変人555☆答えは自分の中にある☆

2004年04月18日
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テーマ: 小説日記(233)
カテゴリ: 小説家になりたい
「ごはん、たべた?」

「・・・食べたよ。」

「がっこうは?」

「・・・今日はお休み。」



虚ろな眼をした母が、そうボクに聞く。

毎日、毎日、同じ事を聞く。

そして、ボクは、毎日同じことを答える。







窓の外は、すっかり木々の緑が明るくなって、光がまぶしい季節になっている。

時折、吹く風が、草の匂いとあたたかい空気を運んで来る。







「おとうさんは?」

「・・・もうすぐ来るよ。」

「そう。ごはん、たべたかしら?」

「・・・大丈夫、心配しなくても、ちゃんとやっているから。」





時間がゆっくりと流れていく。

まるで永遠に続く午後のようだ・・・





「ご気分は、いかがですか?」

先生が現れた。



「あっ、こんにちは。きょうは、いいおてんきですね。みなさん、おげんきですか。」

「はい、ありがとうございます。みんな元気です。」



先生を見ると母は嬉しそうだ。





「あしたは、うちにかえりますね。おせんたくもしなくちゃいけないし、ごはんをつくらなきゃいけないし・・・そうそう、ぞうきんを縫わないといけなかったわ。」

「そうですね。明日ですね。」

「おそうじもしなきゃいけないし、にわのきにもみずをやらなきゃいけないし、ごはんをつくらなきゃいけないわ。」

「・・・そうそう、ぞうきんを縫わないといけなかったわ。」



先生がボクに目配せして立ち上がった。





廊下に出ると、ひんやりとした空気が流れている。



「お気の毒ですが、もうこれ以上ここにはいられませんので、どこか別のところへ移って頂きます。」

「・・・どうにもならないんですか!」

「・・・・・・」

「どうして?どうして、母なんですか!他の誰でもいいんじゃないですか?
どうして・・・ですか?・・・なぜ・・・なんですか?」

「・・・お気の毒です・・・」







どうして、こんなことになったのか?

その答えはボクには分からない。

ただここに、不条理な現実があるだけだ。







「ごはん、たべた?」

「・・・食べたよ、おかあさん。」














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Last updated  2004年08月18日 01時16分39秒
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