ミシガン・ロール症候群

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ろいろい0822 @ Re:セパハン(11/17) セパハン?ん?なになになに何??? ・…
ぐっちゃんZ @ よみとさんへ マジです。 もう要領をえずに温厚な俺も…
よみと @ ぎゃはははは! コレはマジ話デスカ!? 大概どこのサポ…
ぐっちゃんZ @ ろいろいさんへ 忘れた財布は取りに戻ればいい。 しかし…
ろいろい\( ̄0 ̄)/@ 兄さん… ところで財布忘れてない?って(´-ω-`)…ち…
January 8, 2014
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初めてリアルな心霊現象を体験した現実主義者のような感覚で玄関をくぐり絵画などが飾られた廊下を通り映画の中で見たような応接間の案内された。
黒檀のテーブル越しに座っているボーちゃんを彼女はいつになく真面目な顔で見つめ、思いを決したように言葉をつぐむ
「あのね・・・」
緊張の糸がピン!と一気に張り詰め、息をするのさえ躊躇してしまう。
そして彼女は
「・・・ごめん・・・ちょっとまってくれる?・・・今真面目な話をしようとしてるんですけど」
前半はボーちゃんに対して、後半は俺に向かってである
「え?何?固唾を飲み込みながら見守っているけど?」
「どこが固唾を飲み込みながらですか!今にもトロケそうな笑顔でワンちゃんとジャレるんなら他所でやってもらえます?」
フカフカの絨毯に座り込み、オオハシャギで犬をイジリ倒している俺を見下す彼女。
でも仕方無いだろう。おそるおそる屋敷に入った途端、無茶苦茶でかくてそのくせフカフカの白い毛をした犬にお出迎えされたら本来の目的などどうでも良くなるってもんだ。
しかしそんな事言ったら大変な事になるのは目に見えているから
「な、何を言ってるのかな?俺はこの犬が話の邪魔をしないように押さえつけてるだけだぞ」
どう見てもジッとしている犬を俺がせわしなくイジっているが物は言いようだ。
「まったくもう・・・」
あきらめた彼女は再び真剣な表情でボーちゃんに向かう
「あのねボーちゃん」
「ワン!」
「クッ!」
背筋が凍る程の視線で俺を睨む彼女だか別に俺が吼えた訳じゃない
チラリと犬に視線を移し諦め顔でボーちゃんの方に向き直る
「イカちゃんから聞いたんだけど、入部する為じゃなくてイカちゃんの伝言伝えに来たんだってね」
「え?・・・はい・・・」
「ごめんなさい」
「え?・・・あの・・・え?」
急に謝り出した彼女に戸惑うボーちゃん
そんなボーちゃんに構いもせず彼女は
「わたしの勘違いで無理な事させていまうとこだったね。みんなにはわたしから言っておくからもういいよ」
「え?・・・あの・・・」
ボーちゃんの戸惑いは加速する
「もう無理しなくていいからね。入部の話も気にしなくていいから」
そう言う彼女の言葉に
「あ・・・はい・・・」
と答え、彼女はそれを見て安堵の表情をもらす・・・でも・・・
俺はボーちゃんの事は良く知らない。当たり前だ、これで会うのは二回目だし表情に起伏のある娘ではない。
でも俺にはボーちゃんが少しガッカリしたように思えた
「ちょっといいかな?」
俺はボーちゃんに話しかける
「あのさ、どうしても無理じゃなけりゃやってみてもいいんだよ?」
せっかく安堵していた彼女が目を剥く
「何言ってるんです!わたしがどんな思いでここに来たと思ってるんですか!」
基本俺は彼女を最優先にする心優しき彼氏だが、彼女を見向きもせにボーちゃんに話しかける
「キッカケなんてさ、何でもいいと思うんだ。勘違いであろうが間違いであろうが」
かく言う俺だって高一の夏休みにクラブの練習の時間を間違えて2時間前に行っていまい、体育館の舞台の上で練習をしていた演劇部の友達がいたので暇つぶしに見ていたら、スタッフが足らないので手伝って欲しいと頼まれたのがキッカケで今こうしている
「ところで、対人恐怖症って聞いたけど本当?」
「さ、坂口さん!」
慌てて彼女は俺を止めるが、これも無視
こうやって一応会話は成立しているんだからそんなに深刻な程ではないだろうと踏んでいるが、本人のコンプレックスは聞いて見なきゃ分からん
「え・・・あの・・・人と話すが苦手なので・・・そうかもしれません」
そうかもしれません・・・か
「だったらやってみたら?一度大人数の前で話せる事が出来れば苦手じゃなくなるかもよ?」
もちろんそんな訳もないが、嘘も方便って奴だ。
その嘘でボーちゃんに新しい世界が開けるのなら、きっと神様も怒ることはないだろう
「坂口さん!」
ああ、そうか忘れてた、・・・人は神にはなれないんだ
「わたしがどんな気持ちでここに来たと思ってるんです。そりゃあわたしだって出てもらいたいですよ・・・でも無理な事を言ってはダメです・・・」
彼女の気持ちも分かるが、ここは触らぬ神に祟りなし
あえて彼女を見ずにボーちゃんに聞く
「無理なのかな?」
ぼーちゃんは少し戸惑った顔をした後、うつむき
「無理・・・かもしれません」
「そうか・・・悪かったね」
本人が無理と言うものを無理に誘う訳にもいくまい
俺は彼女に帰りを促した
    つづく





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Last updated  January 8, 2014 10:21:30 PM
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