2004年08月05日
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カテゴリ: コラム
一般的には、1月2日を書初めの日としているが、この日を書初めの日とするよう
になったのは、古来宮中において「吉書始の式」がこの日行われ、若水で墨をす
り、芽出たい名歌名文を書いたのが起源とされている。江戸時代の寺小屋では正
月五日の講義開きの日に縁起が良いとされている詩歌の詞を清書する習わしがあ
ったという。その風習を今の学校教育にも取り入れているのか、小学生の冬休み
の宿題と言えば「書初め」である。

新しい年の初めに、普段とは違う大きな半紙にその年の目標などを書くというこ
とは、毛筆の上達を願うだけではなく大きな意味があると思う。心を落ち付けて、
大きく白い紙の上に、真っ黒な墨の付いた筆を走らせて行くことは、自分と向き

子ども達にとっては、「単なる冬休みの宿題」でしかなく。煩わしく面倒臭いもの
以外の何物でもないようで、なかなか手をつけようとはしない。

年が明け、短い冬休みの終わりが近づいていた。私は、連日外に遊びに出掛ける
息子に向って「書初めの宿題はイツやるの」と小言を言った。すると息子が、「じ
ゃあ、今日の午後にやるから場所を作ってよ」と言い残して出掛けて行った。書
初めをするには、最低でも畳一帖分ぐらいのスペースを用意する必要がある。し
かし、我家はマンション暮らしで殆どが洋間なので、なかなかそのスペースを確
保するのは難しかった。子ども部屋は、子ども達の勉強机やベッドで一杯だし、
私達の寝室もベッドがあって、書初めをするどころの騒ぎではない。リビングに
は、畳2帖ほどの床を確保出きるのだが、いくら周りに新聞紙を敷いたとしても、
そこで墨を使って書初めをさせることに、私は抵抗があった。


る、ダイニングテーブルもソファーも簡単に動かすことが出来なかった。昨年ま
ではどうしていたんだっけと思い返してみると、リビングにソファーが置いてい
なかったことに気がついた。たいした大きさのソファーではないのだが、あるの
とないのでは、差が大きかった。しかし、現状ではこのリビングの狭いスペース
に新聞紙を敷いて書かせるしかなかった。仕方がなく私は、出来るだけ場所を確

を作った。

昼食を食べに帰って来た息子は、私の顔を見るなり「家じゃ狭いから、書初めは
友達の家ですることになったから」と言った。話を聞いてみると、書初めをする
為の場所を確保するのに苦労していたのは我家だけではなかったらしい。いっし
ょに遊んでいた仲間の子が「どうしよう」と言い出したのを聞いて、遊びに伺っ
ていたお宅のお母さんが「じゃあ家でいっしょにやれば」と言ってくれたのだと
いう。たまたまそこのお宅には広めの和室があり、2~3人が書初めを出来るス
ペースがあったらしい。そこの子も、一人でやってもつまらないからいっしょに
やろうよと、息子も誘われたのだ。早速私は、先方のお母さんに電話をして、手
数をかけてしまうことに対しての礼を述べた。

確かに和室であれば、普段は居間として使っている部屋でも、食卓を端に寄せ座
布団も重ねてしまえば部屋を広く使うことが出来る。もちろんベッドと違い、布
団は朝になれば押入れにしまう。つまり、一つの部屋が食事をする部屋にも、寝
室にもなるわけである。息子を送り出してから、いつもより少しだけ広くなった
リビングの床に座って、和室という先人達の知恵が詰まった部屋の偉大さを実感
していた。
2004.1.21掲載





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最終更新日  2004年12月10日 09時44分43秒
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