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やかまし村のピッピ

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2005/01/03
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カテゴリ: カテゴリ未分類
3日の試験を終え、自宅へ戻ると、さくらは父親の姿を探す。

と不安そうに時計を見る。

その時夫はすぐとなりの会社の事務所にいた。
合格発表は両方とも昨日、今日は見に行ってなどいないのだから。
そして両方不合格だったのだから。知らないのはさくらだけ。

自宅から事務所は見えないが、さくらは「パパ帰ってきて、もう仕事してるのかな」
と言い出す。

「まだよ、昨日の学校は今日の午後発表だもの。まだでしょ」と


さくらに気付かれないように事務所へ行った。
「さくら泣いてたよ、E子ちゃんが合格したって聞いて、別れた途端、
私、どこも受かってなかったらどうしようって泣いてたよ」
と夫に伝えた。

これまで受験勉強にはほとんど口も出さず、どっちでもいいという
スタンスだった夫だが、娘が泣いていたと聞いて、相当動揺したらしい。
全部落ちたじゃかわいそう過ぎる、そう思ったらしい。

今、きのうとおとといの学校の不合格をさくらに伝えるのは残酷すぎる。
「今日の学校は大丈夫なんだろ?」と言うので
「いや、絶対大丈夫ってことはないよ、わからないよ、
実力相応の学校だけど、絶対受かったなんて言えないよ」


落ちたなんてことは、そんなことは1回言えばいいんだ。
何も今から2つ落ちたって伝えて、不安な時間を長くさせることはないんだ。
もう終わったことなんだから、今日の学校に受かってたら、昨日やおととい、
落ちた話なんかどうでもよくなるだろ。そうしよう。
とにかく、俺はまだ戻ってないってことにするからな、ここにいるから、


親バカなようだが、夫は娘に不合格をとても言えない、そう思ったようだ。
やはり、娘が泣く姿を見たくないのだ。

全部落ちたら別に公立でいいじゃないか、ずっとそう思っていたけれど、
いざ受験が始まって、必死になっている娘を見て、これで
「全部だめでした」はあまりにもかわいそうだ、そう心境が変化したのだ。
それは私も同じだった。

勉強したのも試験を受けたのも本人なのだ。
こちらは成績が悪い、大変だ、お金がかかるなど文句を言っても、結局
緊張と不安を抱え、闘うのは本人なのだ。
しかも中学受験を始めたきっかけは親が作っている。
本人の気持ちを考えれば、だめならしょうがない、そう簡単に言えるものでは
ない、試験が終わって初めてそう感じた。

やっぱり、「よかったね、合格したよ」と伝えたい、喜びを感じさせてやりたい、
親心でもあり、この先の人生を考えると是非そうしたかった。

5時までの数時間は本当に長かった。もし落ちていたら・・・
さくらにこの学校の発表は明日だと嘘をついていた。
いずれにしても1日、2日の学校の不合格を伝えねばならない。明日の試験は・・・
明日のことを考える余裕は私にはなかった。

さくらは「パパ、遅いね。やっぱり落ちてるから、どこか寄り道してるのかな。
受かってたらすぐに帰ってくるよね。」と何回も言う。

夫が携帯嫌いで助かった。渡さなければ持ち歩かない。何の為の携帯か
わからないが「連絡がとれない」口実になった。

隠れるように事務所に身を潜める夫も気が気ではなかっただろう。
私も本当に待ちくたびれた。

いよいよ5時になった。
今日は迷うことなく、事務所のパソコンで学校の画面を開いて待っていた。
5時少し過ぎ、更新ボタンを押して、合格発表のページへ・・・・

「あ、あったよ、あったよ。262番だよ」との私の声に
「あぁ~よかった。」と夫も心底安心した声を出す。
嬉しかったというよりも、本当にほっとした。
とにかく、1つ、合格できた。よかったよ。

すぐに自宅へ戻ると、さくらは疲れて眠っていた。

急いでゆすって起こす。
「ねえ、合格したよ、今日の学校受かったよ」
そう伝えると、さくらは突然驚いたように起き上がって
「え、ほんと?ほんとに受かった?」と言って・・・また涙を流し始めた。
今度は安堵と喜びの涙だね。私も嬉しかったよ。

一緒に画面を見て、確認した。

不合格の話もしたけれど、さくらは「わかってたから、しようがないね」と
受け止めていた。残念そうではあったけれど、泣くことはなかった。
これも合格を聞いた後だからこその反応だろう。

たった3日だったのに、本当に長い長い3日間だった。
こうしてさくらの受験は2月3日、本当に終わった。





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Last updated  2005/01/03 09:26:13 PM
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