2009/08/03
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カテゴリ: ガンダム

ー機動戦士ガンダムMimesis(ミメシス)ーガンダムミュー

序章18




 もっと遊ぼうよ」
頬を膨らませて、だだをこねる少女に
男は優しく言い聞かせた
「ごめんね、お兄ちゃん達、大事な話しがあるんだ
 今度は僕のお友達も連れてくるよ」
「ほんとう?」
「ああ、本当さ、 
 ドイル博・・・タムンズ先生も、ちゃんと
 約束守ったろ?」
少女はそれでも、男のシャツをつかんで離さず 
タムンズの方をチラッと見て
何かをねだるような目で顔色を伺った 
「ケシュティナ困った事を言うんじゃありません」
そう言って、世話役のベルルがしかると、
大きな口を開けて大声でなした 
「いやーこれは困ったな~
 このまま帰るのは後味悪いですよ
 どうします?ドイル博士」
「君は本当に小さい子供には好かれるのだな」
「ドイル博士それは答えじゃないでしょ~」
「君が時間を許すのなら私は、ここにいてもいいのだが・・・
 何か話しがあったんじゃないのかね?」
タムンズは、この光景に心の底ではやきもきしていた、
これまでの研究を一から見直さなくては 
いけない状態の中で焦っていたのだ 
男もタムンズの、こうした心情をよく解っていた 
(しょうがない、ここは、私が悪者になるしかないか・・・)
「本当にごめんね、ケシュティナちゃん
 今度また絶対に遊びにくるから」
少女は、ますますひどく泣き出し、
男のシャツを強く握りしめる様子を見て 
世話役のベルルは、その手を無理矢理はずさせ、
少女を抱き寄せた
「もう、きりがないから行ってください 
 お二人ともお忙しいのでしょう?」
「ええ、まあ・・・」
そう促されて、その場を立ち去る2人だったが、
後ろから聞こえてくる泣き声に、
男は何とも後ろめたい思いを感じていた 
「いいのですか?ドイル博士」
「いつもの事だ、子供のだだにいつまでも付き合っていると、
 時間がいくらあってもたらなくなるぞ?
 それより、君はあんな約束をして大丈夫なのかね?」
「まあガス漏れ探知の為に飼っているインコが増えすぎましてね、
 それでも連れてきて試してみますよ」
「そうか、鳥か」
そんな話しをしながら歩いているうちに、
いつのまにか間にエレベーター迄たどりつき、
研究室へ戻ってきた 
椅子に座っているように促され、
腰をかけた男は乱雑に置かれた資料を興味
深げに覗き込んだ
「あまり触らないでくれたまえよ
 どこに何があったのか解らなくなる」
「ああ、すいませんドイル博士・・・
 ところで、その手に持っているのは例の人工タンパク質から
 作られたコーヒーもどきですか?」
「そう思うかね?」
「えっ?違うんですか?」
「嫌なら飲まなくていいのだが・・・」
男はタムンズの顔色をうかがってカップを受けとった
男が飲み始めると意地悪そうにタムンズが言う
「遺伝子成長促進の実験で植えたコーヒーの苗が
 初めて実ってな」
「成長促進・・・」
そう言って男がシブい顔をすると
フフッと笑って
「冗談だ、遺伝子操作していないものだ
 安心したまえ」
と男をなだめすかした
「意地の悪いお人だ
 そんな事をおっしゃると、折角持ってきた資料を 
 また持って帰る事になりますよ」
「子供ではないだろう?そう機嫌を悪くするな 
 ちょっと茶化しただけだ」
「いつも茶化されてますけどね」
そう言いながら鞄の中から資料の入った袋を
取り出して男は机の上に置いた
「この間来た時に話をするタイミングがなくて、 
 渡し忘れてしまっていた資料です」
タムンズは男の話しを聞きながら袋を開け、
中から取り出した記憶媒体を
コンピューターに差し込みデーターを確認しはじめた
「アナハイムの古い資料を調べていたら 
 ν(ニュー)ガンダムという機体のデーターが出てきましてね・・・
 それで、そのガンダム・・・
 一年戦争で大活躍した連邦のパイロットが開発協力
 していたそうです 
 まあ・・・今では信じがたい話しですが、
 その人物、
 ニュータープ能力を持ち合わせていたとかなんだとか・・・」
「ニュータイプか・・・」
「それで、そのファイルの中には、
 その人の、戦闘、思考の脳波パターンの 
 情報がかなり入っているんです」
「脳波は私の専門と少し離れているが・・・?」
「で、話しはこれだけじゃないんですよドイル博士、
 前回ここへくる少し前に、
 簡易的に作製したEXAMシステムの試行運転を兼ねて、
 被験者らの脳波パターンの解析をしてみたんですよ 
 すると、その中に、その資料に載っているパイロットと
 同調する脳波パターンを持った女性がいまして・・・」
「それは、面白いな・・・」
「ええ、それで、脳科学者専門の博士が、
 ドイル博士の見解を仰ぎたいとおっしゃっているのですが、
 こちらにお招きしてもよろしいですよね?博士」
「それは、かまわないが、私はその学者よりも、
 その被験者の女性の方に興味を覚えてね
 その際に、その女性も連れて来れないだろうか?」
「それは、彼女自身が志願兵でありますから
 問題はないと思われますが・・・
 どうするおつもりなんです?」
「まだ解らんよ、その時のデーターの状態によって
 と言う事になる」
「これから、また忙しくなりそうですねドイル博士」
「ああ、あと、もう一つ、
 レジスタンスの情報から
 その同時期に、
 ジオン.ダイクン氏のご子息がニュータイプ研究所に
 携わっていたそうで、その時に遺伝子が残されていると
 いう噂があるそうです
 まだ、見つかってないんですけれどね 
 まあ、これから、僕は地球圏まで行って、ちょっと
 調べてこようと思うんですよ」
「大丈夫かね?そんな事をして」
「ここに来る前も今もアナハイムの営業ですよ?
 僕は、
 そんなわけで、当分来れなくなるかもしれませんが、
 まあ、何か情報をつかんだらご連絡しますよ」
タムンズは男の顔を見て呟いた
「シルバー・ブレッドか・・・」
男は不思議そうな顔をしてタムンズを覗き込んだ
「何か言いました?」
「いや、何でもない、ただの独り言だよ」
「もう、その年でもうろくとか勘弁してくださいよ 
 ドイル博士」
「君は失礼なことを言うな」
「いつもの事ですから」




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最終更新日  2009/08/12 12:37:01 AM
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