2003年10月04日
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【答】リタリンの副作用で、一番多いのは(1)食欲不振、(2)夜、眠らない、 でしょう。

(1)に関しては、体重減少の程度により、服薬を継続するかどうかが問題となりますが、一般に服薬を中止しなければならないほど、体重減少を来たした例は、経験していません。
 というのは、1か月に2キロ以上あるいは、現在の体重の10%以上の体重減少を来たすことはないからです。
 もうひとつの理由は、この食欲不振は、朝服用して、お昼の給食を食べる量が極端に減った、というのがもっとも多く、そのあと、一日のうちで反動で沢山食べている例を多く経験します。
 とはいっても、お母さん方にはとても気掛かりな副作用です。そこで私は、2つの基準を提示することにしています。ひとつは、1か月に体重減少が2Kg以内、あるいは体重の10%以内なら、様子をみます。
 いまひとつは、その子の身長から、平均体重曲線のグラフを用いて、その身長に対応する平均体重の正常範囲を割り出すことが出来ます。この範囲内に入っておれば、心配ないということになります。この平均体重曲線のグラフは、小児科のお医者さんに見せてもらえます。

(2)の睡眠障害は、午後4時以降はリタリンの服用を避けることで、防ぐことが出来ます。

その他の副作用としては、滅多にありませんが、

(4)痙攣の誘発
があります。リタリンは元来、中枢神経刺激剤ですので、こういった副作用が起こり得るわけです。痙攣誘発を出来るだけ避けるために、投与前に脳波検査と、頭部断層撮影MRI検査を施行しています。
 てんかんの患児にみられるような脳波異常が、痙攣を経験したことのないADHD児に見付かることがあります。てんかんは200人~250人に1人という高い有病率だから、100人に2~3人のADHD児に見付かっても、不思議ではないのです。
 そのような場合でも、1)てんかんが発症するとは限らないこと、また、2)リタリン服用後にてんかんが発症しても、自然に発症したのか、リタリンで発症したのか、区別が付かないこと、3)たとえてんかんが発症しても、起こり得ることだという、心理的な準備が出来ていて、早期にてんかんの診断、治療が出来て、しかも小児のてんかんは、成人に比べ、治癒する率が高いこと、4)てんかんで、ADHDの診断基準を満たす子にも抗てんかん薬服用で、てんかんの発作が抑止されても、ADHDの症状がなお存続すれば、リタリンを服用して、けいれんをしょうじた例が無いこと、を親に充分説明して、リタリンを投与して、効果を挙げています。

 その他、副作用としての報告は沢山記載されていますが、服用中は年に少なくとも2~3回は、副作用のチェックのために、血液検査、肝機能検査、腎機能検査、血液生化学検査(以上は一回の血液採取で済みます)それに尿検査を受けてもらっています。

 このようにして、医師と患児と保護者、それに学校の先生と、治療の輪を作って、それぞれがよくADHDを理解し、根気良く長期間の治療を継続していくことが、大切です。






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最終更新日  2003年10月04日 20時34分48秒 コメント(3) | コメントを書く


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