母しゃん

母しゃん

第九話  子供の方が大変だった?!


無事に手術を終え、病室に帰ってくると、連絡を受けて飛んできた母がいた。
「きれいな赤ちゃんよ。お疲れさん」と言葉を掛けてくれ、なんだか照れくさかった。子供の様子だが、お腹の中で心音が下がったりしていた為、小児科の先生の診察を受けるまで、保育器の中に大事をとっている事になったそうだ。
でも、体重は3296gで、いたって元気なようで、旦那と母は何度もビデオカメラを持って見にいっていた。
でも、元気なのに小児科の先生の診察ってどうして?と思った私。
よくよく話を聞いてみると、心音が下がった理由として、先生達は、胎盤早期剥離と考えていたが、実際取り出したら、臍の緒を体にギューギューに巻きつけすぎて、血が通わないようになっていたらしい。
手術の際に、その場にいたスタッフ全員、かなり慌てたらしい。
血が通わないという事は、酸素が脳に運ばれなくなるって事だから、見えてない障害が起こる可能性がグンとあがるのだ。
母体とつながってる胎盤は剥がれてくるは、血は通わないはで、本当に苦しかったのは、子供の方かもしれない。そう思うと、自分が何かした訳ではないけど、子供に対し、ごめんねー・・と思うのでした。
生後3日目でようやく一日中一緒にいられるようになり、「あー、この子がお腹にいたのか・・・」となんとも不思議な気持ちになったけど、妊娠から出産までたーくさんの山を一緒に越えた子供を、心からいとおしいと思えた。
ちなみに、小児科の診察は、異常なしという事だった。聴覚検査もクリア。
おっぱいもじゃんじゃんでるし、子供もよく飲む。傷の経過も良好。
今回も、盲腸の時同様、「いつまでも寝てられるか、寝てても傷は治らん。」
と、変な看護婦根性?!で、3日目から歩いて周り、退院へ向けて頑張った。
そのかい合って、「最短コースで行こう」と先生からも許可をもらい、10日で退院した。
さあ、今日からは頑張るよ!!と自分に気合を入れ、家へ帰った。
そうは言っても、まだ10日しか経ってない。あんまり無理するのもね・・・と
思い、手伝いに来ていた母に、昼&夜の食事をお願いし、子供と共に布団に入った初日であった。


   次回  最終回 母子共に健康!!今日もフル回転!!
          お楽しみに


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