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トイレの許可が出てから、ナース付き添いのもとでお水を飲むように指示がありました。 ストローではなく直接コップから飲むことができて、まずはひと安心。 喉の動きがちゃんと戻っているかどうか、ここがひとつのチェックポイントだったようです。
夜遅く、ドクターが病室に来て手術の結果を話してくださいました。 第一声は「難しい手術でした」 その言葉の重さに、胸の奥がぎゅっとなるような感覚がありました。
聞けば、私の副甲状腺は 4センチなんて可愛い大きさではなく、 声を司る反回神経にくっついて、甲状腺の下のラインを大きく超えていたそうです。 事前の検査で「境界不明瞭」と言われたり、うまく写らなかったのは、まさにそのせいだったのかもしれません。
声を守るために、反回神経のところで副甲状腺を分けるように切除したとのこと。 私は「べりっとめくって取ればいいじゃん」なんて軽く考えていたけれど、 そんな簡単なものではなかったんだと、先生の言葉で初めて知りました。
そして気になっていた甲状腺。 「甲状腺はそのまま温存できました」 と言われて、本当にほっとしました。
喉の違和感を訴えたところ、麻酔の影響だそうで、時間がたつと治るとのこと。 実際、この違和感は一週間続きました。 でも声はちゃんと出て、少しかすれた程度。 先生はまずそこを心配していたようで、声が出たことを一緒に喜んでくれました。
傷は思ったよりも小さく、綺麗で、しわに隠れるように、シャツに隠れるように作ってくれていました。 若い先生だったけれど、腕は確かだったんだなと心から思いました。
そして先生から、左側の副甲状腺は ふたつとも取れたのか、一つだけだったのか、実ははっきりとは分からないと言われました。
上の副甲状腺が腫大して下に伸びていたのなら、 途中で癒着していた下の副甲状腺は 一緒に切除された可能性が高い。
逆に、もし下の副甲状腺が腫大していたのなら、 上の副甲状腺は まだ残っているはず。
腫瘍が大きすぎて境界が消えていたため、手術中でも判別が難しかったのだそうです。
でも先生は最後にこう言いました。
「あと二つ残っている副甲状腺がきちんと働いているので、心配はいりませんよ」
副甲状腺は全部で四つ。 そのうち一つ、あるいは二つを失っても、残りが正常なら体はちゃんとカルシウムを調整できる。 その言葉に、胸の奥の不安がすっと軽くなりました。
術後の血液検査では、
総カルシウム 9.0(正常)
補正カルシウム 9.2(正常)
副甲状腺ホルモンインタクト 71.4(正常範囲内)
すべてが 正常値に戻っていました。
リン(P)は今回測定されていませんでしたが、 カルシウムとPTHが正常なら、リンも大きく乱れていないと判断できます。
そして、検査項目に アルブミン(ALB)が入っているのはとても重要です。 カルシウムはアルブミンにくっついて運ばれるため、 アルブミンが低いと「総カルシウムが低く見えるだけ」ということが起きます。
アルブミンは 4.0と正常。 そのため補正カルシウムも正常に計算され、 「本当に体が落ち着いている」ことが確認できたわけです。
副甲状腺の手術後に起こりやすい 顔や手のしびれ(低カルシウム症)もなく、 体はしっかりバランスを取り戻していました。
その二日後、ドレーンも抜け、退院の運びとなりました。
今回の入院費は「後払いサービス」を利用していたため、 支払い手続きもなく、 「病室を出たらそのまま帰っていいですよ」 という、拍子抜けするほど簡単な退院でした。 らくちん、らくちん。
あとは抜糸のための外来予約が入りました。
家では、愛犬が私の不在で体調を崩したらしく、 早く帰って安心させてあげなくてはと思いながら病院を後にしました。
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