず、様々な疾患の根本原因になっている可能性があることの一例を挙げてみました。
2005年02月28日
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今日はデータを見てください。ちょっと統計が古いですが下のグラフは「寝たきりになる原因」を表したものです。 いかがですか?赤い字で書かれたものが「血栓症」が原因、あるいは遠因となっていると考えられるものです。 ただし、痴呆・老衰・糖尿病はすべてではないと思いますが、その他や不明の中にはいくぶん含まれるものがあるのではないかと思われます。そのように考えると、何と寝たきりの原因の50%程度が血栓症に関係するということになります。 「寝たきり」というのは、本人にも大変つらいものがあります。特に精神面には何も問題がない場合などがそうですね。 しかし、中には精神面の異常があるケースも少なくありません。まず38%と最も比率の高い脳血管疾患(脳梗塞が代表)では、単なる麻痺だけでなく、人格が変わる、ぼけ症状が出るなどのケースも多いのです。 「痴呆」は7%ですが、この中にはアルツハイマーなどのほか、ラクナ梗塞が進行しているケースも多いようです。 その他、「ラクナ梗塞」があるということは、脳以外の臓器にも血栓がたくさんあるということが予想されます。 そしてこれが、例えば高血圧・糖尿病・腎臓病等の隠れた原因になっていることも考えられます。 末梢の毛細血管が血栓によって流れにくくなると血圧を上げて血液を流そうとするので高血圧になります。 毛細血管のかたまりのような膵臓や腎臓のような臓器では、毛細血管に血栓がたまれば働きが衰えます。その結果糖尿病・腎臓病の遠因となり得ます。 つまり「血栓」というのは、成人病(=生活習慣病)に大きく関わる疾患であるということが言えます。 「ラクナ梗塞」はそうした疾患が体全体に起きているという証拠とも言えるという点で、大変怖いと言えるのです。
2005年02月27日
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「ラクナ梗塞」ができる場所によっては明らかな症状が出ることもあるのですが、多くの場合症状が出ません。 症状が出ないからといって、その部分の脳細胞が死んでしまうことは事実です。その影響がごくわずかの場合、自覚症状も出ませんし、他人から見てもわからないのです。 実際は症状が出ていても、年齢のせいにされてしまうことが多いようです。アルツハイマーでない老人性痴呆症はこのラクナ梗塞が原因となるケースも多いようです。 さて、ちょっと写真を見てください。 「ラクナ梗塞」の写真です。この写真では一ヶ所だけのようですが、何ヶ所も白く見えるところがある人もいます。でも自覚症状はないのです。怖いと思いませんか? 一度梗塞が起きてしまうと、もうその先の脳細胞はよみがえりません。 だから大切なのは、梗塞にならないようにすること、つまり血管が詰まらないようにすることなのです。 次回は、「ラクナ梗塞」の原因などについて考えてみたいと思います。
2005年02月25日
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テレビを見ても、雑誌を読んでも、いつも流行の健康に良いと言われる物質があり、それを含んだ健康食品が売れているようです。 最近ですと、「コエンザイムQ-10」「アルファリポ酸」なんかですかね。 ちょっと前には「アミノ酸」「特殊乳酸菌」がはやったようです。 こうした物質はもちろんとても良いものであることは否定しません。しかし、それをあたかも万能のように考えて扱うことにはちょっと首をかしげざるを得ません。 こうした高機能健康物質がもてはやされる一方、いまだに食事のバランスを語るとなると、カロリーが全面に出てきてしまうことも事実です。 カロリーを生み出す炭水化物や脂質はもちろん必須栄養素ですから欠かせません。しかし現代日本において、よほど特別なことがない限り、カロリー不足に陥ることはないはずです。 はじめに触れたような「高機能健康物質」に手を出す前に、むしろもっと基本的な栄養素のバランスと質に気を掛けるべきなのではないかとわたしは思います。 タンパク質だと思っているお肉には、場合によると半分くらい脂質が含まれていることさえあるのです。脂っこいお肉を食べてしかも栄養のバランスをとるのは非常に難しいのです。 ビタミン・ミネラル・繊維が大きく話題になることは最近はありませんが、やはりとても重要な栄養素であることは変わりありません。いや、極めて重要な栄養素であり、多くの人が不足していると言えるでしょう。 実は脂質についても、摂りすぎは健康に良くないというあまり、「油断ち」をしてしまう人がいます。あるいは、「オリーブ油」が良いからとそればかり使う人がいます。 こうした脂質への取り組みは正しいとは言えません。本当は、脂質にもいくつかの種類があり、総量を考えながら、これらをバランスよく摂取することが大切なのです。 タレントとしても知られるある有名な学者は、健康オタクとしても知られています。その彼は脂質について間違って理解していてこの「油断ち」をしたのです。 その結果は何と「脳梗塞で倒れる」ということにつながりました。彼の血管はぼろぼろだったそうです。もちろんそのほかにも原因はあったのでしょうが、彼が「油断ち」を意識的にしていたことは確かです(後で彼自身が言っています)。 あまり知られていませんが、現代日本人は特定の種類の脂質ばかりを摂りすぎていて、ある種の必須脂肪酸をほとんど摂取していません。これが、重要な健康問題を引き起こしていることをご存じですか? 「雑感」というカテゴリーですが、文字通りまとまりのない文章になってしまいました。今後今回書いたことを少しずつ詳しく書いていこうと思っています。特に「脂肪酸」についてはぜひ知っていただきたいことがあるので…。 それでは、また!ご意見、トラックバック、お待ちしています。
2005年02月22日
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脳梗塞は、血栓症の代表的なものです。もう一つの代表である心筋梗塞と比べ、脳梗塞はいったん発症してしまうと、たとえ命が助かったとしても重い障害が残ってしまう可能性が高く、とても怖いものです。 ガンも怖い病気ですが、重い脳梗塞の場合のような家族を大変な苦労に巻き込むということは少ないのです。もちろん、経済的・精神的な苦労は大変ですが、これは脳梗塞の場合でも同じです。 脳梗塞の怖さは、家族の苦労が極めて長期にわたるということです。わたしの知人には50歳の若さで脳梗塞に倒れたお父さんを亡くなるまでの約20年間ずっと介護に費やされたという方がいます。そして、こうした例がまれでないのが脳梗塞の怖さなのです。 脳梗塞は家族まで巻き込む恐ろしい病気なのです。 さて、「ラクナ梗塞」 あまり耳慣れないかも知れませんが、中年以上の方の場合、非常に高い割合でラクナ梗塞をもっていると考えられます。確か昨年のNHKの「ためしてガッテン」でも紹介されていますので、見たことがある人もいるでしょう。 脳梗塞は次の3つが代表的です。( )内は構成比です。 I) ラクナ梗塞(36%) II) アテローム血栓性脳梗塞(31%) III) 心原性脳梗塞症(20%) これで見てもわかるように、ラクナ梗塞は最も多いものです。そしてここが大切なのですが、ラクナ梗塞をもっている人は、他の梗塞にも移行しやすいということなのです。 例えば、「アテローム血栓性脳梗塞」で発症した人でも、MRIを撮ってみると、ラクナ梗塞も併発していることが多々あるのです。 だからこそ、ラクナ梗塞は非常に注意しておく必要があるということです。 脳ドックなどで、小さな白いポツポツがあったとしたら、それがラクナ梗塞です。あなたが50歳を過ぎているとしたら、お医者さんは「誰でも少しはあるもので、そんなに心配する必要はありません。」というかも知れません。 しかし、ラクナ梗塞があるということは、もっと大きな病気の予兆であると考えて、今すぐ対策を始めるべきだということを意味します。このまま今まで通りの生活をしていたら、10年以内に何か重大な疾患にかかる可能性が高いのではないかと思います。 決して、脅しではないですよ!
2005年02月21日
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本日楽天広場の登録をしました。 わたしがずっとこだわってきたのは、本物の健康情報です。世の中には上っ面だけの健康情報が多すぎます。一つ一つは正しくても、全体として見たときは、全くのアンバランスということが多いような気がします。 さて、数年前ある出会いがありました。脳卒中では日本の第一人者と言われるM博士です。M博士が医薬品として開発しながら、結果的には健康食品として世に出た商品を知ったことです。それと前後して、学者で衆議院議員となったK氏が二期目の途中で脳梗塞によって倒れ、その後復帰したまでを紹介したテレビ番組も見ました。 この出会いによって、わたしは血栓症の怖さを知りました。ほんとうにそれは想像以上でした。中年以上のひとにとっては、非常に多くの疾患に関係していたのです。 そしてM博士が医薬品として開発した健康食品が、かなり強力なツールになることがわかり、その普及にも努めています。 昨年12月に、このテーマで別のブログも作りました。⇒http://hitomi.air-nifty.com/health/ こちらは、やや専門的、といってもわかりやすい対話方式です。楽天の方はもっと気楽なものにできたらなと思っています。 コメント、トラックバック歓迎します。 それでは~!
2005年02月20日
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