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2019.03.18
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1444 ヴィジット


※オモテ面

【スタッフ】
・監督・脚本・製作 M.ナイト・シャマラン
・製  作  ジェイソン・ブラム
       マーク・ビエンストック
・製作総指揮 スティーヴン・シュナイダー
       アシュウィン・ラジャン

【キャスト】
・ベッカ(姉):オリビア・デヨング(清水理沙)
・タイラー(弟):エド・オクセンボールド(河杉貴志)
・ママ:キャスリン・ハーン(久行敬子)

・祖父:ピーター・マクロビー(側見民雄)


※ウラ面

【仕  様】
・型  番  GNBR-3548
・製作年度  2015年
・製 作 国  アメリカ
・原  題  THE VISIT
・発 売 元  NBCユニバーサル・エンターテイメント
・販 売 元  ----
・提  供  ----
・発売協力  ----
・価  格  ----

・吹替翻訳  千葉真美
・吹替監修  ----
・吹替演出  ----
・日本公開  ----
・リリース  2016.04.08.

・サ イ ズ  16: 9 LB ビスタサイズ
・音  声  1.英 語 (5.1chサラウンド)
       2.日本語 (5.1chサラウンド)
・字  幕  1.英語字幕
       2.日本語字幕
・そ の 他  片面 2層、COLOR、MPEG-2、
       DOLBY DIGITAL、2 NTSC 日本市場向、
       DVD VIDEO、RENTAL ONLY
・映像特典  『12モンキーズ』第1話「世界の運命を
       握る男」(日本語吹替版)


※ディスク

【ジャケット】
・オモテ面:1 第一の約束 楽しい時間を過ごすこと
      2 第二の約束 好きなものは遠慮なく
              食べること
      3 第三の約束 夜9時半以降は部屋から
              絶対に出ないこと
        『シックス・センス』『サイン』
        M.ナイト・シャマラン監督
        待望のスリラー最新作
・ウラ面 :『シックス・センス』『サイン』
      M.ナイト・シャマラン史上最高の
      「謎」と「恐怖」が迫る待望の最新作!

『シックス・センス』のポスターも、縦に5つの感覚が列記されていた。『ヴィレッジ』でも、村の掟がタテに並んでいた。本作品も、《3つの約束》が、ジャケットのオモテ面に並んでいる。
けれど、これは、売り込みたい企業の意気込みが独り歩きした過剰な宣伝文句で、本編中に子供たちが祖父母から約束させられる場面は、ない。完全にイメージ戦略だ。それだけ、本作品は、自信を持って売っていたのかも知れない。
でも、ジャケットそのものは、大きな痩せた木の影と老夫婦のシルエット、それを窓から見る子供たち、物語の構図を表現した良いデザインだと思う。
ウラ面も可愛らしいテクスチャを用いながら、配置された本編画像は、顔を歪めたベッカとか、緊張感のあるシーンが選択されている。このギャップは、本編中でもベッカが言っていた「静かなシーンに明るいミュージカルナンバーを流すの」というヤツと同じだ。うーん、なかなか良いジャケットだ。

【感  想】
「シャマラン版『ヘンゼルとグレーテル』」

かなり早い段階でオチが読めてしまうのは難点だが、随所に散りばめられた伏線やヒント、隠喩が知的な好奇心を刺激して心地よい。さすがIT大国インド出身の監督さんだ。(笑)

――15歳のベッカと13歳のタイラーは、初めて会う祖父母と1週間過ごすことになる。
ベッカは、この機会にドキュメンタリーを撮ろうと決意する。駆け落ちしたまま一度も実家に帰っていない母親のために、祖父母から当時の様子を聞き出したいと思っていた。
列車に乗って2人だけで遣って来た孫を、老夫婦は優しく迎え入れてくれた。初めて見る母親が育った家。話しに聞いていたブランコや時計、母親の部屋。ベッカは、素晴らしい休暇が過ごせると、期待に胸をふくらませた。
けれど、次第に祖父母の様子におかしなところが見え始め、2人を取り巻く状況が変わって行く。
……というお話し。

ラップが韻を踏むように、本作品は、あちらこちらで映像やセリフで韻を踏む。遊び心に溢れている。そういう意味では、スリラーと言うよりも、ミュージカルか音楽映画、或いはコメディの方が近いかも知れない。

クライマックスで冷蔵庫のドアで何度も頭を潰す場面があるが、これは『リーサル・ウェポン2/炎の約束』へのオマージュ。エンドロールに流れるタイラーのラップにも「最終兵器のメル・ギブソン」と出て来る。キャストがオージーだからだろうか。

物語の序盤で「昔、芝居をやっていたんだ」と言う男が2人出て来る。これが、隠喩になっている。医師が諳じたセリフは、シェークスピアの『マクベス』の有名な一節。妻に言いくるめられてマクベスは王を殺すわけだからネタバレだ。早い段階で秘かに真相をバラすのは、シャマラン監督のいつもの手口だが、面白い。(車掌さんのセリフは、出典が分からなかった)

祖母がやたらとお菓子を焼いて食べさせるのは、グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』をベースにしているからで、ベッカがオーブンの中を掃除させられる場面が2度も出て来ることからも明らかだろう。
それにしても、中学生が一人、まるまる入ることが出来るオーブンなんて、羨ましい。(笑)

主人公のベッカとタイラーは、父親に捨てられたことで傷ついている。タイラーは極度の潔癖症で、ベッカは鏡を見ることが出来ないほど強迫観念にとらわれている。祖父母の奇行や異常な物言いは、確かに恐ろしく描かれているが、果たして、ベッカとタイラーは正常と言えるのか? 映像を編集しているベッカが、「ここで母の好きなミュージカルナンバーを流すの。静かな場面に明るい曲。皮肉な選曲よね」と説明する。そう、まさに皮肉な作品だ。
ひとは、程度の差こそあれ、何かに傷つき、心を病んでいる。エンドロールではトラウマを克服した子供たちの姿が描かれるが、老いて心の病に沈んだ老人たちに救いはないのか? 何やら物悲しくもある。

母親は既に両親から許されていた皮肉。ベッカが、それを求めて祖父母を訪ねる必要がなかったと解った時、母親はベッカに「お願いだから、恨む心は忘れて」と抱き締める。恨みであれ嫉妬であれ、心の病は相手への執着から始まる。「諦めるのが早いの」と娘から言われていた母親の処世術こそが、最も健全な生き方なのかも知れない。

さまざまな寓意に彩られた本作品は、宣伝されているようなスリラーでは決してない。人生訓を内包した良質なオフビートのコメディだ。「悲劇こそ喜劇である」ことを証明するような作品だった。

オススメ!





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Last updated  2019.03.18 05:30:07
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