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2006.09.24
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9月も終わりに近づき、日本では秋の気配が深まっているようですね。

友だちや家族からそんな様子を伝えるメールをもらうたびに、日本の

秋が恋しくなります。透きとおった空気、からりと晴れた青空、どこか

哀愁を帯びた日差し、色づき始める木の葉たち、そして、きのこやら栗

やらさんまやらの食べ物(!)。


私が住んでいるのは、赤道直下の常夏の国。雨季と乾季はあるものの、

四季の変化とは無縁の世界です。毎日、ほぼ同じ時間に日が昇って沈み、

いつ見ても同じ木たちが同じように茂り、同じ花が咲き、市場には同じ

野菜や果物が並んでいる。四季がある国に生まれ育った私には、ちょっ




昔から、私は四季の移り変わりに思い入れがありました。少しずつ日が

長くなって、甘い水気を含んだ空気の中で花たちがつぼみをふくらませて

ゆく春。明るい木漏れ日にゆれる新緑がまぶしい初夏。だんだんと日差し

が強くなって、木々の緑が濃さを増していって、梅雨が明けると、照りつ

ける太陽の下で、すべての生物が命を謳歌しているかのような夏。少しず

つ日が短くなって、寂しさとともに、終わりつつあるものが最後に見せる

輝きの美しさを感じさせる秋。葉が落ちた木々の間を吹き抜けるからりと

した冷たい風が、どこかすがすがしい冬。


決してとどまることなく、移ろってゆくときどきをいとおしみながら、生命

がめぐることの神秘のようなものを感じていたのだと思います。


一方、私の夫は、四季のない国にしか住んだことがありません。以前、その



力を話し始めたところ、なんと、彼はこう言うではありませんか。

「僕は、いつも季節や周りの風景が移り変わっていくという感覚は、あんま

り好きじゃない。それよりも、いつも同じものがそこにあるという安定感が

あるほうが好きだ。」


こんな考え方をする人がいるとは……。やっぱり、育つところが違うと、



は、その時の私には、まったくピンと来なかったのです。


昨日、久しぶりに夕方、家のテラスでひとときを過ごしました。大きな赤い

太陽がゆっくりと傾いていくのを見ながら、ふっと思いました。明日もまた、

同じように日が昇って、沈んでいくんだ。そして、そう思うことで、なんと

いうことはなしに、ゆったりとした気持ちになったのでした。もしかしたら、

これが、夫の言う「安定感」なのかもしれない、と思いました。明日もまた、

同じように一日がやってくることが確信できる。朝になれば、同じ鳥たちの

鳴き声が聞こえて、同じ木々や花たちが迎えてくれる。それもまた、綿々と

続いていく生命のあらわれのように感じられました。


自然の、宇宙の生命が絶えず移ろっていくこと。そして、移ろいながらも、

めぐり、続いていくこと。その二つが感じられるのも、いろいろな国に暮らす

ことの「特権」なのかもしれませんね。





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Last updated  2006.09.25 03:03:35
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