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鳩村衣杏
書籍名:
映画館で逢いましょう
出版社:二見書房 シャレード文庫
感想:
「映画のクレジットロールを見ると反射的に涙が出てくる」
國重周(くにしげめぐり)25歳にはそんな癖があった。問答無用に涙があふれる。その周が大手印刷会社をリストラされ、次に就職したのは小さな映画配給会社「エルシノア」だった。エルシノアの社員は社長を筆頭に個性的な人の集まりで、面食らいながらも仕事を覚えるのに一生懸命な周。そんなおり、社長である神尾清心(かみおせいしん)のやり手ということ以外にバイであるという一面を知り、周は心乱され戸惑う。
映画配給会社のお仕事内容は面白かったです。映画は単に映画館で上映するだけではなく、その背後には俳優や監督以外にもいろんな人の苦労があって、その上でやっと上映というところまで辿り着ける。
そういう、映画に関する仕事本としては、確かに面白い。
でも、これはBLなわけで・・・
周は、神尾がバイであると聞き引けるわけです。最終的には二人はハッピーエンドになるのですが、気持ちの引けてる周が、実は神尾に惹かれている、それはなんとなく雰囲気で理解はできます。しかし、何と言いますか、惹かれてしまった、どうしても神尾でなければいけない、彼が好きで好きでたまらない、という感情が見えないのです。
人の感情の変遷を書くのはとても難しいです。でもこの本の場合、そこがメインなわけで、もっと周の神尾に対する理解しがたい態度や行動と気持ちの変化を、スムーズな心の動きで表現して欲しかった。印刷の紙がどうのこうのとか、そういった説明は不要だと思いました。(途中でそういう説明箇所があったので)
社員の中に、島龍之介という男気あふれた美青年が登場しますが、私は彼のほうがそそられました。勿論、受けで・・・!攻めはハーフでカッコいいけど軽いというキャラ設定の恩田くんあたりで、どうかな?
評価:C
エッチ度 ☆★★★★
感動度 ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆★★★
響かつら
書籍名:
堕ちるまで
出版社:プランタン出版 プラチナ文庫
内容:
ヤクザ・桐生×エリート警視・暁。
高校時代に知り合い、体の関係を持つが半年で突然桐生が消えた。
プロファイリング専門の刑事として順風満帆な暁の前に現れた桐生は、桐生組の若頭になっていた。
暁の追っている猟奇的殺人事件。しかし疑問を感じる暁。そんな彼に桐生はヒントを投げかける。
感想:
この作家さん、初の単行本だそうです。
猟奇的殺人をプロファイリングしながら疑問点をついていき、捜査する暁の刑事としての姿はわりと好きだと思った。
高校時代のエピソードも嫌いじゃない。ただし、この2人ならではの出会いかと言われれば、うーん、わりとよくあるパターンかなぁ。
暁に執着するわりにかれを自由にさせる桐生に、何と言うべきか、爽やかな印象を感じた。絵も爽やかだし。ヤクザの隠しても隠しきれないドロドロしたアングラな雰囲気はない。
文章だってまずくはない。ただし、1行1文、下は空白多しの文章だけど。文字は書き連ねられてはいないのね。
典型的なBLとも言うべき作品だと思う。エリート刑事に若くしてヤクザの若頭。
暁の敵として登場するキャリアの青木とか、暁に肩入れする不出世の敏腕刑事とか。
ファーストフードをササって作るような感じの、コンビニ小説・・・
兎に角。
ひねりがなくってサァ。
中途半端に楽しめた。
この本には続刊があるのだ。『溺れるまで』。
読むつもり。だってヤクザが登場するんだもんね。読まなきゃ。
絵はすごくいいです。好みのイラストだわ、史堂櫂さん。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ☆★★★★
ワクワク度 ☆☆★★★
日向唯稀
書籍名:淫らなセクシー・リーマンズ
出版社:オークラ出版 アクアノベルズ
感想:
多分これはイラストで本を買ったんだと思います。この作家さん知らないし、リーマン物と書いてあったので、桜城ややさんの絵も良かったので、つい買いました。
ちなみに2巻同時出版で、もう一冊は「乱れるセクシー・リーマンズ」といい、さらにリーマンズの最後にはハートが必要なのですが、書けないので抜かしてます。
以下、日向唯稀さんのファンの方は読まないでください。(非常に失礼なことが書かれているので)
買って損した!読後感想の第一声です。まず題字にハートを付けるあたりから趣味じゃないって思うべきだった。今日、本屋で日向さんの別の作品の背表紙をみたらそれにもハートマークだった・・・
読み始めて、全く面白くなかったけど、「最凶~」のこともあるから、我慢して読んでいれば面白くなると自分に言い聞かせました。でもいっこうに、ラストのページまで、面白くなりませんでした。
まず、パンツを売るという着眼点は良かったんです。会社再建も、そこそこうなずける。男×男の必要性もあり。
最初の疑問は、主人公である那智拓巳が、社長の甥であることを隠すことに重きを置いていることが理解できなかったんです。社長には息子や娘がいてもしかるべき、甥の出る幕があるのか、という疑問。でも、これはあとで、実は那智は叔父である伏見に育てられ、今も同居してるらしいので、隠す理由はあった。それならそうで、あとあとでそんな理由書くのではなく、もっと早い段階で書けるところもあったはずです。むしろ説明を入れながら時代の順を追って書いた方が、物語に何ら影響もなく、理解しやすいと思える所が多々ありました。途中で何回も前と後を行ったり来たりして読みました。
あと、社長である伏見への違和感。彼は女性用下着のデザイナーであり会社の社長です。女性用下着は彼が「着せたい、脱がせたい」とコンセプトで作られます。伏見はかなりのプレイボーイで、それも若くて細い女性が好きのようです。サイズが限られ、おまけにメイドイン日本だから高い下着は、売れ行き頭打ち。それで会社経営に行き詰まり、不渡り出してしまうのですが、伏見という45歳の社長は不渡りを出すことの重要性も知らないのです。まがりなりにも社長が不渡りの意味を知らない、そんな人いるのか?
会社の社長が、倒産寸前でも社員のことを考えない、こんなことってあるのか?
じゃあ、言葉の終わりにハートマークを付けて話す45歳のオヤジがコメディか、と言われれば、面白みに欠けるのです。コメディならコメディらしく、夜中にばんばん枕を叩いて爆笑するくらいパワーのある、可笑しい話を書いて欲しい。
CEOの義岡についての描写も、絵に依存しています。もっと彼についての詳細を一人称で書いてるのだから、那智に説明させればいいのに、と思ってしまいました。それから、義岡は数日間で会社再建プログラムを3つ用意してくるのですが、それをものすごく凄いことのように書かれているのです。
そんな、今にも倒産しそうな会社の再建はまずは誰が考えたたってリストラだし、新製品の開発でドカンと一発勝負なんて、誰でも考えることが出来ます。ただ、胸寄せブラのごとくモッコリパンツには、これはいいね、と感心しました。そして義岡は文中で社長の周りを固めている重役のことを買っているフシがありますが、会社の経営が出来なかった重役がやり手なわけない、思った私は、何者?
この作家さんは多分若いのかな?40代の男を見たことあるのかしら?それともこういう40代の人がいるかなー・・・女性っぽい男性でも、言葉の最後にハートマークはないだろう。かの有名なお華の先生も、仕事中は罵詈雑言かっとばし、あの集中力を保っている。そこにハートマークは見えない。
文の書き方ですが、句読点のつけ方が時々おかしい。意識してやっているのでしょうが、おかしいものはおかしいと思います。
もっと他にも沢山言いたいことがありましたが、忘れちゃいました。もう1冊「乱れるセクシー・リーマンズ」があるのですが、読むかどうか・・・もしかしたら良いかも。ちょっと期待しましょう。
無礼な発言、日向さん、すみません。
評価:E
エッチ度 ★★★★★
感動度 ★★★★★
ワクワク度 ★★★★★
書籍名:乱れるセクシー・リーマンズ
出版社:オークラ出版
感想:
・・・・・・・・・・・・
読みました。最後は飛ばし読みになりました。読後感想を書いたのですが、あまりな書き方になってしまい、不快にさせてしまうと思ったのでアップできませんでした。感想をページに書いていくことが目的のはずだったのに、アップできないなんて!残念。
もし読みたい方があれば期間限定でアップしてもいいけど・・・・
はぁ~ (UU)
評価:E
エッチ度 ☆★★★★
感動度 ★★★★★
ワクワク度 ★★★★★
椹野道流
書籍名:
右手にメス、左手に花束
君の体温、僕の心音
耳にメロディー、唇にキス
夜空に月、我等にツキ
出版社:二見書房 シャレード文庫
内容:
【右手にメス、左手に花束】
K大医学部の大学の入学式当日。永福篤臣は、出席番号順で隣の席に遅刻して来た男・江南耕介と出会う。1年浪人したらしく、江南は1歳年上だった。ぶっきらぼうだがいい男、それが江南だった。その後も出席番号順で行動することが多いため、篤臣と江南は行動を共にすることが多く、いつしか親友という間柄になる。学生時代を一緒にすごし、医師国家試験にそろって合格。篤臣は法医学、江南は消化器外科へとそれぞれの道を歩み始める。2人が再会し、たまたま開催された学会を成功させ酒に酔ってはしゃいだ夜、篤臣は江南に本当の気持ちを教えられ、強姦される。そのことがトラウマとなり、江南を拒絶する篤臣。そんなおり、江南の手術中の事故を知る。江南がAIDS患者の術中に倒れ、血液曝露されたという。篤臣を強姦したことでまた、苦しんだ江南。その気持ちを知った篤臣は、江南のマンションを訪れる。
感想:
医者ものは、ずっと以前は好きだったと思う。最近はあまり好みではなかった。医者があんまり好きじゃないから。この作品を読んだのは、単なる興味から。
2人の出会いが学生からで、細かなエピソードが書かれている。この2人、心が通じ合うまでにかなりの時間を要する。おまけに最初のエッチは強姦で、最中はゲロ。すごいです。リアリティあるかも・・・わかんないけど。
出会って数年以内にエッチより、10年間ただの親友というエピソードはよほど2人の心のすれ違いや交流に好感が持てた。AIDSかもしれないと無様にも心苛まれる江南にも、人間としての心情が見え、良かった。
ただ、気に食わなかったのは、冒頭です。何も、「今の2人」から始めなくてもよかったのではないか、最初から入学シーンから始めればよかったのではないか、ということ。今の2人はその後、ラストにちょっとしか出てこない。だったら最初から時代の流れ通りに、出会いから始めたほうが物語としてはスムーズだと思った。
物語としてはとっても良かったし、面白かった。
いつも思うのだが、医者ものといえば必ずと言っていいほど外科医である。何で?内科医でも技が必要で、外科医以上に収益を上げることの出来る人もいるのにな。最近の医療は内視鏡技術の向上がめざましいと思うけど。ま、癌などという死を意識せざるを得ない病気だと、手術の技術がものを言うから、そういう部分で外科医なんだろうな。
内容:
【君の体温、僕の心音】
江南のマンションで半同棲状態の篤臣と江南。恋人同士の2人はラブラブのはずだった。しかし消化器外科医の江南は多忙を極めている。そんな中、不審な電話がかかるようになった。相手は看護婦で、江南に猛烈アプローチをかけてる模様。篤臣は面白くない。その上、大学時代から2人とは仲の悪かった大西の裏工作で、江南と篤臣は仲違いする。江南の釈明で2人は仲直り、と思いきや、今度は江南がアメリカ留学するため、篤臣について来いと言う。篤臣にだって仕事はあるし、プライドだってある。激怒した篤臣は江南のマンションを出るが、上司である美卯の助言で、失えないものとプライドを天秤にかけ、篤臣はアメリカへ付いて行こうと決心するのだった。
感想:
前回は篤臣の1人称だったが、今回は3人称。篤臣の短気で照れ屋さん度がバージョンアップしている。江南はそんな篤臣の尻に敷かれてるといった模様か。でもしっかり恋人としての篤臣に頼ってる。掃除にしろ、食事の準備にしろ、夜の生活にしろ。
でもさ、不審電話の言い訳はするべき。篤臣だって外見は普通でも、内心は猜疑心に悩まされてるってことを江南は察しておかないとね。だから、中西につけいれられる隙間を作ったんだもの。でもさ、あの看護婦はないよなぁ。仕事中に医者の当直室に入り込んでニャンニャンする看護婦がいるのか?もしいるとしたらよほどに××な××だわよ。自分の患者ほっといて医者の後を追い掛け回すなんざ、あたしゃ許さん!!
ところで、書き下ろしのアメリカでの結婚式は良かったな。きちんとしたものではなくても、神聖な感じがした。篤臣の照れ具合が可笑しかったけどね。江南のいい加減、篤臣という男の行動パターンを読まないとネ。これで私の知るBL夫夫は桐院&守村ペアと彼らの2組か。
内容:
【耳にメロディ、唇にキス】
アメリカ・シアトルで、まがりなりにも結婚した篤臣と江南。そこへ平穏を揺り動かす電話が鳴った。篤臣の父が急逝したというのだ。仕事一本やりの父に家族愛を感じられなかった篤臣。父の葬儀は質素に執り行うから帰国しなくていいと母は言った。しかし考えた末、篤臣は一時帰国を決心する。そんな篤臣と共に江南も時間差帰国をする。永福家を訪れた江南は、篤臣の母に2人の関係をカミングアウトした。篤臣は母に殴られる。そんな母に自分の気持ちを打ち明ける江南。母は絶賛はしないが2人のことを認めてくれた。その永福家に今度は江南の両親が訪れる。江南は永福家を訪れる前に自宅で父親に勘当を言い渡されていた。篤臣の母に謝罪する江南の父。そして激昂し殴ろうとした江南は父に殴られようとするが、それを庇って篤臣は殴られる。真剣な2人に父は言った。勘当された結婚相手の実家へ来いと。江南を道案内人に連れて。
感想:
男同士の結婚、その後のお話です。本人たちが結婚したのだから、外野となってしまった親には行動を阻止する術はない。このような結末になることは、順当かな。篤臣の母が言ったことは理想的だが、実際にその立場に立った場合、それで済ませられるか疑問はある。この2人の場合はこうなった、と納得するしかないね。
永福家に江南が来たことで篤臣は自分のいるべき場所を知る。家族という認識の芽生えである。家族の絆とか、家という認識は、建物や場所ではなく、愛すべき人の存在そのものである。篤臣の気持ちが新しい2人の家庭を象徴してるね。
番外で2人はカナダに新婚旅行に行く。しかし江南の下痢嘔吐のハプニング。甲斐甲斐しい新妻ぶりを自覚しない篤臣がおかしい。可愛いというか。乱暴で恥ずかしがりな篤臣がキュートです。
内容:
【夜空に月、我等にツキ】
クリスマスと裸エプロンを堪能する篤臣と江南。篤臣は2人の結婚で仲違いしてしまった江南父子の不和をほぐそうと、正月帰郷を提案した。不承不承承諾する江南。年末、江南宅に帰郷した2人に待っていたトラブルは江南の母のぎっくり腰。江南の実家はちゃんこ鍋専門店で、年末はかき入れ時なのだ。2人は江南の父を手伝うが、無愛想で失敗続きの江南は父に怒鳴られる。その夜、彼は帰ってこなかった。江南が家出した先は篤臣の実家だった。それぞれの実家で年末を過ごし、元旦には頭を冷やした江南は自分宅に戻った。正月早々、父に2人のことについて許しを得ようと挨拶する江南。篤臣も一緒に頭を下げた。江南父は怒った表情ながらも、次の正月もこの場所に帰ってくるように言ってくれた。
感想:
江南も篤臣も医者だったはずだけど、その名残はたまに外科医の手として表現される江南の手にしかない。ま、いいけどね。仕事の話よりも、結婚やらそのことに関連する実家同士のことについてがメインなストーリー展開となってきている。それはそれで面白いけどさ、江南家と永福家の人々の物語、って感じ。なーんか・・・・いい言葉が出ないけど、はっきり言って面白くない展開になってきた。
結婚してその後の話は確かに読みたい。でもそればかりが主軸になってて、仕事は?篤臣のお勉強は?といったそれ以外のことも書いて欲しいな。2人だけの日常生活だけではなく、アメリカで知り合った友人との交流とか、どんな研究をしているとか、英会話教室の中とか、そんな社会的な日常を。この話に、世界観的広がりが見えないのは、結婚後の葛藤にばかりに終始し、そんな社会的な日常が欠如しているのが原因だと思うけどな。
お話としては、やはり面白い。何と言っても篤臣が生き生きしてるし、そんな男を温かい目で見る江南の息吹が聞こえる。この本の魅力はそんなところにあると思う。
総合して、私の1番の好みは1巻目の「右手にメス、左手に花束」だと思う。2人は普通に男×男で愛し合うことの葛藤をしてる。強姦という出来事については、した方もされた方もものすごく苦しんでる。納得できる内容なんだな。
ただ不思議なのは、確か江南は左利きのはずだけど。表題は篤臣が主人公だからこんな題名なんだろうか。法医学でもメスは持つしね。江南のことを言ってるのであれば「左手にメス、右手に花束」になるはずだよな。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ☆☆☆☆★
ワクワク度 ☆☆☆☆★
藤原万璃子
書籍名:
愛していると言ってくれ
出版社:雄飛 アイノベルズ
感想:
夭逝した天才俳優・桐生拓人を敬愛していた渡会俊一は、桐生の遺児である拓海を引き取る決意をする。俊一18歳、拓海5歳。俊一が20歳になったときから養父として拓海と暮らし、11年の時が過ぎた。俊一は俳優として成功し、絶頂期にある。
18歳になった拓海の進学のことで2人はすれ違い、俊一は拓海に強引に抱かれる。ダメだと思いながらも、禁断の地へ足を踏み込む2人。すがるような拓海を振り切れない俊一。俊一もまた拓海のことを想うのだった。
読んでて楽しくなかったです。もう少ししたら面白くなるかも、と思い続けながら最後まで読んでしまった・・・
唯一イイナと思ったのは「十三年かけて-俺は、俺の男を育てたんだ」と気付くところ。そこはすごく良かったです。
光源氏みたい。ロマンだなぁ。自分の男を自分好みに育てるのは・・・(-O-)
何が面白くなかったんだろう?
冒頭から退屈な展開だったんだ。2人が出会うシーン。拓海5歳。父の死にショックはわかるけど、けっこう長かった。
受けの俊一が売れっ子俳優だというのも、私好みではないです。もし売れっ子俳優でも、バリバリの硬派で受けとか、オレ様養父はダメでしょうか・・・俊一は何故かヨン様を思い出しちゃってダメでした。いや、ヨン様が悪いと言うわけではなく、何故か頭に登場するんだもん。
2人の心がすれ違って、体当たり状態の拓海に振り回される俊一。拓海の若さをもう少し強調してくれればなぁ。中途半端なんだもん。もっと熱烈に当たって当たって、俊一拘束独り占めとか、いっそのこと(実母と同伴ではなく)無断で消えちゃう、数年後再会とか。
とにかく魅力的な主人公ではなかったです。
評価:D
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ☆★★★★
ワクワク度 ★★★★★
藤森ちひろ
書籍名:
蜜月の夜に燃えて
出版社:ハイランド ラキアノベルズ
感想:
加納瑞樹の兄・ジャーナリストの孝がアラブの地で誘拐された。兄開放の取引はことごとく失敗し、最後の手段はアブディーンの王族・シャリフ頼みだけだった。無謀にもシャリフに近づく瑞樹。シャリフは兄開放の取引の代価として瑞樹の体を要求し、瑞樹はそれを了承する。初めての繋がりで淫らに悦楽をおぼえる瑞樹。シャリフは瑞樹をアブディーンへ連れ帰り、宮殿のような邸宅で官能的な日々をすごす。しかし兄開放の進捗状況が気になる瑞樹は、ひそかに脱走したが、シャリフの敵対する従兄弟に捕らえられる。シャリフ以外のものに触れられることがおぞましいことであることを悟る瑞樹は、シャリフが心深く存在することを自覚する。
表紙からして、「やります」というなみなみとした意思が伺えます。瑞樹は素っ裸だもん。黒ラキだし、アラブだし。
物語の半分はエッチです。
思わず買っちゃったよー(*^O^*)
ストーリー展開なんてどこ吹く風。初めてで感じまくり、シャリフだけに反応。お乳もとっても敏感。アラブに付き物の塗り物もあり。ゴージャスもあり。求愛あり。途中、オークションもありました。
典型的なアラブ風の作品です。
ただエッチ読みたいと思うときに手に取ると良いでしょう、と言ったところでしょうか。
小説に意味など求められない、エンターテイメント的な本だと思います。
この作家さんの他の本をちょっとリサーチしたら、けっこう面白そうだったので、買ってみようかなー。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆☆☆
感動度 ★★★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★
ふゆの仁子
書籍名:
悪い男に愛されて
出版社:角川ルビー文庫
数年前、ふゆの仁子さんのマイブームが起こり、出版された本の3分の2くらいは買い占めたのですが、この頃は、物語の展開が私のツボとはちょっと違うなと感じ始め、ご無沙汰でした。
久々のふゆのさんの作品でした。
内容:
外資系の大手証券会社の法務部に勤める津久見円は、顧問弁護士の佐伯恭祐を尊敬していた。ある日、話の成り行きで円は佐伯からゲイパーティーを紹介される。意を決して円はその店を訪れたが、そこで酒に催淫剤を盛られ知らない男に抱かれる。密かに恋心を抱いている兄の名を呼びながら。
その後、その店で円を抱いた男は佐伯だったことを知る。佐伯はそのことを理由に円を脅し体の関係を強いる。円は葛藤し会社を辞めるつもりだったが、佐伯の方が先に会社の顧問弁護士を辞めると言い出し、円は上司に頼まれて佐伯引止め工作のために、佐伯の言いなりになる。
感想:
こういうの、好きな展開です。弱みを握られて言いなりになって、相手のことを好きになって・・・好きですね。でも、一部気に入らなかったのは、円は佐伯のことがイヤでイヤでたまらないんじゃない、ということ。どちらかというと、最初から佐伯が好き。会社で初対面の時は苦手だったみたいですが。苦手のままの展開の方が私好みだな。
佐伯という男は好みですなぁ。冷たくておれ様で、頭がいい。実は円にメロメロのようですけどね。
物語としてはわりあいありふれた内容なので、できたら円の兄・周(あまね)も加わった3Pなんていかがなもんでしょう。ま、近親相姦嫌いの私ですから、円のいる部屋の隣で佐伯が周を喰っちゃうっていうのがいいんだけど。佐伯って悪い男と言われてるわりには、円一筋ですね。
絵は陸裕千景子さん。この方って人気挿絵漫画家ですか?最近の私の読むBL本、この方ばかりのような気がする。しあわせの本田くんの絵もこの方ですね。
私、あまり好きじゃないのですよね。目と口の描き方が気に入らないんです。昔、まだ私が「なかよし」を読んでいた頃、志摩あつ子さんという漫画家がいらっしゃったのですが、その人の絵に似てるような気がする。目なんか特に。口も昔の漫画家さんが描くような口。大きく開いた口元とかね。
絵が古い・・・と言ったら、ファンに怒られるかなぁ。エッチの絵はお上手ですけど。
評価:C
エッチ度 ☆☆★★★
感動度 ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆★★★
書籍名:
愛しかいらねえよ。
躰だけじゃたりねえよ。
出版社:フロンティアワークス ダリアノベルズ
内容:
【愛しかいらねえよ。】
澤純耶(26)は銀行の上司に連れて行かれたキャバレーで小早川卯月(26)と再開した。卯月は高域暴力団、興隆会の跡目である。
8年前、純耶の通う高校に卯月は転校して来た。暴力団の息子だとか、いろいろいわくは付いてきたけど、担任に彼のことを任されたこともあり、純耶は卯月に好意的だった。そして次第に卯月の瞳に強く引かれていく。卯月のマンションを訪れたり交流を重ねるうちに「好き」だという感情があふれていき、それは卯月も同じで、体を重ねるようになる。
しかし卯月は暴力団の跡目で、純耶と卯月の生きる場所は全く異なる。卯月の面倒を見ているらしい岩槻という男から、卯月のことを考えるなら、自分から身を引くように言われる。
2人で逃避行しようとした日、岩槻の命令のまま心外な言葉を卯月に叩きつける純耶。
あれから8年後の再開だった。
【躰だけじゃたりねえよ。】
一般の銀行員である澤純耶は、暴力団・興隆会の跡目である小早川卯月の恋人である。しかしその関係は表立ってはいない。体を重ねるたびに、卯月のことを愛おしいと思う。
卯月の周囲は主要人物の狙撃殺害事件があって以来、きな臭い。そのこともあり2人の逢瀬は少なかった。
純耶は卯月の部下という稲積に卯月の見合い話が持ち上がってることをあげ、別れるように言われる。
別れることは出来ない、だけど、2人の関係を表立たせることも出来ない。
そんな純耶に危機が迫る。拉致されたのだ。相手は稲積。純耶は卯月の手下に監禁されてしまう。稲積の本当の目的は仇討ちだったのだが・・・
感想:
2人の心のジレンマがわかる。愛おしいけど立場が違うから、いつも一緒にいられない。だから逢瀬の時はラブラブなのはわかるけど、2人が一緒だといつもエッチのような気がした。
純耶が卯月を守りたい、と思うところは好きだな。守られるだけでなく、守ってあげたい。対等な関係が好き。
卯月は必死に組のことを考えてるし、純耶のことも愛してる。そのことがよくわかる。
でも、本から目を離して想像すると「ファンタジーだなー」と現実感を味わう。どのBL本でもそうなのだけど、今回も痛感した。「愛してる」等の言葉の連発なのだよね。
でも拒否感は抱かなかった。桁外れな「こんなことはないよ」と思わせる描写はなかったから。
可もなく不可もなく。といったところでしょうか。
高校時代の卯月の絵が気に入ったです。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ☆☆☆★★
ワクワク度 ☆☆★★★
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