では、軟水はどんな料理に効果的なのでしょう? 緑茶は旨み成分であるグルタミン酸や甘みの成分であるテアニンといった 物質を含み、また若葉の爽やかな芳香を残す、非常にデリケートなものです。 お茶の繊細な味と香りを生かすためには、これらの抽出力が高い軟水がいいで しょう。 あまり硬度が高いとお茶に含まれているタンニンがうまく抽出されませんし、 反対に低すぎても香りが出てきません。 そして、硬度と同等に大切なのが、水の温度です。 緑茶は抽出する水の温度が高いと、苦みばかりが強く出てしまい、甘みが感じ られなくなります。 ですから沸騰したお湯でそのままいれたりせず、必ず摂氏80度くらいに温度を 下げてから使うようにしましょう。 また同じ理由で紅茶にも軟水が向いています。 摘み取った若葉を発酵させてつくるといった過程が違うだけで、基本的には同 じものだからです。 コーヒーが盛んなヨーロッパの国々の中で、イギリスだけは、水の質が非常に 日本と似ていたため、緑茶の兄弟とも言える紅茶が広く人々から愛されてきま した。 また、硬度が低い軟水で炊いたご飯は、米の細胞がきれいな網目構造になり、 ふっくらと炊き上がって粘りも充分にあります。 見た目もつやつやとして綺麗です。 硬度の高い硬水でご飯を炊くと、カルシウムに植物繊維を堅くさせる作用があ るため、粘りのないパサパサご飯になってしまいます。 また、米はたっぷり水を吸い込んでご飯になりますから、その水が臭ければ臭 いご飯になってしまいます。 ごはんを炊く場合、最も大切なのは、炊く時に使う水ではなく、洗米に使う水 です。 洗う前の乾燥した米は非常に吸水力が高く、とぎはじめの水を急速に吸収しま す。 したがって炊き水だけではなく、最初のとぎ水にもおいしい水を使ってみてく ださい。


