管理組合の法人化

平成１６年５月２日再製
*平成16年8月22日追記

以下、法人成りについてちょっと考えてみました。

１．　従来、区分所有者の数が30人以上であるマンションでのみ特別決議を得て、法人成りが可能であったのが、今般の区分所有法の改正により人数制限が撤廃され、小規模マンションでも法人成りが可能となりました。

（１）管理組合の事務所がなかったので、売り住戸を管理組合法人
　　　名義で取得

　　　京都市右京区梅津
　　　『管理組合法人　ユニハイム四条梅津』
　　　法人成立の年月日　平成８年１０月２３日

　　　京都市中京区西ノ京
　　　『西ノ京スカイハイツ管理組合法人』
　　　法人成立の年月日　平成１０年１月３０日

（２）岩手県内で初めて法人化

２．管理組合法人設立の一般的なメリット

　　　A．法律関係の明確化
　　　　　管理組合が法律上の人格を認められて権利義務の
　　　　　帰属主体になれます。
　　　　　不動産登記法上、管理組合名義で登記することが認めら
　　　　　れます。
　　　B．取引の安全
　　　　　管理組合の存在及び理事の氏名等は登記簿によって公示
　　　　　されます。
　　　C．実際上
　　　　　管理組合としての活動がしやすいものとなり、その幅が
　　　　　広がります。

３．管理組合法人と通常管理組合の違い（税金上）

４．管理組合が法人化する場合、不動産を管理組合名義で取得したいと
　　いう目的があるようです。
　　法人登記簿には、代表者の氏名が公示され、法人の印鑑証明書も
　　でます。ただ、代表者が変更するごとに、代表者変更登記を申請
　　しなければなりませんので、管理組合が充分に機能し、議事録等
　　が整備されていることが前提になります。
　　代表者変更登記を怠ると、登記懈怠ということで、裁判所から
　　過料の制裁があります。
　　又、実際上は、法人化にあわせて規約の見直しも必要です。

　　　　　　　　　　　まだまだ、勉強。

*平成16年8月22日追記

登記懈怠について
以下法律条文の引用は、各条文の一部とします。

建物の区分所有等に関する法律では、

第七十一条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その行為をした管理者、理事、
規約を保管する者、議長又は清算人は、二十万円以下の過料に処する。
五　第四十七条第三項（第六十六条において準用する場合を含む。）の規　　
　定に基づく政令に定める登記を怠つたとき。

（成立等）
第四十七条　第三条に規定する団体は、区分所有者及び議決権の各四分の三　
以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定　
め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人　
となる。
３　この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事　
項は、政令で定める。

組合等登記令では、

（適用範囲）
第一条　別表一の名称の欄に掲げる法人（以下「組合等」という。）の登記
については、他の法令に別段の定めがある場合を除くほか、この政令の定める
ところによる。

別表一　（第一条、第二条、第十二条、第十七条、第十九条関係）

名　称　　　　　　　　　　根　拠　法　　　　　　　　　　登記事項
管理組合法人　　　　建物の区分所有等に　　　　共同代表の定めがある
団地管理組合法人　　　関する法律　　　　　　　　ときは、その定め

（設立の登記）
第三条　組合等の設立の登記は、設立の認可、出資の払込みその他設立に必　
要な手続が終了した日から二週間以内に、主たる事務所の所在地においてしな
ければならない

（変更の登記）
第六条　組合等は、第二条に掲げる事項に変更を生じたときは、主たる事務　
所の所在地においては二週間以内に、従たる事務所の所在地においては三週間
以内に、変更の登記をしなければならない。

法人登記規則では、

（商業登記規則の準用）
第九条　商業登記規則第二条、　　　（中略）　　　　　
並びに第百二十三条の規定は、法人及び外国法人の登記に、
　　　　　　　　　（中略）　　　　　　　　　　　　　　準用する。

商業登記規則では、

（過料事件の通知）
第百二十三条　登記官は、過料に処せられるべき者があることを職務上知つ　
たときは、遅滞なくその事件を管轄地方裁判所に通知しなければならない。

商業登記等事務取扱手続準則では、

（過料事件の通知）
第119条
登記官は、その職務上過料に処せられるべき者があることを知ったときは、遅
滞なく、附録第五十三号様式による通知書に登記簿の抄本を添えて、その事件
の管轄裁判所に通知しなければならない。

附録第五十三号様式（第119条1項）
　日記　　　号
　　年　月　日
　　　何地方裁判所　御中
　　　　　　　法務局　　　　　　出張所
　　　　　　　　　登記官　　　　　　　　　　　職印

　　　　　　　　通　知

　　　　下記のとおり過料に処せられるべき事件を発見したので、
　　　　　商業登記規則第123条により通知します。
　　　　　　　　　　　記
　１、違反者の資格、氏名及び住所
　１、違反事由の要旨
　１、該当法条

以上の通り、登記懈怠には充分注意が必要です。

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