| 遠野春日 1
書籍名: 美貌の誘惑 出版社:雄飛 アイノベルズ 感想: 遠野先生のHPで主人公の二人はバカップルと言われている、と打ち明けられていました。確かにいつもエッチばかりして(本の半分は調教のようなエッチシーン)好きものだなーと思います。同人誌「MITUNOGOGO」ではさらに加速してますものね。 響も仕事とはいえ、大変だったと思うと同時に、ファイサルを慕う気持ちに葛藤しないところや、エッチをわりと簡単に受け入れるところなど、受けの要素バッチリです。ここら辺がBLならでは、と思います。 一目惚れ、受けも攻めも端麗な容姿、攻めは背が高い、どちらかが頭脳明晰、どちらかが金持ち、男同士であることに葛藤しない、アナルセックス、受けは最初からエッチが気持ちいい。全てBLの要素ですよね。ほぼ、これらを今作品はクリアしてます。 だけど、話としては、素直にとっても楽しめました。絵もかなり色っぽくて、2人のイメージにぴったりです。 評価:A エッチ度 ☆☆☆☆☆ 感動度 ☆★★★★ ワクワク度 ☆☆☆☆★ |
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| 書籍名: ひそやかな情熱
出版社:ムービック 感想: 遠野さんの作品は初期作の数冊を除き、ほぼ読破してます。その中でも今作品は、多分、遠野さんの作品の最高峰だと思います(私の中で)。 遥も佳人も好きです。また脇キャラにも存在感があります。 素直になれず、ありもしないエッチの話をする遥の滑稽さが、反対に可愛いし、佳人の気丈さは読者をハラハラさせてくれます。途中までエッチはほぼナシですが、最後は、佳人もけっこうな淫乱青年になってくれます。彼の一途さがとってもGOODです。 いつも思うのは、遠野さんの作品は上品なので登場人物もお上品な印象を受けます。反して言えば、疾走感とか「やってくれるぜ、コイツ」と言った元気でぶっ飛んだ感はありません。そんな中で、今作もあまり元気な作品ではないものの、普通に生きようとする佳人のけなげさに好感が持てます。 評価:A エッチ度 ☆☆☆★★ 感動度 ☆☆☆★★ ワクワク度 ☆☆☆★★ |
| 書籍名: 情熱の飛沫(しずく)
出版社:ムービック 感想: 久々の遥さんと佳人は、以前から比べるとハラハラさせられずに読めるようになりました。寡黙な遥さんなので会話も少なく、ほとんど文章で表現状態。 普通は私にとってそれは嫌なことなのですが、この2人の場合、赦せます。だって甘々なんだもん。遥さんが佳人を可愛いと思い、態度で示せるようになってるし、そんな遥さんに佳人も少しだけ甘えることができるようになってる。そのことが嬉しいです。 エッチシーンもかなりなものです。さすが遠野さん。一番良かったのは、最初の2人のキスシーンかな。好きと待ちきれない気持ちがあふれてる。 今回は東原の登場回数も多く、彼の良さを再認識させられます。彼も素直になってよね~と思う一人。 次回巻があるらしいので、期待大です。クルーザーでの遥さんと東原のイラストがかっこいい。円陣さんのイラストは、主人公たちのイメージにぴったりです。 評価:A エッチ度 ☆☆☆☆★ 感動度 ☆☆★★★ ワクワク度 ☆☆☆☆★ |
| 書籍名: 情熱の結晶
出版社:ムービック 情熱シリーズ最終巻です。 内容: 佳人は遥との生活に幸せを噛みしめていた。しかし突然に不穏な雲行きになる。遥が事故に巻き込まれ、命に別状はないが、最近の記憶が消失してしまったのだ。遥は佳人のことがわからないばかりか、佳人を思いやる心までも失われてしまった。孤独に耐える佳人だったが、さらに追い討ちをかけるように、遥の昔の彼女の登場で、佳人は打ちひしがれ、遥の家を出るのだった。 感想: この2人は大好きです。今回もどんなお話だろうとドキドキワクワクでした。佳人が自分の人生最大の幸せを信じられない思いで生きている姿に、少し感動。 と思いきや、この2人に紆余曲折は付きもののようで、遥の記憶喪失には、正直、「・・・・」でした。そりゃ、事件が起きないと物語としては面白くないけど、記憶喪失ねぇ。展開としては何と言うか、ベタな感じとでも言いましょうか。昔、大映テレビがやってたドラマのノリと言うか。思わず、「おじさん、お豆腐、作ります」(知ってる人いますか?)を思い出してしまったデス。 ただ、孤独に陥っていく佳人の辛さがキュンとしました。2人の関係は本当に心だけで支えられている、それが2人にとっての「結晶」だったんだ、ということなのでしょう。子供も婚姻届もない、結晶。 最終巻を特大Aで終わらせたいのは山々ですが、ベタな展開に引いちゃったので、Cです。でも、作品がダメと言うわけではないです。2人のことが好きな人、知りたいと思う人は読むべき1冊です。 それと東原、今回も脇に徹していましたが、いい男です。ちーっと遥のことに干渉しすぎの感もありますが。東原×貴史が主人公の物語も計画されているらしいのですごく楽しみです。 評価:C エッチ度 ☆☆☆☆★ 感動度 ☆☆☆☆★ ワクワク度 ☆☆★★★ |
| 書籍名: 貴族と熱砂の皇子
出版社:大洋図書シャイノベルズ 感想: 貴族シリーズ第6弾です。今回の主人公・竹雪は今までになく元気です。大丈夫じゃないよな、知らない土地でその行動、本気?と心配しちゃうくらい勝手に行動します。2回も! だからそこそザイードの心強さが生きてくるし、竹雪もその逞しさに惹かれるのでしょう。不幸体質でもないし、幸せなハッピーエンドで読者も幸せになれます。 途中気になったのは、イスラム教は同性愛は死罪だよなぁ、とか、中近東だったら髭がいるよな、とか、何故にザイードは青い目かな、とか。同性愛禁忌についてはきちんと説明してあり、納得はできましたが。 私的にはラストのエッチは不必要でした。なくても読めると思います。どちらかというと、無いほうがよかった。竹雪が女性のような印象。初めて男とエッチする男が、股間を握って、これが欲しいと思うか?そんなことをふと疑問に思ってしまいました。でも、BLである以上、必要なのかしら? イラストは蓮川愛さんでした。とってもGOODです。 評価:C エッチ度 ☆★★★★ 感動度 ☆★★★★ ワクワク度 ☆☆★★★ |
| 書籍名: 摩天楼の恋人
出版社:ビブロス 感想: 『摩天楼に抱かれて』 の第2弾です。 前作、東京で一目惚れしあい恋人になった基と都筑が、今回ニューヨークでラブラブモード全開か、と思いきや、ちょっとした心のすれ違いが重症化していくお話です。 『摩天楼』シリーズはあまり好みじゃなかったので買う予定ではなかったのですが、店頭で本書を見たら買わずにはいられませんでした。でも、今回は買ってよかった。基の健気さが際立った内容です。疑心暗鬼な都筑がこれでもか、というくらい基に冷たく当たります。途中、私まで基が可哀想になり涙ぐみました。心のすれ違いを書くの、うまいよなー。遠野さん。 評価:C エッチ度 ☆☆☆☆★ 感動度 ☆☆☆☆★ ワクワク度 ☆☆☆★★ |
| 書籍名: 七年目の甘い罠
出版社:ハイランド ラキアノベルズ 内容: まじめで堅実なサラリーマン生活を送っていた堂島隆史の元へ、高校時代の同級生・片倉夏実が転がり込んできた。家が火事になったという。隆史は学生時代から、奔放な夏実に振り回され散々なめにあってきた。だからすぐに次の家を探すのを条件に、しばらく置くことにした。しかし夏実は一向にアパート探しをする気配がない。おまけに彼女とのエッチ中に、帰宅しないといったはずの夏実が帰って来る始末。そんな夏実に隆史はぶち切れる。 感想: 今回は、珍しく、全く面白くなかったです。何故だろう。 まず、冒頭から主人公である隆史は夏実をよく思っていません。隆史がムカつくことを平気で夏実はするのだから、隆史にシンクロしている私の感情は当然、夏実が嫌いになりました。そこからいかに夏実を好きになっていくエピソードを盛り込んで行って、隆史の感情と同じく私の気持ちが夏実を好きになっていけるよう導くか、そこに作家の技量が必要になってくるわけです。詳細な隆史の心の動きの表現やささいな出来事、きっかけなどを通して。 でも今回はどうしても最後まで夏実の良さがわかりませんでした。 隆史は、夏実が実は有名な作家になっていた、ということをきっかけにどんどん気持ちが傾いていきます。まあ、それ以前から夏実に対する気持ちの傾倒は少しずつはありますが。 しかし、私は、何故に有名作家だからといって、また、自分にずっと片思いをしてきた相手だからといって、夏実のそれまでの態度を許すことができるのか、私にはさっぱり理解できなかったのです。むしろ夏実っていう男って、繊細ではあるけど心配りが無いぜ、とか、自分を歓迎してない人間にたいして誕生パーティーはむしろ逆効果だと何故わかんない、自分の気持ちばかり押し付けて、と、私のほうがどんどん彼を嫌いになっちゃった。 だから、うーん、この物語のいいところがわかんない、としか言いようがないのですよね。 反対に書き下ろしの『エロティックな誘惑』は面白かったです。 これは『七年目の甘い罠』とのリンク作ですが、主人公は全く別人なので別物語と考えた方がよろしいです。 夏実と大学で同じサークルをやっていた聖明(さとあき)はエロ作家で生活している。しかし、最近はエロシーンになると書けなくなっていた。聖明の編集担当は耀彦だが、かれは遅筆な聖明を責めない。エッチを求めれば応えてくれる。ある日、聖明は耀彦の担当する作家に夏実がいることを知る。魅力的な夏実に嫉妬する自分を、聖明は認められなかった。 葛藤する聖明のビミョウな心の動きがよかったです。耀彦を求めてるのに素直になれない心。おまけに意地っ張りで天邪鬼。そんな聖明を辛抱強く付き合う耀彦。ラストは天邪鬼な聖明に強引とも言える口説き文句を言いながらのエッチ突入ですが、輝彦も自分の言葉に顔を赤くしたりして。強気になれそうでなれない男の気持ちが現れてると思います。 BL的受け攻めの恋愛ものは、2人の心の駆け引きを主人公の気持ちに乗せて書き、そこから生まれる感情の推移を理解できるからこそ、面白いと感じることができるのだと思うのですよねー。 で、今回は2作が全く異なる評価でして、でも1冊の本なので、2つを足して割った感じの評価です。EとCの間で評価はD。星の数も同じく。 評価:D エッチ度 ☆☆★★★ 感動度 ☆☆★★★ ワクワク度 ☆★★★★ |
| 書籍名: ため息と微熱のはざまで
出版社:リーフノベルズ 内容: 元刑事で、今は鉄筋工として働いている大澤は離婚調停中。ささいなことで日頃から中の悪かった現場の主任と取っ組み合いのケンカとなる。その明くる日、主任が殺害された。大澤は警察に重要参考人として取り調べられる。取り調べる刑事は、かつて恋人だったが互いの意地の張り合いで別れてしまった貴志だった。2人には互いに未練が残っていて・・・ 感想: Game over のリンク作です。前作を知らなくても読めます。この『GAME OVER』は大好きだったのですよね。マイ評価の中では評価Aでした。 今回も期待大で読みました。 物語の展開としては面白かったです。殺人事件を元刑事と現刑事で追う、そこにはいろんな感情が入ってきて素直になれない2人。 恋愛物語としては、ありふれてたかな。それでも大澤にしても貴志にしても、とても魅力的に書かれています。ただ、ハラハラするかと言われれば、しないなー。読む途中から「この2人、どうせくっつくんでしょ」と思ってしまいました。ま、そうとわかっていても読んでしまうのですから、興味ある内容だったとは思いますが。 ただ、甲とも乙とも言いがたい、「このページのここに感動した」という感情はありませんでした。 『GEME OVER』の2人も少しだけ出てきます。静佳君がすこし大人しくなっていたかな。ま、一人さんに愛されて満ち足りてるのでしょう。事件を解くための鍵となる一人さんのパーティーが、実は2人のエンゲージパーティだったとかで、思わずにっこりしました。一人の大きさに負けないように愛されてほしいな。 評価:C エッチ度 ☆☆☆★★ 感動度 ☆☆☆★★ ワクワク度 ☆☆☆★★ |
| 書籍名: まなざしの誘惑
出版社:ビブロス 感想: 『じれったい唇』 のリンク作ですが、単品でも楽しめます。 内容: 谷口聖は議員の息子でありながら出張ホストのバイトをしていた。父の私設秘書である荻原大成にあてつけるため。大成の本心がわからない。聖は大成のことが好きでたまらないのに。 バイトの内容はデートのみ。それ以外のことは全て断ってきたが、泊まりの仕事を入れた。人気建築デザイナー・沢渡の恋人のふりをするという。そのバイトは聖の感情と似ていた。意地を張っていた沢渡と意中の相手が、どうやらうまくいき、聖は一人帰宅の途につく。そこで大成の運転する車に拾われるのだった。 感想: 20歳学生×27歳政治家の秘書のもどかしさ一杯恋物語です。 聖がいい子です。お上品で頭の回転が早く、しかも美人。2人の出会いは聖が中学時代からだそうです。大成の我慢強さはすごいです。しかしいざ思いが通じると、大成、けっこうおれ様入ってます。 聖は遊びなれてる風だったけど、実はいつもギリギリです。態度と心の中の落差がちょっとそそります。 ただ今回、とっても好みでなかったのは、聖は別段男の子でなくともいいんじゃない?と強く思いました。 聖を女設定にしても何ら不都合がない。それはイヤだな。 何がイヤかって、聖の考えてることは勉強のことではなく、友達のことでもなく、ましてや将来のことでもない。大成のことだけ。 そんなことってあるのか?わからん。疑問です。学生だからそれもあり?いっつも恋する相手のことばかり考えてる。それが恋だよと言われれば、そうですとしか言えないけど、20歳くらいの学生時代は親友とかいそうなもの。恋の相談をすることもなく、いい子すぎてホストのバイト以外に遊びにも行かない。 まあ、遠野さんの作品はこういった感じが多く、2人がいかにしてくっつくか、ということに重点を置かれているので、仕方ないことではありますが、今回はとても気になりました。 ただ、作品としては面白かったです。 『好きだというより』という後日談小説ですが、ちょいサスペンス調です。これはけっこう面白かった。議員の息子がホストというスキャンダルで聖が脅されるのですが、ありきたりと言えばそうでしょうが、展開としてはハラハラしました。松元という男にはもうちょっと下衆になってほしかったな。ただ、辱められた聖は・・・見たくない。フクザツ。 評価:C エッチ度 ☆☆☆★★ 感動度 ☆☆★★★ ワクワク度 ☆☆★★★ |