マイプライベートBL

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たけうちりうと 2

たけうちりうと 2

書籍名: 泥棒猫によろしく
出版社:徳間書店 キャラ文庫
泥棒猫によろしく
内容:
高校生の姫坂尚(きさかしょう)はお掃除のバイトを始めた。雇用主はCGデザインエンジニアの二十六木隆嗣(とどろきたかつぐ)。二十六木のマンションの部屋は白黒銀に統一され全く生活感がない。おまけに指示内容が多いし、友達の話ではいわく付きである。時給だけはよかった。
さっそくバイト開始となったが、決められた時間以上まで部屋に留まってしまい、二十六木が帰宅して来たために慌ててクローゼットに隠れた尚。しかし、二十六木とその恋人の男・朝倉(♂)のエッチシーンに遭遇してしまう。隠れているところを二十六木に気付かれ、何故かキスされてしまう。二十六木を意識する尚。
一方、二十六木も朝倉との仲がうまくいっておらず、尚のことが気になるのだった。

感想:
29歳×17歳です。
尚はめちゃめちゃ可愛らしい男の子です。初のバイト先でいろいろ制約されたにもかかわらず、コンドームをみつけてその数を数え、妄想。後半で、バイトを辞める練習を海岸でしますが、砂の上に書いた巨砲に妄想。
2人の心が通じ合ったのを確認した直後、「じゃ、来週来ます。帰ります」の言葉に、二十六木と一緒にガクっとしてしまいました。
「猫なで声もほどほどに」ではコンドームを買う勇気がなくアセアセ状態。
作品全体に尚ワールドが展開されていました。

二十六木は変な性格と言われています。確かにそうだったけど、尚の登場で、少しずつ彼のテリトリーが解放されます。最初の印象と最後の印象が変わるのです。最後には大人らしく「待て」状態を維持しますが、彼はかなりのロマンティストだなぁ。12個のプレゼントだなんて。なんか意外です。

文章は緻密で家族愛があふれてて、りうと節さく裂な作品でした。とってもビックリした表現をノヴァで表現。私だったらせいぜいビッグバンだわ。感想を百字以内で表現させるところとか。理路整然とした攻めも、りうとさんの特徴。そんな攻めが私は好きです。四角四面な会話も好きだな。

エッチは17歳を考慮してか(?)2人については描写ナシです。二十六木×朝倉はありますが。少し残念。

面白かったんだけど、残らなかった。
尚は可愛い。文章もすごく上手。ワクワクした。笑った。シンミリした。
けど、残らなかった・・・

可愛い作品がお好きな方、一読あれ。

評価:C
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆☆★

書籍名: 孤独な花にくちづけを
出版社:雄飛 アイノベルズ
孤独な花にくちづけを
内容:
歴木宏実(くぬぎひろみ)はフリーのライターである。ここ最近はサイエンス関係の月刊誌の専属をしている。科学研究員たちとの人脈厚く、地道な努力でスクープをものにする。天才的研究者の助手が結婚退職をするため、会社仲間の祝いの席に招待された宏実は、後任の助手である吉舎川勲(きさがわいさお)を紹介された。吉舎川の無表情な顔は人型ロボットのようで、何を考えているのか不明。彼が後任になって、今までの宏実に許されきた研究員との接触も制限されるようになってしまった。
しかし吉舎川からの突然の真夜中の電話。「君を忘れられない」宏実は吉舎川のことを想像する。宏実は恋人もなくずっと一人で暮らしてきた。そこに真夜中の電話。それは孤独な宏実の心に染みた。

感想:
主人公2人それぞれ視点の3人称。最初は宏実が主で、途中から吉舎川にシフトしていく。最近たけうちさんのBLはこの書き方に凝ってるような気がする。
それに主人公たちが四角四面にクソ真面目で理数系でクールな人が多い。
今回も正にそんな人々です。
でも私、理数系に弱いので、こういう人好きなんだ。そして孤独症とかも。

宏実も吉舎川もそれぞれ一人で生きてきた。
特に吉舎川は一人で生き抜いてきたと言った方がいい。親の借金を抱え込んで、その返済のためにダークな世界に属する運命、だなんて、あるのかそんな世界、と思ってしまうが、そこはりうとさんの筆力、あるように思える。そして他人のために尽くしてきて、下衆のような生き方に甘んじた吉舎川の過去の生き様が非常に切ない。
宏実は姉の夫を好きだったが、そのことでゲイである自分を自覚すると共に、一人で生きることを想定している。
そんな2人が惹かれあうのは自然だと思う。特に吉舎川の宏実への関心は頷ける。宏実は癒しなんだろう。

『アジアンタムふたたび』では、吉舎川は最後でミッションのトップに放出されてしまうのだが、まともな服も与えてもらえず、スーパーの袋一つだけ抱えて宏実の前に現れる。
この裸一貫からの出発。ちょっとした感動です。甘くないなぁ。吉舎川の自由は有料だし。そういう拘束感も私にはいい感じだ。このアジアンタム。セラヴィでもちょっとだけ登場するんだよね~♪

全体的にりうと節炸裂なのはいいのだけれど、主人公たちと同様に小説も淡々としていて(というか、りうとさんの作品は毎回淡々としてるのだけど)、後半、2人の気持ちが確認しあえてよかった、と感動をするシーンでも冷静だった。冷静だと感動を削減してしまうんだよね。
せめて吉舎川のアクが強ければなぁ。ストレートに宏実に恋するもんなぁ。それがいいんだけど。じれったくない。

絵がちょっと好みでなかった。宏実はイメージにピッタリだと思うけど、吉舎川が、私の想像からはみ出してしまってる。それが残念。

評価:C
エッチ度  ☆★★★★
感動度   ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆☆★★



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