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2006.07.15
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今日はバルブやその駆動システムについて書いてみたい。
  フランスのルノーが金属のコイルバネに代えて圧縮空気式のバルブリターンシステムを発明して久しいけれど、その素晴らしい性能が今のF1エンジンの高回転を可能にしていることは前にも書きました。

  しかし、ルノーの発明したニューマチックシステムさえあれば高回転が簡単に得られると言うわけでは決してありません。
  前に書いたピストンやコネクティングロッドの重さも大きな障害であるし、高速になるピストンリングとシリンダーの摩擦には確実な給油システムが不可欠と書きました。

  同時に動弁系への速度によるストレスは高速になればなるほど高まり、運動物理の法則から、重さを一定とすれば速度の二乗に正比例して運動エネルギーは増加することになり、吸排気弁の開く速度はカムがバネを押し込んで行くので応力上問題は少ないのですが、バルブが開ききって閉じる時、バネがカムのプロファイルに追従しきれなくなるほどの回転数になれば、バルブの持つ重量とその運動エネルギーは打撃となってシリンダーヘッドのバルブシートを叩き続けることになってしまいます。

  金属バネを使用している時代にはそうした現象が高回転時に起きると、バルブとバルブシート、シリンダーヘッドがその衝撃と振動で損傷するなどが起きて、エンジンを壊すことになってしまうので、レブリミットをその回転数以下にして、オーバーレブさせないようにしていました。金属バネを使ってそれを解消するにはバルブやリフターの重量を極限まで軽くし、カムはプロファイルの頂点から下降するカーブをなだらかに設計してバルブがカムから離れないようにするほか無く、クランク軸720度に対し235°程度のバルブの開く時間を考慮すると、バルブは全開になる時間がほとんど無くなって、カムのプロファイルは頂が尖り、吸排気効率が低下するような狭いリフト量でしか成立しなくなってしまうのです。 

  コスワースDFV-V型8気筒3リットルエンジンの全盛の時は、そういうわけで12500rpm程度にMAX回転が制限されていたと考えられます。

  そこへ登場したルノーの発明になるニューマチックは、金属のコイルバネを廃し、高圧の空気圧でバルブを戻すことで、金属バネを大きく上回るカム追従性を実現し、バルブの全開の時間を長くとり、カムの下降カーブを急峻に設計してもバルブがカムに追従できるため、吸排気効率を高めることが出来た上、バルブの重量と戻るときの運動エネルギーはカム曲線によってなだらかに吸収され、バルブが衝撃的にバルブシートを叩くことを無くすことが出来るようになった訳です。

  その結果、現在のF1エンジンは2.4リットルの8気筒で20000rpmを達成するところまで回転が上げられるようになったと考えられます。

  F1のレース中にエンジンブローとしてリタイアするケースは一体どこが壊れたのでしょうか?「ブロー」という言葉は日本語では「噴く」と言う言葉になるでしょうか?火を噴くと言えば解りやすいかも知れませんが、此処は想像ですが、一番多いと思われるのはピストンかピストンリングの損傷でエンジンオイルがシリンダーに進入してきて真っ白い排気が出るようになるケースでしょうか?

  同様にエンジンオイルはインテークバルブ周りからシリンダーに入ることがありますが、一般にはオイル下がりと言われ、バルブガイドとバルブの間のオイルシールが痛むとオイルが漏れてやはり白い排気が出ますがピストンに穴が開いたときのように真っ白にはならず、少し青白い色が出る程度でしょうか?排気バルブから漏っても排気管の中で燃焼してやはり白っぽい排気が出ます。

  ピストンが壊れる要因は燃焼熱で穴が開く、熱でピストンのリング溝部分がだれて棚落ちという現象からリングの動きが制約され磨耗が促進してシリンダーにオイルが回る、慣性による応力等でピストンピンやコンロッドが壊れたり、バルブリターンが故障し、バルブとピストンがぶつかってピストンとバルブが破損、コネクティングロッドが折れてピストンがヘッドに衝突、コネクティングロッドがシリンダブロックを突き破る、ビッグエンドのコンロッドボルトが切れてコンロッドとピストンがシリンダヘッドに衝突。等考えられますが・・・・・原因はまだあるとは思いますが・・・・やはりピストンリングが破損するトラブルが最も多いと思うのです。

  続く






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最終更新日  2014.01.30 23:20:17
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