覚醒!頭痛の種は自分の中に・・・

覚醒!頭痛の種は自分の中に・・・

August 8, 2008
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獣耳を愛してやまない青年・・・だよな?なダックス憤怒です。

いやぁ、夏ですね。
蒸し蒸しで虫虫はみーんみーんってね。

OK、前置きは完璧だ!
さくさく行こうぜアミーゴ!!


R evive  R hythm  S tory  Daily life

今日は空が綺麗だ、ふわふわ浮かぶ雲に突き抜けるような青空。
太陽は白く輝き小鳥が歌声を披露してくれている。
その歌声に感化されたように蝉もうるさく鳴いている。
そして私は大事な妹にあるものをプレゼントするために歩いている。
まぁ歩いていると言っても自分の部屋を出たらすぐ隣に目的地はあるのだけれど。
「シイちゃーん、お願いがあるんだけど」
いきなり「これあげるー」では少し芸が無いので趣向を凝らす事にしてみる。
「えー、何ミオイお姉ちゃん?今忙しいんだけどー」
いきなり予想外の台詞が飛んできた、いつもなら「んー?何々?」と少し興味津々な声でこっちに来るのだが相手は顔も見せず声だけで対応してきた。
とりあえずこのまま目の前のドアと会話するわけにはいかないのでドアを開けることに。
「何してるの?」
ドアを開けて目の前に背を向けて床に座っている妹であるシイカに聞いてみる。
どうやら何かに(ぬいぐるみ?)向かってせっせと手を動かしているようだ。
「この間冒険者が露店で売ってたおまじないを試してたの」
「おまじない?」
「そうそう、この『恋する乙女専用必須アイテム殿方のハートを釘付けしちゃえ』ってのをねー」
おまじないと聞いて我が妹ながら可愛いなぁとか私も昔そういうのやったなぁ・・・神父様に。
とか淡い思考が過ぎったが次の"いかにも"な商品名を聞いた瞬間淡い思い出は絶対零度の氷河のように凍り付いてしまった。
「え・・・えらく香ばしい香りのするアイテムだね・・・」
「そう?直球勝負な感じでシイカは好きだよ」
これでも柔らかな薄皮に包んで言ったつもりなのだが当のシイカはえらく気に入っているようだ。
どう考えてもぼったくり、もといアウグスタが突然軍事国家になるぐらいありえない程の"いかにも"なネーミングセンス。
いや、最近のじゃこれが良いのか?私の感性がもう古いというのだろうか。
「で、その・・・恐ろしく香ばしい上に妙に禍々しい藁人形をどうするの?」
「もー、藁人形じゃないよ。恋殿君だよお姉ちゃん」
「う・・・うん。恋殿君ね、恋殿君」
むむむ、完全にこの謎の藁人形の虜になっている。
でも余りにも純真なその瞳を見ているとあながち効果はあるんじゃないかとも思えてくる。
「んで、実はもう最終しーくえんすを実行するだけなんだ」
「そうなの?」
「うん!後はこの説明書に書いてある通り『魔釘ラヴデス』を恋殿君の心臓に打ち込むだけだよー」
「えぇっ!?ちょっと説明書を見せて!!」
流石にそれはいただけない。というより私の中で怪しさが倍増、もとい三倍増しされしまった。
半ば無理やりシイカから説明書を剥ぎ取るように奪う。
大体"しーくえんす"って何よ?絶対使い方を間違っていじゃない。
いや、使い方を間違うならまだ良い方だけど『魔釘ラヴデス』酷すぎる。
というか何処の乙女設定?そんなネタを使う出版社は砂の楼閣ように人々の記憶から消え去るに違いない。
でもこの紙質・・・それにこの字の色・・・・・・何かひっかかるけど・・・・・・。
「いいよー、お姉ちゃんも気になる人がいるの?」
(こ・・・これって!?)
シイカから何か聞かれたような気がしたけどそれどころではなくなってしまった。
丁度シイカが口を開いた時に気づいてしまった。
ミオイ(血文字で書かれた羊皮紙・・・これは間違いなく・・・)
しかもこの字はフランデルの文字ではない、というより何処の文字なのかも分からない。
そもそも内容がさっぱり分からないのにそれが分かってしまうシイカ。
これはシイカがそういう特殊な力があるとかじゃなくて・・・・・・。
この紙を手に取った時にシイカは・・・・・・。
「よーし、打ち込むぞー」
「え、ちょっとっ!!」
不安で塗りつぶされている私を他所にシイカは・・・・・・。
「ぬおりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

窓の外は晴天。
ぽかぽかの陽気とは程遠いぐらい外は暑い。
窓からそよ風が入ってくるから良いものをこれで無風状態だったら気が狂うかもしれない。
でもそんな中休日を貰うのは非情にありがたいことだし至福の時とも言える。
目の前にはディオとカンギ、あと部屋の隅で完全にバテているカムリ。
あいつは本当に生物界最強の生き物であるドラゴンなのか?と常々疑問に思う。
だが今はそんな疑問に構っている暇は無い。
そう、今私の前には一つの札の束と六枚の絵が描かれた色彩豊かな札が置かれている。
「んじゃこれでっと」
自分の手持ちである菊の花が描かれた札を一枚取り、テーブルに置かれた六枚の札のうちから同じ菊の花と青い紙が描かれた札の上に置く。
「青札いただきぃ~」
そして菊の花と青い紙が描かれた札と自分が出した菊の花が描かれた札を回収して札の束から一枚とりテーブルに置く。
そう、私達がやっているのはここから東の大陸であるフォルティア大陸に古くから伝わる由緒正しきカードゲーム『花札』だ。
奥深い戦略と常に緊張感が付き纏う駆け引き、更には地方によっては全くルールが違う等の多様性。
憎悪と歓喜が一瞬にして生まれその様は混沌としているという非常に親しみやすいゲームだ。
問題点としてはトランプと違いゲームの幅が狭いという所だろうか。
「な、お前が持っていたのかっ!?」
「そうじゃ!わらわはてっきりカンギが持っていると思ったのに・・・」
カンギとディオが驚愕の声を上げる。
どうやら私がとった札に驚いているようだ。
「フフフ、天は私に微笑をくれているようだな」
最初っから恐ろしく調子が良い、この手のゲームでは大抵二回目か三回目で調子が出てくるのに・・・。
もしかしたら今日はいい事があるかも知れない。
信じてもいない神様に感謝すべきだろうか。
「おのれ・・・だが自分も負けてはおられん!」
驚愕から一転、カンギは自分の手札を見てテーブルを見つめる。
そして素早く手札から札を取り一枚の札の上に自分の札を叩きつける。
「蝶々は頂くっ!」
札が叩きつけられ軽いがそこそこ響く破裂音を響かせ牡丹と蝶々が描かれている札を手に取る。
「わーんっ!わらわの蝶々がー!蝶々がーっ!!」
「カンギ!貴様それでも人間か!恥を知れっ!!」
蝶々はディオが狙っていたのか、悔しさの余り目に涙を浮かべて喚く。
しかもブンブンと手を振るものだから私の肩にポコポコと当たる。
しかし、正直牡丹が無くなったのはこちらとしては好都合だ。
幸いにも私の手札には牡丹の札があるので誰かが牡丹の青札を出すか束からでた瞬間青札が手に入る事になる、これで青札は確実に二枚揃う事になる。
心の中でカンギに感謝の言葉を送りつつ、面白そうなのでディオの抗議を応援する。
「わらわの蝶々返してー!蝶々返してー!」
ディオが泣きから怒りにシフトしていく、このまま行けばディオの怒りの許容量が臨界点に達してその体で怒りを体現し、付近の物を(主に床)踏みつける行為、いわゆる『ぷんすかモード』に移行しそうだ。
「いやしかし・・・勝負とは時として非情にならざる・・・」
カンギがディオに精一杯謝罪の言葉を述べている途中でカンギが手札をテーブルに落として胸を押さえて蹲る。
しかも苦しそうにうめき声まで上げている。
「どうした?どうしたカンギッ!?」
「・・・ッグ、む・・・胸が・・・・・・」
こちらの声が届いているのか届いてないのかは分からないが必死に胸の痛みを訴える。
「神父を呼んでくるのじゃっ!!」
そう言ってディオは部屋を出て行った。
残された私は今の状況を整理する為にもとりあえずカンギの背をさすってやる。
今の私にはこれぐらいしか出来ないのだろうか・・・・・・。

(くっ、遅かった!?)
シイカは恍惚の表情を浮かべながら藁人形を見つめる。
「うーん、いい感じかもー。しかも体がふわふわして気持ちいいー」
(まずいっ!呪いの効果なのっ!?)
そんな時、ふと自分の右手にあるものに目を向ける。
そう、今日シイカにあげようと思っていたカンギテンの半裸絵。(大半は想像でカバー)
(もしかしたら・・・いや、これしかないっ!!)
「えへへー、それじゃもう一発ー」
「シイカっ!これを見てっ!!」
私はシイカの目の前に立ち手に持ったものをシイカの顔に突き出す。
「えー、何お姉ちゃんー」
「今日シイカちゃんにあげようと思ったカンギテンさんの絵よっ!」
シイカ「・・・・・・・・・・・・」
差し出された物が分からないのか見えていないのか、シイカは身動き一つしない。
この悪ふざけがすぎる呪いが勝つか私の画力が勝つか・・・。
「にゃふぅぅぅぅう、カンギ様ぁぁぁ~」
猫がふぬけたような声を出しながらシイカは鼻血を噴出しながら後ろに倒れる。
恍惚としている顔は呪いに掛かっている時の比では無いような気がする。


080808_2133~0001.jpg


「ふぅ、何とかなったみたい・・・」
そうして呪いの藁人形の処理を考えるも中々良い案が浮かばないのであった。












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Last updated  August 9, 2008 02:03:16 AM
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胴長犬 @ ふっふ~ん 意外と素直ないい子だぜっ! クラッチの…
_シイカ_ @ おおう! じゃじゃ馬娘ktkr ビラーゴは正統派…
胴長犬 @ ロングコート等の毛が多いわんこは。 何か心にこうこみ上げてくるものがあるな…
_シイカ_ @ お風呂上がりの。 濡れてちっちゃくなったわんちゃんがぶる…
胴長犬@ 訂正。 >足跡機能削除はまぁ、こう粘着質な方が…

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