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2008年03月29日
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カテゴリ: 書籍


く耳にするのが、「日本は官権政治が行われているので民権政治にしなければならない。そのためには民間起用が必要。会社経営の発想のできる人が政治をしなければならない」あるいは「選挙で選ばれた政治家が主導する政治こそ民のための政治だ」という。

とにかく官僚を叩けば、いっぱしの政治批評が出来ていると自己満足している人が多いが、この見方はどうだろうと思う。もちろん官僚政治を促進すべきと言っているのではないが、この見方には大きな見誤りがある。

社会サイクル論にしたがえば、軍人・武人の政治→知識人・教育者・宗教家の政治→経済人・産業・投資家の政治そしてまた武人の政治ということを繰り返している。

官僚の政治とは、知識人時代の政治にあてはまる。現代はその時代にない。

前回の知識人時代は吉田茂内閣から佐藤栄作内閣の時代を言う。それ以前の知識人時代は、貴族院や官僚が支配しており次第に衆議院に権力が映っていた時代。さらにその前は寺子屋と朱子学が普及した田沼時代・松平定信時代である。



官僚など知識人が支配している時代というのは、きわめて世の中が安定している。軍事力にも経済力にも左右されないからだ。したがって、前例踏襲主義で生きる官僚や学者というものは、この時代に彼らのパワーを開花させるのである。

ところが、前例のない場合、革命的なことについての発想に鈍い。だから世の中が不安定期になると、彼らの対応能力は何の役にも立たなくなるのだ。

官僚支配時代はお金には左右されない。しかし現代は、経済人時代であるから、官僚の中でもとくに大蔵省、今の財務省が力を持っているのである。



もちろん官僚だけにあらず、自民党もこの大企業の支配を受ける。知識人としてのメンタリティを持つ政党であっても、自民党総裁の総理大臣は、大企業や大資本において左右されるのである。

かつては手配師の仕事として非合法であった派遣労働事業が合法化されたり、米国の圧力に屈して郵政民営化ほかありとあらゆる規制緩和がなされているのは知識人たる官僚の力でもなく、自民党の力でもなく、守銭奴の力である。

なぜならば、彼ら政治家は選挙をくぐりぬけねばならない。民主的であるとか、民権政治であるとかの条件というのは、こうした選挙というシステムのハードルを越えた人々によって構成されている。その莫大なる選挙資金のためには、守銭奴に従わねばならない。

したがって、二大政党であるとか、民間起用であるとか、このようなものは実は民主主義に則ったやり方なのではなく、資本主義に則ったやり方なのである。選挙というシステムほど、知識人時代にほど遠く、経済人の言いなりになれる制度はないのだ。

それが証拠に、官僚と貴族院支配を打破し、選挙によって選ばれた政党政治家による、戦前の二大政党政治は、三井・三菱に支配されていた事実をみれば明らかだ。

だから庶民の民意など反映されない。庶民は、財閥の作り出すモノを売り買いして生き、財閥の命ずる政党が政治権力を治めたのである。

だから世間が言う「民主主義」とか「官僚政治の打破」とかいうのは、守銭奴の論理に載せられた、まことに愚かな手法なのである。

政党も官僚もすべて、経団連なり大資本家なり、お金の力に動かされているのである。

官僚が支配している時代であるのならば、お金に支配されることはない。彼ら官僚や政党政治家のメンタリティとは、民主主義を実現することであり、武力よりも話し合いを重んじ、お金の力よりも公平性を重んじるからである。

官僚にそのメンタリティを崩させる要因は、お金こそが最強という時代において、彼らは崩れる。だから現代日本は、官僚支配なのではなくて、官僚が資本の力に支配されている時代なのである。

「今までの利権政治を打破し、民間の経営能力を活用した自治体改革」などを掲げ、実行している知事や市長は実に多いが、彼らの内容は、結局のところ守銭奴支配であることに変わりはないのだ。



真の改革方法は「富の自由競争」でもなければ「富の再分配」にもないからである。

これまでこの二つのどちらかを選ぶというのが、通常の政治選択肢であったが、自然主義経済によって新たな第三の方法が生み出された。

http://heiwatou.web.fc2.com






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最終更新日  2008年03月29日 22時49分12秒 コメントを書く


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