Live & Die for HIPHOP

Hiphop state of mind


私は中学生のときにHIPHOPに出会った。確かあの頃はNellyのCountry Grammerがリアルタイムだったな。それをきっかけに、どんどんいろんなものに手を出すようになって、中学の卒業研究を「人種差別とブラックミュージックの関係性」にした。ご存知のとおり、現在アメリカの人口のうち13%を占めるアフリカンアメリカンは、多くは移民も含むが、むかしアフリカから連れてこられた奴隷たちだった。今でもNYCのHARLEMには、その時代の直視できないような写真が125丁目のメインストリートに飾られている。私がそれを調べていくうちに、感じたものは同情だったのかもしれないし、自分に無いものをもっている彼らに対する憧れだったのかもしれない。
だけど、私は日本で明日食べるものにも困らない、友達が銃で撃たれて殺されるなんてことはありえない、いたって安全で平凡で標準の家庭で育ち、教育を受けたから、自分の中の何がこのHIPHOPという文化に共鳴したのかはわからない。だけどそれは、彼らの強さだったように私は思う。
知らない土地で、肉体労働を強いられ、虐待、非人間的な扱い、肌の色ということだけでの差別、遠い遠い昔、いくつもの困難を乗り越えて最後まで自由になることなく死んでいった人々の祖先が今、皮肉なことだがアメリカという国に根を下ろし、独自の文化を作り上げている。
だけど、かくしてもHIPHOPは常に正義をうたうわけではない。悲しいことだけど、歌詞の内容はドラッグ・暴力・女・金、自分がどれだけ強くて稼いでるかを誇示する言葉であふれている。だけど、それでもそれぞれのアーティストのいろんな曲を通して聞いてみると、彼らはたびたび教育の大切さ、家族の大切さ、そして「ドラッグなんかやっちゃだめだ、本当に将来輝くものは、ストリートで稼いだ金で買ったそのネックレスじゃなくて、自分が受けた教育なんだ。それが一生身につけられる宝石だ。学校にって勉強しろよ」というメッセージを伝えていることが多い。
もちろんそこには矛盾が生じるだろう。確かに、金やドラッグのことをなるふりかまわずラップしまくる彼らに、こんなことは言えないのかもしれない。だけど私は彼らが本当に伝えたいことは、後者にあると思う。結局どれほど稼いでどれほどいいものを持っていても、そして自分がどれだけ暴力的だって誇示しても、最後まで悪者にはなれないのだろう。そこに彼らの人間くささがある。
私は基本的にはHIPHOPはかっこいいものだと思うし、そういう論理だけで音楽を聴くのは好きではない。私だって歌詞の内容のひどいParty Tuneを聴いたりだってする。だけどHIPHOPにだけは生涯情熱をささげていくつもりなので、たくさんの時間をかけて過去も現在も未来も見たいと思う。

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