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July 16, 2016
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テーマ: TVドラマ(110)
カテゴリ: ドラマ
American Horror Story (Hotel)
アメリカンホラーストーリー シーズン5

第2話「明かされる秘密」(原題:Chutes and Ladders)





あらすじ






サリーは死んだガブリエルをマットレスに縫い込もうとしていたが、エアーダクトからの叫び声で作業を中断する。見に行くとそこにはアグネタの手首から血を吸うヴァンパイアチルドレンがいた。血の味に文句を言う子供たちにアイリスは「アグネタは死んだ」と言う。死体をガベージシュートへ放り込むのはリズの役目だ。転がる死体の腐敗臭を消すためにアイリスは石灰を撒き、子供たちから採取したクリーンな血液はデカンタに入れられてエリザベスに供された。

アレックスの患児であるマックス・エリソン(アントン・リー・スタークマン)は麻疹の症状が出ていた。2015年だというのに百日咳や麻疹が後を絶たないのは、マックスの母親のようにワクチンを拒否する親が増えているせいだ。彼らはワクチンは自閉症の原因になると本気で信じている。「ネットを信じないで」アレックスは嘆声まじりに言った。二児の母であり小児科医であるアレックスには、我が子の命を危険にさらしてニセ医学にすがる親たちの行動が理解できない。

ジョンは64号室で悪夢にうなされ目覚めた。ホールデンを見た気がしてジョンはホテルのバーまで走ったがそこにホールデンはおらず、バーテンダーのリズと客のサリーがいるだけだった。サリーはミュージシャンで詩人のパティ・スミスと喧嘩別れしていると言う。ジョンは禁酒を決意した日のことを話し始める。深夜勤務で二日間家を空けた次の日、妻への罪滅ぼしに子供たちを連れてビーチへ行った。ジョンが携帯電話に気を取られていたわずかな時間でホールデンは姿を消した。

警察署のジョンにホテル・コルテスから小包が届いた。爆弾かと思われたそれの中身は、マーティン・ガンボアの血液が付着したオスカー像だった。

ホテル・コルテスではウィル主催のファッションショーが開かれた。ヴォーグ誌の記者クラウディア・バンクソン(ナオミ・キャンベル)も招かれジョンと知り合う。トリスタン・ダフィー(フィン・ウィトロック)はコカイン依存のファッションモデルで、行く先々に ‘刺激’ をもたらすことで知られていた。今回もランウェイを囲む客とトラブルを起こした彼はウィルから叱責を受けるが、顔を傷つけ「モデルをやめてやる」と宣言。ショーを混乱に陥れた彼にエリザベスは釘付けになった。



トリスタンはコカインを探してホテル内をうろつき、ペントハウスに侵入したところをドノヴァンに取り押さえられる。エリザベスはドノヴァンを制止し、トリスタンは7階へ。7階は一種異様な空気に包まれ、トリスタンが手に取ったサンドイッチは一口齧った瞬間蛆虫が湧いた。偶然入った部屋でトリスタンはジェームズ・マーチ(エヴァン・ピーターズ)と出会う。ジェームズはメイドのミス・エバースに娼婦を連れてこさせ、「女を撃ってみろ」とトリスタンに銃を手渡す。トリスタンがこれを断ると、ジェームズはすぐさま娼婦を撃ち殺した。あまりの異常な状況にトリスタンは逃げ出す。エレベーターで待っていたのはエリザベスだった。

ホールデンに会うため、スカーレットは一人でバスに乗り、ホテル・コルテスへ向かう。ファッションショーを終えたホテルは閑散としており、子供一人でも易々と忍び込めた。4つあるガラスの棺はどれも空で、途方にくれたスカーレットはホテルの廊下を彷徨う。隠し扉の先にあるゲームルームでホールデンを見つけた彼女は家に帰るよう説得するが、ホールデンはここにいたいと言う。首筋を噛まれそうになり逃げ出したスカーレットをサリーが捕まえた。サリーはスカーレットに、ファッションショーに入れず醜態をさらしたところを見られている。憐れまれるくらいなら、怖がられた方がまし。サリーの歯はボロボロに抜け落ち、出血した。サリーは悲鳴をあげて逃げる子供を満足気に見送った。

スカーレットが5時間姿を消したことで警察が動き始めていた。スカーレットが帰宅しホールデンを見たことを伝えるも、大人たちは誰も信じない。ホテルでのホールデンを収めた写真は画像が歪んで表示された。

エリザベスの保有するウィルスによってトリスタンは永遠の命を与えられ、コカインと自傷でボロボロになった体が再生するのを実感する。エリザベスは1904年に生まれたという。新たな愛人を手に入れたエリザベスはドノヴァンにここから出て行くよう促した。

ジョンはアイリスを手錠にかけ、殺人と児童誘拐について知っていることを話せと詰め寄った。アイリスはバーでホテルの秘密を語り始める。
1925年、石油と石炭で財を成したジェームズ・パトリック・マーチは富の証として、また己の欲望を満たすためホテル・コルテスを建設した。壁は防音加工され、叫び声は外に漏れない。マーチは被害者が逃げられないよう設計されたこのホテルで週に3回、酔った時はさらに多くの殺人を犯した。マーチの妻も殺人に協力的だった。洗濯係のミス・エバースはマーチの忠実なる僕で、彼のためならどんなシミも落とした。エバースはマーチを愛していた。
マーチの父親は熱心なキリスト教徒だったが、マーチは父を憎んでいた。この世で何よりも宗教を憎む彼の前にある信心深い男が現れる。男は死の瞬間まで神への希望を捨てなかった。心を掻き乱されたマーチはホテル中の聖書を集めて遺体の周りに並べた。「JPM」のモノグラムの入ったハンカチと両腕を切断された遺体を手がかりに警察がホテルに踏み込んだ時、エバースとマーチはすでに自死した後だった。
ジョンが宿泊している64号室はマーチのオフィスだったという。このホテルの闇の中心部だ。

ジョンはアイリスの話を全て信じたわけではなかったが、マーチの時代の殺人事件と今回の連続殺人に似通った要素を見出した。「手を切られた泥棒」は十戒の「盗むべからず」だ。日曜の不法労働は「安息日を守るべし」。不倫カップル殺害は「姦淫を禁ずる」。オスカー像で殺されたブロガーの事件の意味するところは「偶像崇拝を禁ずる」。プロブロガーのマーティンはオスカー受賞予想サイトに記事を書いていた。腹部を切り裂かれて死んだ双子の両親は事故死だとされているが、双子が両親を殺したという噂もある。だとすれば「父母を敬え」というメッセージではないか。誰かがマーチの後を引き継いでいる。

ホテルのロビーでトリスタンは Grindr(ゲイ・バイセクシャルの男性向けSNS)を操作し、素肌にサスペンダー姿の男性の写真に目を留めた。男性はすぐにやってきた。待ちきれずエレベーター内でサスペンダーを弾きそのままベッドになだれ込んだ。エリザベスの乱入に「勘弁してくれ」と言いかけた男の頸を切り裂く。鮮血が迸ってトリスタンの顔を濡らした。「男を吸うけど俺はゲイじゃないぜ」男の遺体を挟んで二人は口づけを交わした。





感想





アレックスが嘆いていた反ワクチン派の母親ですが、アメリカではアンチ・ヴァクサー(Anti-Vaxxer)と呼ばれているそうです。きっかけは1998年にイギリスの医師が発表した論文中の「ワクチン接種が始まってから自閉症が増えた」というもので、現在はワクチンと自閉症関係説に科学的な根拠なしとされています。しかしこの論文が引き金となってワクチン接種を拒否する人が増えた結果、英国ウェールズ地方での2012年の感染者数は1219名、アメリカでの2014年の感染者数は644名にのぼっています( 米で強まるはしかワクチン懐疑論 )。

ホテル・コルテスが作られた1925年というと、チャップリンの「黄金狂時代」が公開された年。1920年〜1933年の禁酒法の真っ只中です。禁じられたことによって飲酒がますます魅力的になってしまう。人々、特に若者は飲酒することが何か破天荒でスリルのあることにように考え始め、「スピークイージー」というもぐりの酒場が繁盛しました。客の中には若い女性が多く見られ、これは、ほとんどのバーが男性しか入れなかった第一次世界大戦前には考えられなかった光景でした。楽しいことが好きで気ままな女性たちは「フラッパー」と呼ばれ、それまでは娼婦しかしなかった濃い化粧をし、酒を飲み、タバコを吸うようになりました。政治、経済、芸術、文学、スポーツのどれを取っても20世紀アメリカの飛躍的な成長はこの時代に端を発しており、1920年代の異称としては、
the Roaring 20s
the Golden 20s

the Dry Decade
the Jazz Age
など。破壊と創造が一つのエネルギーとなって渦巻いていた時代で、20年代はアメリカ史上というより世界史上初めての「若者の時代」と言われています。子供と大人の中間の世代という曖昧な位置付けではなく、固有の趣味と行動パターンを持つ若者として社会に認知されたのはこの頃から。エリザベスは1970年代末期のディスコ・クイーンだった時代が一番楽しかったと語っていましたが、狂乱の20年代なくして70年代の若者文化はなかったということです。





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Last updated  July 18, 2016 07:49:57 PM
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