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2007.03.20
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カテゴリ: 日々つれづれ


数年前のTV特番で、彼がこんなことを仰っていた。



「映画とは、一瞬の打ち上げ花火のようなもの。」

夜、一本道をひとりで歩いていると、
とつぜん後ろで“ドーン”という音がして、目の端で花火があがる。

“え?今のは何だったんだ?!”
と目をこすって振り返っても、2発目があがるわけでもない。

さっきの打ち上げ花火は、夢かうつつか・・・


映画とは、そんなものだ。



記憶はあやふやだけど、たしかこんなことを仰っていたんじゃないかと思う。

そしてわたしは日常生活の中で、
この言葉を何度も思い出すのです。

話は変わるけれど、
この前、
パソコンを初期化するため、いろんなデータのバックアップを取った。

CD-ROM何枚もに分けて、きちんと整理。

一番失いたくないのが、何1000枚ものデジカメ画像。
そして、

日記、
音楽のデータ・・・etc

必死にバックアップを取りながら、ふとバカバカしくなった。

紙媒体ならともかく、

なんでこんなに偏執狂的に


本当に大切な記憶や感動って、
自分の五感がとらえた形のままで、心のどこかに残るものなのに。

10年後や20年後にまで、
自分が目にしてきた&耳にしてきたすべてのものの
極彩色のデジカメ画像や、完璧な音楽データが残っていたら・・・?

そしたら、
本来、年月の蓄積とともに綺麗にセピア色になっていくはずのものが、
そうはならない気がして。

ある記憶って、
その出来事がおこった瞬間は極彩色の状態だけど、

年月がたつごとに
心の中で編集されたり、上書きされたり、
記憶自体も老いていくもののような気がする。

それはとっても自然なことなので、
すべてをデータの状態で保持しようと躍起になるのは、なんだか本末転倒だと思った。

“美容整形で20才の外見を維持したまま、80才まで生きようとすることは異常だ!”
って思う感じと似てるかな。

人間にとっても、
ある瞬間、瞬間って、打ち上げ花火みたいなものなんだろうなぁ。

DVDで見古した映画よりも、
名画座で一度だけ観たフィルムの方が、

そのときの空気感や、1シーンの衝撃や、感動や、
隣の席にすわっていた人の吐く息の音や・・・

いろんなものが混じり合って、
重みのある記憶として心に残ってるもんね。

舞台も、そう。
あのときの空気はもう二度と味わえない、と思うからこそ
「もう一度だけ観たい!」
って思うんだよな。

そうやって、

一度きりしか味わえないいろんな感情や状況を、
それらが過ぎ去ったあとに「もう一度!」と渇望しつつ、
元気に前に進んでいく・・・

っていう生き方ができればいいと思うな。やっぱ。

今の時代って、
残そうと思えばなんでも残せちゃうから、渇望もすくない。

昔、誰だったかのジャーナリストが、
「オヤジ達のいう、“あの懐かしい60年代”は存在しない」
って書いてておもしろかったんだけど、

それはつまり、
自分なりに脚色した記憶が、心の中にきちんと存在してるってことでしょう?!

わたしの父親も、
あの時代を語るときって本当に楽しそうだしなぁ。

蓮見圭一の『水曜の朝、午前三時』も、
も~ほんとに「自分の時代を書きつくしたる!」って感じがあふれてるし。

それって、わたしの世代からしたらちょっと羨ましい話なんだよね。
(自慢されすぎると鼻白みますが・・。)

とか言いつつ、

今日も雑貨をケイタイのカメラで撮り、
道端に咲く花の写真を撮り、
DVDを買い、
You Tubeを見て、
調べたいことがあればすぐにGoogleで検索して、
借りてきたCDをiPodに入れて聴くのですが・・・。

バランスが大事ってことでしょーか(^o^;A

どんどん進化しつづける便利な生活のおかげで得たものも大きいし、
そのせいで
失ってしまったものも大きい!

と、日々のところどころで思います。

すくなくとも、
「(なにかを得ようとするとき)今しかない!!」って感じる焦燥は薄れた気がします。

焦燥感がないくせに、なんだか刹那的です。
ヘンなの。

これから、わたしたちの世代は
また新しい価値観の保存方法を発見していかなくてはならないんだろうな。
がんばらねば!

そして、

「あのときの恋は夢かうつつか?」
ぐらいのゆるい感覚をきれいに心に保存しながら、
粋なおばあちゃんになりたいな~。

鈴木清順の粋はまだまだ遠い!!





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Last updated  2007.03.20 11:32:10 コメント(2) | コメントを書く


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