穏やかな爆弾

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富山県の子@ Re:【声】 こわくて・こわくて(09/17) 富山弁でこわくてこわくて‥は、かたくてか…
ターコ@ Re:マシュマロ戦争 マシュマロ…危ない兵器ですね(>_<) …
ターコ@ Re:はまる男 はまりましたか…(笑)男の人は、たまにある…
ターコ@ Re:【奮】 民間伝承 まぐろ泥棒さん スイカ…私も小さいころ信…
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くそぅ・・いきなり暑くなりやがった。。

この所は、近年稀に見ぬ『冷夏』って奴のおかげで・・
ホントに梅雨に逆戻りか?
否、木の葉舞い散る秋の先走りか?
なんて錯覚してしまう様な日々が続き
鉛色の垂れ込める空の下を、半笑いで仕事をこなせていたのですが・・。

帰ってきてしまったようです。

『夏』って言う名の暴君が・・。

気温が上がってしまうと、頭の中で飼ってる蟲が

「チャイナドレスで、新聞を配ってやろう」なんて
闘志が、ふつふつと沸いて来る壊れかけのまぐろです。
お久しぶりです。

ああ。。夏なんて大っ嫌い。。


今日のお話は、そんな『冷夏』真っ只中での出来事。

「ん・・トイレ・・・。」

夜中に、僕はふと目覚めてしまいました。
配達は休みなのに、反射的に枕もとの携帯電話で時間を確認してしまうのは
ほとんど職業病。
眩しいほどの明かりで、ディスプレイに浮かび上がったデジタルは
午前三時半。。

血があまり巡っていない頭を振りつつ、よろよろと立ち上がると
足元を流れる風が、心地いいのに気づきました。

去年までの寮生活とは違い、今年は光熱費自腹の居候生活。
暑さが苦手な僕は・・
電気代が怖くて、クーラーの恩恵に預かれないなんて

このところの『冷夏』のおかげで、空気の通り道さえ作っておけば
涼は自然に運ばれて来て良い塩梅。

・・と言うわけで、どんなに夜更けだろうが

窓、全開!!

玄関の扉、全開!!

不用心だな・・とたまに思いますが
まぁ・・僕も同居人も大して変わらない貧乏生活者。
盗られて困るものと言えば、貞操ぐらいのものなので特に気にしていません。
更に言えば・・僕らが根城にしているこの2Kのアパートは
玄関→六畳→四畳半と、部屋が直列に並んだおかしな造り。

僕の部屋は、玄関から一番奥の部屋なので
たとえ暴漢が闖入しても、手前の部屋で寝ている同居人を
人身御供にしている間に
逃げることも、凶器を手にすることも可能。

空手家の同居人が、しこたま時間を稼いでくれること切に祈ります。
がんばれ!同居人!!

そんなこんなの状況なので、部屋を仕切る襖を開け放った僕の部屋からは
彼の部屋をなめて
玄関までが見通せるわけなのです。

ふらふらとゆれる足元を、掴まり立ちしながら奮い立たせ
玄関脇にある憚りに向かおうとした矢先。

僕の視界を、影が横切りました。

「・・・・なに??」

塗り固められた様な闇。
いつもなら、木目が見て取れる台所も
今や、凹凸のない平坦な黒で彩られ
その輪郭しか窺い知ることが出来ません。

そんな無気質な世界で、明らかに躍動性を持った『何者か』の影が蠢いています。

一瞬。同居人が夜中に起き出して
夜食でも作っているのかと思いましたが・・。
その彼は、今・・不審に束縛され歩みを滞っている僕の足元に
転がって寝息を立てています。

話は、少し逸れますが・・
うちの同居人は、寝言で小話を展開する僕なんかとは相反して
ホントに静かに眠る人なんですよ。
寝返りも、ほとんどと言って良いほど打たず
夜眠りについて、朝まで全く同じ格好なんてこともしばしば・・。

ちょっと調べてみましょうか。。

ピッ・・

「へんじがない。ただのしかばねのようだ。」

足元に転がっているモノが、屍だと確認された今。
僕の意識は闇の中に息づく不穏な影の正体の一転に集束されます。

『真夜中の訪問者』

もしや、あれが頭のおかしい人ならば
僕の純潔は・・純潔は・・純潔は。。
寝ぼけ眼で霞む視界に鞭を打ちながら、漆黒を睨み続けること・・

数十秒。

眉間に寄せた皺に疲れを覚え始めた頃、影は胸の高さから不意に跳躍しました。
板張りの床に、とん・と言う軽い足音を響かせます。

ん?人間じゃない・・この見慣れたシルエットは。

こちらを振り返ったのは

そう・・猫さんでした。

闇に慣れた視界に、丸い背中とくりくりの瞳が写ります。

取り敢えずは、僕の貞操を狙ってやってきた
変質者さんじゃないことがわかって一安心。

そして、目の前でこちらを伺っている生き物が
非力で可愛い存在だとわかると、一気に立場が逆転しました。
自分の中に、湧き上がる衝動を
僕は抑えることが出来なくなってきました。

「おのれ・・人様の家に土足で上がりこんでくるとは良い度胸だ~」

脳裏に数々の残虐行為が浮かんできます。

「まずは・・とっ捕まえて、肉球をぷにぷにしてやる・・。」

「そのあとは、尻尾の真ん中辺をむんずと捕まえて
 そこから飛び出た先っぽをピコピコいわせてやる・・。」

何となく・・悪代官に手篭めにされる町娘をイメージしながら
先ほどとは、打って変わり嬉々とした表情を湛え
頭を左右に振るデンプシーロールスタイルで
猫さんに、にじり寄って行く29歳。

あまりにも不穏な空気に圧倒されたのか猫さんは
暗闇の中に、僕を一人残し
全開になっている玄関から、するりと逃げ出してしまいました。

「ああ・・待って~」

猫さんが擦り抜けていった扉から、残像を追うように顔を覗かせてみると
入り口のすぐ傍にある、階下に続く階段の下で
じっとこちらを見つめている先ほどの猫さん。
外灯に照らし出された姿は、ここいらの近所でよく見かける三毛猫さんのそれでした。

なんだろ?遊びに来てたのかな??

後日、同居人に聞いたところ・・

「真夜中になると、たまに進入してくるんだよ。」

とのこと。。

この日から、夜中に目覚めるとこっそりと台所を
窺う癖がついてしまいました。

いつか。。捕まえて肉球をぷにぷにしてやろうと思ってます。





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Last updated  Aug 29, 2003 10:48:16 AM
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