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駅馬車作カノンSS
季節は秋から冬に移り変わろうとしていた。
日に日に景色が冬に近づいていき時折吹く風の冷たさも冬の風と変わらない。
祐一はマフラーを鼻の上まで引き上げ手をコートのポケットに入れても冷たい風で思わず体を丸めてしまう。
空を見上げると曇っていて今にでも雪が降ってきそうな空の色をしている。
「遅い」
と一言呟くとおもぐろに時計を見た時計の針は11時半を指している11時に待ち合わせをしたはずなのだがまだ来ない。
流石にこの寒空の下を30分以上も待たされれば誰でも嫌になってくる。
祐一は時計を確認すると後10分待つと自分に言い聞かせるようにため息をついた。
その後、祐一は何度となくため息をついた。
ため息を何回ついたか自分でもわからなくなった時、遠くから白い息を吐きながら走ってくる少女が見えた。
その少女が祐一の前に立ち止まる呼吸を整え一言
「遅れてごめん…」
と言い終えるとまた呼吸を整えるように深呼吸を始めた。
その様子を見ていた祐一は
「そんなに急いでこなくてもよかったんだぞ」
自分が30分以上待たされた事を忘れて事を忘れて少女の事気遣った。
「寝坊しちゃったし、商店街に寄り道しちゃったから」
祐一は商店街という言葉が気になったこの少女が商店街に寄る理由が一つしかないからだ。
「商店街に寄ったって事はお前、正直に言えば怒らないから言ってみろ」
「えっ、いや僕はただいつもの癖で商店街に寄っちゃっただけなんだけど…」
「あゆ、口の周りにあんこが付いてるぞ」
祐一の言葉にいつも背中にしょっているリュックからティッシュを取り出し慌てて口の周りを拭くその行動に思わず笑ってしまう祐一。
「あゆ、今のは嘘だ」
その言葉にあゆの動きが止まり手に持っていたティッシュを確認するとすぐにゴミ箱に捨てに行く。
そしてまた祐一の前に立ち止まると
「怒ってる…?」
祐一の顔を覗き込み言う。
祐一が顔を上げるとあゆは笑ってごまかせと言った様子で笑っていた。
「お前、普通待ち合わせに遅れてまでたい焼き食うか?」
ため息をつきあきれながらあゆの顔を見る。
「だって、出来立てだったし、お腹すいてたし、見てたら食べたくなっちゃって」
その言葉を言い終えるとあゆは押し黙ってしまった。
「あゆ、何を気にしてるんだよ、ただ、たい焼き食べてきて遅れてきただけだろ別に気にしなくていいぞ」
「だけど祐一君にひどい事しちゃったし、風邪引いちゃったら僕のせいだし…」
あゆはまた押し黙ってしまった祐一は一回ため息をつくと
「今日はずっと俺に付き合え」
あゆは少し驚いたように顔を上げたあゆの顔を見た祐一は
「俺に悪いと思ってるなら今日は俺に付き合え」
「でも…」
祐一はまた一回ため息をつくと
「実は俺、凄い傷ついてるんだよなぁ」
祐一は急にさっきとは全く逆の言葉を言い出した。
それは、あゆをわざと困らしているようにも見える。
困るあゆを横目に見ながら独り言のように話して行く祐一。
あゆは祐一が全てを言い終えるまでの間それを黙って聞いていた。
あゆは目に涙を浮かべながら祐一の顔を見た。
「僕はどうしたらいいの…」
泣きそうになりながらも祐一に助けを求めた。
「だから、さっきから言ってるだろ今日は俺に一日付き合うだけでいいんだよ」
「本当にそれだけでいいの?」
「それだけいいんだ」
そう言うと祐一はあゆの手を掴んで歩き出した。
「えっ、ちょっと、祐一君?」
祐一はあゆの言葉に歩みを止める。
「なんだ?今後に及んでまだ納得してないのか?」
「そうじゃないよ、これからどこにいくの?」
あゆの疑問は当然といえば当然である。
あゆの質問に対して
「それは秘密だ」
と一言で終わらせる。
あゆはため息をつき祐一に手を引っ張られるままに歩いた。
歩いて着いた所はいつもの商店街だった。
「あゆ着いたぞ」
あゆは祐一の言葉に反応できなかった。
あゆが予想していた場所とは大きく掛け離れていて、さらに着いた場所が商店街といういつも来ている場所だったからである。
「祐一君?」
「なんだ?」
「…」
「なんかあるのか?言いたい事があるなら言ったほうがいいぞ」
祐一はいつもの祐一で商店街に来たことにはなんにも感じていないようだった。
「ねぇ、祐一君、最初からここに来るつもりだったの?」
「そうだけど、何か不満か?」
「僕はてっきり遊園地か映画館にでも連れて行ってくれるんだと思ってたよ」
あゆの声は少し沈んでいた。
「俺もそう考えてたんだけどなにしろ金が足りなくて」
祐一はポケットから財布を取り出すとあゆに見せた。
しかし、あゆにとってそれは大金にしか見えなかった。
祐一が財布をポケットに戻そうとした時、自分の腕に誰かが掴まる様な感触があり腕を見るとあゆが掴まっていた。
「お前、何してるんだ?」
「えっ、別になんでもないよ」
あゆはすぐに腕を放し祐一の隣りに戻った。
「安心しろお前に何か食わせてやる金と少し遊ぶくらいの金ならあるから」
ほっ、とあゆは肩を撫で下ろす様に胸に手を当て大きく息を吐いた。
「変な心配するな、お前はのほほんとしてればいいんだよ」
うんっ。
と言葉には出さないまでも首を大きく縦に振った。
祐一もあゆが納得したのを確認するとあゆの手を握るとあゆも祐一の手を握り返した。
「それでどこに行くの?」
「とりあえず何か食うか」
「僕さっきたい焼きを食べたばかりなんだ…」
あゆが全てを言い終える前に祐一の腹の虫がサイレンを鳴らした。
「祐一君…?」
いきなりの事にあゆは笑ってしまった。
「笑うな」
顔を赤らめながら少し強い口調で言う祐一。
「うぐぅ、怒ることないじゃない」
「怒ってない。それに俺は朝から何も食ってないんだ腹が鳴るのはしょうがないんだ」
「ちょっと待ってよー」
早足になる祐一必死に着いて行くあゆ。
途中で先程の事について聞いてくるあゆのことを無視しながら喫茶店『百花屋』に向かった。
『百花屋』に着くと祐一はランチセットを頼みあゆはイチゴサンデーを頼んだ。
「どうしたの?」
さっきから自分の顔を不思議そうに見てる祐一に話し掛ける。
「いや、別になんでもないんだけど…」
何事もなかったかのように水を飲む祐一。
「なにか俺の顔についてるのか?」
今度は逆に祐一の顔を見るあゆに話し掛ける祐一。
「言いたい事があるならはっきり言ってくれないと気になるじゃないか」
そう言ったあゆの口調は少しすねているようだった。
その時、誰かが店の中に入ってくるのが見えた。
「なあ、今、店に入ってきた客どっかで見たことないか?」
「話しをそらさないでよ」
「いいから見てみろよ。こっちに来るぞ」
あゆと祐一は反射的に体を丸めて隠れてしまう。
しかし、その二人の客は二人が座っている席の隣りにきていた。
「相沢、お前なにやってるんだ?」
「あゆちゃんも何やってるの?」
誰が見てもおかしな事をしている二人が声のする方向に顔を向けると名雪と北川という意外な二人であった。
「お前ら何でこんな所にいるんだ?」
「お前は何でそんな怪しい行動をしてるんだ?」
北川の鋭い指摘に何も言い返せなくなる祐一。
「別にいいだろ。それより珍しいなお前らが遊んでるなんて」
「まあな、それよりちょうどいいタイミングで会ったな」
「おごらないぞ」
「誰もそんなこと言ってないだろ」
その様子を見ていた名雪が祐一に
「祐一、北川君の話し聞いてあげてね。私はあゆちゃんと一緒にイチゴサンデー食べてるから」
「そういう事だ」
北川は祐一を店の外に連れ出し祐一に淡々と話し始めた。
「なあ相沢、お前、あゆちゃんの事好きか?」
「なにをいまさら」
「そう言うと思ったよ。じゃあ、俺の事は?」
祐一は思考回路が一瞬固まった。
「俺はそんな趣味はないぞ」
「何を勘違いしてるんだよ、友達としてに決まってるだろ」
「そういう事か…。お前は変なやつだがいい奴だと思うぞ」
「じゃあ、あゆちゃんが好きな気持ちと俺の事を友達として好きな気持ちは同じか?」
北川の質問にでかけていた言葉が喉につまる。
深く考えた事をないことをいきなり面と向かってそんな事を言われてもすぐに答えが出てくる訳がない。
「急に変なことを言って悪かったなあゆちゃんが中で待ってる戻ろうか」
祐一の背中をポンと軽く叩くと北川は店に戻ろうとする。
「待てよ」
祐一は北川を呼び止めそして近寄って行く。
「北川、やっぱりお前は変な奴だがいい奴だな」
「それはお互い様だろ。ちゃんと言ってあげろよ」
二人は店の中に入っていった。
「遅かったね。もう食べ終わっちゃうよ」
店の中に戻ると名雪とあゆは頼んだイチゴサンデーを食べ終わろうとしていた。
席に座った祐一は何も話さずに頼んだランチセットをなるべく早く食べ終えようと食べ続けた。
「祐一君、ゆっくり食べたほうがいいんじゃない?」
祐一の食べるペースの速さに驚き祐一を心配するあゆ。
「安心しろ、いつものペースだ」
最後に祐一がコーヒーを飲み終わるとすぐに立ち上がると先にあゆを外に向かわせた。
「ふぁいとっ、だよ」
いつも聞きなれている名雪の言葉だったが今の祐一には一番の薬だった。
祐一とあゆは商店街を後にすると今日待ち合わせをした公園に来ていた。
祐一は大きく息を吐いた。
「あゆ俺の事好きか?」
祐一は北川と同じ質問をあゆにしてみた。
「うんっ!」
あゆは大きく首を縦に振る。
返答は自分が北川にしたものと同じだった。
祐一はさらに北川と同じ質問をあゆにする。
「名雪は好きか?」
また大きく首を縦に振る。
さらに言葉を続ける祐一。
「その名雪を好きな気持ちと俺のことを好きな気持ちは同じか?」
あゆの顔が困惑しているのは誰が見てもわかるだろう。
公園に沈黙が流れ祐一の耳には風の音が鮮明に聞こえていた。
時計は4時指していた夕方になり急に風が冷たくなりだし本当に冬が近い事を体に教えてくれる。
「なあ、寒くなってきたからもう帰るか…」
あゆに近づき背中を軽く叩く。
あゆの手を握り歩き始めた時。
「違うよ」
あゆが泣きそうな声で話し始めた。
「二人とも好きだけど何か違うよ…」
「もういいよ」
あゆの体が暖かいものに包まれたそれはとても安心する暖かさだった。
「あゆ、悪かったな」
祐一の体の中であゆは首を横に振った。
「でも、次に会った時の僕はいつもの僕じゃないかもしれないよ」
「どうしてだ?」
「気付いちゃったから…。本当に祐一君が好きだってことに気付いちゃったから…」
祐一はあゆをきつく抱きしめた。
「俺は今のあゆも好きだしきっと変わったあゆも好きになる。絶対に」
祐一に頬に冷たいものが当たった空を見ると雪が降ってきていた。
「あゆ、雪だぞ」
祐一の腕の間から顔を出し空を見上げるあゆ。
二人は見つめ合うとまた抱きしめあった。
ずっと言えなかった。
心に思っていたあの言葉…。
あの時思っていた言葉を伝えきれてはいないけど君を想う気持ち今も変わらずに…。
完
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