穏やかな爆弾

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May 31, 2004
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カテゴリ: 声がなくなるまで
だ~るまさんが~ころんだ~♪

・・・。

だ~るまさんが~ころんだ~♪

・・・。

ジリジリと夏が近づいて参りました。

夏は嫌いです・・暑いから。
夏は嫌いです・・物が腐りやすいから。
夏は嫌いです・・奴らがやってくるから。



まぐろです。こんにちは。




昨日は、まだ五月だというのに
公園の噴水で子供達がパンツ一丁になって
遊びまわる風景が
ローカルニュースで流れるほどの暑さでした。

日が落ちても、その余波がしぶとく残り続け・・
ムシムシと寝苦しい夜。

しかし・・何度も言うようですが、まだ、五月です。
こんな時期から冷房を入れるようでは、この先の
酷暑を乗り切るための精神力は養われないと言うもの・・。
仕方なく、昼間の子供達と同じようにパンツ一丁の半裸になり
窓を網戸にして自然の涼を最大限に活用する事にしました。





お花畑で、ガチャピンと甘いひと時を過ごしている夢は
僕の寝顔を天使の様に
穏やかなものに変えていたことでしょう。

しかし、そんな至福の時は奴らの襲来によって
打ち破られてしまうのです。


ぷ~ん




「メーデー!!メーデー!!
 敵機襲来せり!!繰り返す!!敵機襲来せり!!」

はっ!!と飛び起きた時には既に遅し。。
奴らの攻撃に駆逐された僕の身体には
無残な爪痕が残されていました。




  膝の裏側。
  アキレス腱。
  足の薬指と小指の間。




そう・・現代の吸血鬼『蚊』の洗礼です。



「うがあああああ!!
 よりにもよって関節ばかりを、集中攻撃しやがって~!!」

彼らのピンポイント攻撃のおかげで
痒さはニ割り増し。
僕の背中が、どんどん煤けて行くのが
手に取るように分かりました。

安眠を打ち破られた僕の怒りゲージはマキシマム。
いつでも超必殺技を繰り出せるほどに
ボルテージは高まっております。



こうなったら、やることは一つですね。

即時、殲滅です。



しかし、奴らの姿を肉眼で確認する為
照明を灯した時には、既にその機影は何処にも見当たりませんでした。
更には奇襲気味の攻撃に対し
彼らに有効な化学兵器(金鳥製)は
倉庫に備蓄したままで
その所在は要として知れません。

戦力は圧倒的に、やつらへ軍配が上がった模様です。


この時僕は、ふと何処かの偉い人が言っていた
言葉を思い出しました。

「殺す事にかけては、人類の右に出る物はいない。」

牙も爪も持たないか弱き人間が、何故食物連鎖の頂点に立っているのか?
それはあらゆる手段、あらゆる武器を創造し
自由に使いこなすことの出来る『知恵』を持っているからです。

ならば今、僕の置かれている
異なる生命と生命がぶつかり合う状況下は
負の遺産の象徴ともいえる『知恵』を、結集する時ではないのでしょうか?



否!!今こそ人類の『英知』を彼奴らに知らしめるときです!!



部屋の照明はそのままにし
僕は、おもむろに
半裸のままソファーに身体を横たえました。
身じろぎもせず、眼光だけを光らせ
周囲に視線を飛ばします。

そう・・これは、おとり作戦。

「お!また馬鹿な人間が寝てやがる。
 しめしめ、今度もたっぷりとその芳醇な血液を頂くとするか~」

などと騙され不用意に突貫してきた彼奴らを
「チェスト~!!」てな勢いで
一子相伝の秘拳を以って破壊してやろうって魂胆でございます。



ああ・・さすが人類の英知を極めた恐ろしい作戦です。

想像するだけでも、肌が粟立ちます。



じっと息を潜めて待つ事数分。
彼奴らの機影は、未だ現れません。
しかし、ココで思わぬアクシデントが僕を襲います。
先程、陵辱された部分に
得も言われぬ感触が走り始めたのです。
無性に掻き毟りたい衝動が脳髄を駆け抜けます。
しかし・・ココで動いてしまっては彼奴らに情報を与えてしまうと
この作戦は、元の木阿弥。

ここは、我慢・・我慢・・。



暫くすると、今度は瞼に鈍い感触が忍び寄って参りました。
そういえば・・昨夜、床に着いたのは
日付が変わるかかわらないかの瀬戸際。
つまり三時間ほどしか眠っておりません。
気を抜くと落ち窪んでゆく意識を何とか保たねば
この作戦は、元の木阿弥・・。

ここは、我慢・・我慢・・。

しかし・・。

痒みが納まると、眠気が・・。
眠気が看破されると、今度は痒みが・・。

波状攻撃で僕を嬲り続けます。

かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい
かゆいかゆいかゆいねむいねむいねむい

かゆねむ・・。

・・・。

・・・。

・・・。

再び、耳元で響く羽音。


ぷ~ん


「ぐはっ!!二度も眠りを襲うとは卑怯なり~!!」

完璧なまでの作戦が、思わぬ伏兵で五和算となり
再度、奇襲攻撃を許してしまった事実に
僕は、半ば自暴自棄になりました。



もうこんなトコロでは眠れん!!
否!!寝てやるものか!!と
部屋を飛び出し
愛車に飛び乗り
当然の如く、海へと疾走する三十路の夜。

「何もかも上手くいかないときには、潮騒を聞きにいくのだ!」

「しかし蚊に刺された程度で、僕は何故潮騒を聞きにいくのだ?」

もう・・
自分が何をやってるのか分からなくなっている午前三時。
夜明けは、まだ遠いようです・・。




え?

何処が「教訓めいたありがたい話」だって?

泣きながら辿り着いた、靄に煙る波止場の自販機で

120円のコーヒーを買おうと200円入れたら

おつりが180円出てきました。

「早起きは三文の徳」

くそ・・蚊め!!





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Last updated  Sep 13, 2004 02:06:43 PM
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