2006年05月30日
XML
カテゴリ: エッセイ
蓮卯月さん
私も、ふと、母のことを思い出した。

私の母は、私が28歳の時に白血病で亡くなった。
余命3ヶ月といわれていたのに、入院してからわずか1カ月余りで
亡くなってしまったのだ。

当時娘は、まだ7ヶ月の乳飲み子だった。
初孫だった娘の誕生を、誰よりも喜んでいた母は、
仕事で、手首の腱鞘炎を患っていたにも関わらず、
会うたびにずっと娘を抱っこして歩き、


余りにも突然母が亡くなってしまった事実を
私はしばらく受け入れられずに過ごしていた。

母が亡くなった翌年、息子が生まれた。
子育てに追われて慌しく日々を過ごしていくうちに、
母が生きていてくれたら・・・、と思うことが何度もあり、
その度に「もう母はいないんだな~」と実感することで
母が亡くなったという事実を私は受け入れて行ったのかもしれない。

うちの子供たちは、上が娘で2歳離れて息子がいる。
ちょうど私にも2歳違いの弟がいるせいか、
子ども達が、少しずつ大きくなっていくにつれ
私が幼かった頃に出会った光景と、

重なる瞬間があることに気がついた。

そう、こうして私が子ども達と過ごしている時間は、
きっと母が、私と弟と一緒に過ごしてくれていた
時間なのだろうと思えて来たのだ。

母に確認することはできなくても、

きっと、そんな昔の思い出があって、
それが今の時間に重なりながら、私は時を重ねているんだろうと。

子どもがそれなりに成長して来ても、
やはり、母がいてくれたらよかったのに、、、と思うことは何度もあり、
逆に、「こんなとき母は、どうしていたんだろう」と
考えることもあった。


息子の中学の入学式を翌日に控えた晩のこと、
夢に母が現れた。
今まで何度も、母にすがるように問いかけていたときには
出てきたことは無かったのに、なんで?と思っていると
「リョウちゃん(息子の名)の制服のズボンにアイロンを掛けておいたからね」と
と母がそういった。
突然母が夢に出てきてくれたことが嬉しかったはずなのに、
あんなに、母に手助けをして欲しいと何度も願っていたはずなのに、
私は母に向かって
「そんなこと、もう私がやったから、余計な事をしなくてもいいから」
と言って、ハッとして目が覚めた。
(なんであんなこと言っちゃったんだろう・・・。)

入学式の朝、息子にその話をしたが、
息子は、聞いているのかいないのか?余り反応は無いまま・・・。
とりあえず無事に入学式を終えた。
そして翌日の朝、息子は着慣れない制服に腕を通して準備をしながら
私のところにやってきた。
「あのさ、昨日おばあちゃんがズボンにアイロン掛けてくれたって言ってたでしょ?」
「うん。てか、ママの夢の中だけどね」
「昨日、おばあちゃんが俺の夢の中に出てきたから。
俺がママの代わりにお礼を言っといたから」
「へ?だって、あなたおばあちゃんに会ったこと無いでしょ?」と私が言うと。
「写真見たことあるし、すぐにわかったよ」
「で・・・。おばあちゃんなんだって?」
「『どういたしまして。中学入学おめでとう』って言ってくれたよ」
息子はそれだけ言うと、バタバタと準備をして出かけてしまった。


私が、娘や息子達と過ごしている「今」と言う時間は
母が、私や弟と過ごしてきた時間なのだ。
そして、今もきっと、母はどこかで私たちと一緒に過ごしてくれているんだろうと
そんな風に思える出来事だった。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年05月30日 10時56分46秒 コメント(3) | コメントを書く
[エッセイ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

晴れママ

晴れママ

カレンダー

コメント新着

chevy1817 @ Re:美しき日本?美しき国会?なんじゃそりゃ!?(02/20) 議院は所属する政党に行動を制約されてし…
chevy1817 @ Re:毎週末、夫婦でデートが恒例行事に♪(01/28) たとえそれが日常品のショッピングでもい…
チャーリー@ Re:あけましておめでとうございます!(01/05) 今年もよろしくです。 すごく楽しそう…
chevy1817 @ Re:あけましておめでとうございます!(01/05) 初詣が新年早々のデートとなってよかった…
KOPPE1966 @ Re:あけましておめでとうございます!(01/05) 謹賀新年です。 私は、今年も(?)、初…

バックナンバー

2026年10月
2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: