2004/01/24
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高校が舞台の物語兼哲学入門書
物語形式で 哲学が語られ 無理なく読むことが出来る
主人公のミミとリリにいろいろなことが降りかかり
それに対して 倫理講師のテッコウが哲学を交えながら
示唆していく 

気に入った目次を拾うと
 * 春は自殺の季節なの?
 * 魂は永遠に生き続ける?

 * 「援交」のどこが罪なの?
 * 信じる者だけが救われる?
 * 思いやりがなぜ差別に?
 * 人を殺せばみな死刑?
 * 「至高の愛」はどんな愛?

など 

最初の授業でテッコウは「無知の知」について説明をする
「自分の無知を知る人は、その自覚があることで、知ったかぶり
 をする人より知恵のある者だと言える」という
そうだよなぁ 知りたいという欲求が無くなったら 
つまらないモノになってしまう


その中にラ・トメリの「人間機械論」について説明がある
「人間は 心とか魂だとかという言葉を使っているけど それらは
 肉体の一部である脳の働きに過ぎない」という
その他にも
「魂は、人間が自分という存在にむなしさを自覚したときに創造した概念だった」

前に何かの本で
「生命は海のようなもので 生きているというのは海に波が立つこととかわりはない
 生と死は波が立っているか 立っていないかの差でしかないんだよ」というのを
読んだことがある 


夏目漱石の生徒が自殺をした その時残したのが 「厳頭之感」という遺言だった

「悠々たる哉天壌。遼々たる哉今昔。五尺の小躯を以てこの大をはからむとす。
 ホレーショの哲学、竟に何らのオーソリチーを価するものぞ、
 万有の真相は唯一言にて悉くす。
 曰く「不可解」
 我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
 既に厳頭に立に及んで、胸中何らの不安あるなし。
 初めて知る、大いなる悲観は大いなる楽観に一致するを。」

青年らしい苦悩がにじみ出ている この詩に対してテッコウは
「万有の真相が不可解だと感じたなら、それを解明する努力をすればいい
 悩んで悩んで悩み抜けばいい 」と言う

また「人間とは何か」という本の中で
「人間の果す義務なんてのは、要するにただ一つだけ--- 
 己の心の満足を求めると言うこと、そして自分もいい気持になるという
 ただそれだけだな」という

後半部分では 死刑についてのディスカッションを行い
なぜ人を殺してはいけないのか について書いてある
そのなかで《社会的掟》と《個人的掟》についてわかりやすく説明がある

「個人の自由や個性、つまり自我が尊重されるべきだから 人を殺したければ
 殺してもよい。 人間はみな自由であり個性は最大限に尊重される。
 そう言う場合の自我は、いわば《個人的自我》と命名すべきだ。
 対して、個人の集りによって構成された社会においては、個人間の平等と
 社会全体の利益、安全、平和などが求められる。構成メンバーは全員、
 それを約束しなければならない。これが《社会契約》だ。」と言う

全体は個に優先する

「《個人的自我》、その人の《社会的自我》が同時に確立し、
 正しく機能していてこそ保証されるものだ。
 だから《社会的自我》が欠けている者に《個人的自我》を主張する
 権利はない。」

うーん なるほどなぁ と思う
高校生などが 誰にも迷惑をかけていないんだから何をやっても自由だ
とたまにのまたっているけど 《個人的自我》を主張する前に
《社会的掟》まぁルールを守らなければ 言う権利はない
ということだろうな 親に食べさせてもらっている身では自立してるとは
言えないし じゃぁ 親や先生の言うことを聞いていればいいのかと言うと
そこに差別が生じているから うまくいかない
親が勉強する姿を見せていないのに 勉強しろ といっても説得力がない

何かの本で 高校生が「早く自由になりたいです」と言う質問に対して
「じゃぁ 明日から勉強しなくてもいい ピアスも開けていい
 全部自由をあげるから 自分1人で生きて行きなさい」という返答があった
「自由とはそれと同時に自分に対して責任を持つ ということ」と言う

《社会的掟》に話を戻すと社会のルールに縛られたくないとか他人と一緒にいたくない
と言うのであれば この前窃盗で捕まった人のように 山の中で1人で暮すしかない
全部自由 なにをやっても怒られない いつ寝てもいつ起きてもいい
でも 彼のことをうらやましいと思うだろうか? 

その《社会的掟》と《個人的掟》のバランスを取るこことが自分を確立し
社会に生きていくと言うことなんじゃないかなぁ と思う
宮沢賢治は「他人の幸無く 自分の幸せはない」と言っている
自分の好きな言葉なんだけど 本当にそう思う

現代はその《社会的掟》というものが忘れ去られ 《個人的自我》ばかり
主張される それは裕福な生活に大切なものを忘れているからではないか

最後に この本の一番好きなフレーズを

「知恵に磨きをかけるには 自分と異なる立場の考えに接して
 自分に揺さぶりをかけること」




哲学は思考するもの だからどのように生きればよいのか
というものはないんだよなぁ というのも実感・・・





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Last updated  2004/01/29 04:11:29 PM コメントを書く


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