マイプライベートBL

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追われる夜の獣

追われる夜の獣
著者名:遠野春日
出版社:プランタン出版 プラチナ文庫

追われる夜の獣

内容:
やり手会社社長・脇坂鴻志×刑事・水原聖史
聖史は殺人事件の捜査中、脇坂と顔見知りになる。ヤクザではないのに限りなくヤクザに近い男、脇坂。近づいてはいけないと思い、頑なでつっけんどんな態度の聖史だが、気持ちは脇坂に向かっていく。
そんな中聖史は、潜入捜査中に犯人と思しき連中に捕らえられ、裏で行なわれていた奴隷のオークションにかけられてしまう。ピンチの聖史を2千万円で落札したのは、たまたまそこを訪れた脇坂だった。

感想:
遠野さんの作品の魅力は、優雅な登場人物が、互いに反発しながらも惹かれあう過程にあると思う。私だけの印象かもしれないけど、遠野さんの書く主人公たちはどんなに薄汚れた描写をされていても、美しく気品すら感じる。なんでそう感じるのかは自分でもよくわからない。多分、遠野さんご自身がそういう方なのかな、と思っている。

反対のことを言えば、泥臭さがない、つまり現実味とか人間臭さがないのだ。這いずりまわって苦悩する、とか、気持ちが締め付けられるような切なさとか。

今回も美しい男性たちが恋に落ちていく、遠野ワールド全開なお話。受け君は、強気でおてんばクンなのだ。向こう見ずとも言う。
潜入捜査で、そこまで踏み込まなくてもいいのに、犯人の男が裏で開いているオークション会場に入って行き、ハラハラしてたら案の定捕まって、奴隷としてオークションにかけられるんだもん。性奴だから全裸で。
たたたまそこに居合わせた脇坂も気が気じゃないだろう。気になる刑事さんがヤクザに落札されようとしてるんだもんね。そりゃあ手持ちのお金、出さずにはいられないでしょう。
それなのに、聖史ときたら自分を救出してくれたのに謝辞もなく、反対に脇坂を罵るとは、その強気、どこから来るの、と思ってしまった。軽はずみな聖史の行動の対価が2千万円なのに。警察だったからそんなお金、出してくれないよ。
そんな聖史だからそこ惹かれるのだろうけど。ツンツンしてて、見てると危なっかしいわ、強気発言なのに、いざ抱かれる時はエロエロだもんね。

残念は、脇坂がヤクザさんだったらな。

それと会社でエッチの時、何ゆえにデスクに潤滑用のローションがあるんだろう、と不思議に思った。

今回、挿絵はやまねあやのさんだった。イラストがイメージにピッタリ。特に脇坂が良い。スーツが美しい。視線もめちゃくちゃセクシー。固めた髪もよかったデス。




評価:C
エッチ度  ☆☆☆☆★
感動度   ☆☆★★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

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