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妃川螢
妃川螢
書籍名
出版社:
この腕の温もり
リーフ出版
感想:
初めて読んだ作家さんです。
シリーズものだったそうで・・・今作で主人公の那珂川貴透(なかがわたかゆき)のお兄さんである貴彬のシリーズがメインだったようでした。
私は全く初めて読んだわけで、どうりで最初から話の内容について深く書いてなかった理由がわかりました。先にお兄さんシリーズを読んでいたら苦もなく読めたのだろうけど、私は今作品が最初なので、意味が理解できないまま読んでいきました。
あらすじとしては美人の男教師・相馬聖と謎めいた生徒会長・那珂川貴透の肉体関係から始まる恋の物語です。影のある貴透に囚われ、強引な肉体関係の強要を受け入れる聖。聖が教師としてだけではなく、一人の人間として貴透に傾倒していく気持ちはわかるのですが、グッとするものがありません。
それは貴透が聖に惹かれていく過程でも同様で、観念的なので私には何で聖を抱こうと思ったのか理解できませんでした。でも、恋なんてそんなものかな。理由はいらないもんね。
男同士であることの必要性は感じませんでした。美人女教師でいいじゃん、って思いました。
それから、先にも書きましたが、最初から何故、貴透が家との関係を悩んでいるのか、その奥に隠された背景がどのように複雑なのかを理解できなかったので、貴透にも、またそんな貴透にはまっていく聖にも同調できませんでした。
私にとって主人公たちに同調できないということは、物語をイメージできないことなので、全く面白くありません。例えば、視点が聖のみで、聖が貴透の心の闇の謎解きをしていく、その場合はこの話の流れでいいのです。しかし、物語は貴透でも書かれているのです。
今、BLの作品でよくとられる方法ですね。受けと攻めのそれぞれの視点から書くって。(一般書でこの書き方はあまりないよな。最近読まないけど)
貴透の視点で書かれている時は、冒頭から、観念的ではなく、わかりやすく具体的に闇の部分を書いてくれて、貴透はこのことのこの部分に葛藤してるという事をアピールしてくれたら、もっと物語の全体像がイメージでき、面白く感じることが出来たと思います。
最後になってやっと貴透の心の闇になる部分がわかり、なるほど、と理解できた次第でした。
お兄さんのお話は、機会があったら読もうかとも思います。・・・でも、読まない確率が高いな。だって、今作品を読んで、この作家さんの他の本を読みたいとは思わなかったから。
評価:D
エッチ度 ☆☆★★★
感動度 ☆★★★★
ワクワク度 ★★★★★
書籍名:
恋する瞬間
出版社:リーフノベルズ
感想:
年下攻めです。6歳の年の差。2人は義兄弟です。
会社の取引で怪しい薬を使われ、逃れてきた瑞記は見知らぬ男に助けられるが、結局その男と一夜を共にする。母の再婚で義父が連れてきた高校生の息子は、あの夜一夜を共にした男だった。将斗は強引に瑞記にキスを仕掛けたりする。瑞記はそんな将斗が気になるのだった。
BLでよくある設定かな。薬を使われたとはいえ、エッチが最初から気持ちいい、男、しかも義兄弟を好きになることにさほど違和感を感じず、周囲の面々は2人を祝福、ついでに義父も2人を祝福。嫌いじゃないんだけど、好きでもないです。ありきたりと言うか。でも読めてしまうのは文章力があるからかな。コメディタッチなので深刻に書くほうがヘンなのはわかってるんだけど、恋に落ちるまで順調すぎると、「そんなもんかい?」と疑問を抱きます。
例えば、普通の感覚であれば、母の再婚には賛成しても自分の苗字が変わることに対しては抵抗感を持つのでは?さらに社会人である成人男性が、再婚した母たちと同居するか?そうなるとこの物語の存在意義がなくなってしまうなぁ。伏線の思い出せない塾時代の少年のことも、これは将斗のことだとわかりやすく書いてある。もっと霧に包んだような書き方だとドラマティックになると思うんだけど。
多分、『甘い生活』の後遺症です。(それともしかすると私の感覚とこの作家さんの小説が合わないのかも・・・)あちらも最後は社会人と高校3年だったし。あちらは2人ともその存在と男である必然性があって、心の動きを緻密に書かれてるので、ずっしりと私の心まで侵食されちゃいました。片や、比べる私が悪いのですが、瑞記ははっきり言って男でなくても十分に書ける小説だと思います。
また、先ほども書きましたが、文は決して下手ではありません。ただ、1行に1文はどうしたものか。文を続けて書いても別段差しさわりはない気がする箇所が多々あり、ただのページ埋めのためか?と思ってしまいました。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ★★★★★
ワクワク度 ☆☆★★★
書籍名:
恋の引力
出版社:リーフノベルズ
感想:
可愛いフレッシュマンの恋のお話です。
可愛い顔の夏目は見た目とは正反対で強気な性格。同期の梶山は大きな図体だが温和で朴訥としている。要領の悪い梶山にイライラする夏目だったが、接待でセクハラされそうになったところを助けられようとしたり、怪我した時は病院に連れて行ったりしてくれ、頼りがいのある一面を知る。
アイドル並みに可愛い顔のせいでなめられるから、強気で生きているという夏目の気持ちはとてもわかります。仕事では可愛い外見はあまり必要ではなく、むしろ落ち着いた安心感を与える風情が、好印象だから。
夏目の一生懸命さと梶山のおっとり感は、いい感じでした。本を読んでても違和感がなかった。ただ、先輩の2人は好きにはなれませんでした。BL的ありふれた設定なので周囲はみんなゲイを承認してるし、自分のために当て馬使うし。なーんか、やなヤツって感じです。大人ぶってるところとかさ。
それでもこの小説が面白かったな、と思えたのは、男前な夏目が可愛いからです。エッチの時が特によかったな。
評価:C
エッチ度 ☆☆☆★★
感動度 ☆☆★★★
ワクワク度 ☆☆☆★★
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