2004/08/15
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中学生の頃、バスケットボール部に所属し、かなり厳しい練習をこなしていた。夏休みも休むことなく活動し、二時間中動き続け水も飲むことは許されなかった。体育館の使用時間が切れると炎天下の中10kのロードワークが待っている。夜練もある。まさしく地獄の部活動だったが弱小チームということもあり止める事は許されなかった。


うちの中学校では先輩・後輩の取り決めが厳しく、生徒手帳にすら「先輩に会ったら会釈する事」と書かれているくらい先輩は絶対的な存在で、一年は二年・三年にボコられて初めてその学校の一員となる。もちろん恨みつらみは十年以上たっても腐るほどあって、ここで吐き出せば少しは楽に……ならねぇ。ならないね。そのくらい酷い慣習があった。


バスケ部もしかり。上下関係は厳しかった。傷をなめ合う同学年のチームメイトは常に何かしらのトラブルを抱え、青春特有の派閥があり不穏な空気が渦巻いている。コーチにすらその空気は伝わり「何とか纏めろ」とのお達しを受けたが、チームとコーチの板ばさみになり苦しむ始末。苦しかった。その時に手を差し出してくれたのがH先輩。頑丈な先輩・後輩の壁を破って助けてくれた。


H先輩は容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群、その上常に他人を気遣う優しさで男女ともに人気があった。いつもニコニコ微笑んでいて、聖人君子、という言葉を使うのは何とも嫌だけれども、それでもやっぱり聖人君子だ。


この先長い人生がある予定だけど、このような素晴らしい人には出会わないだろう。何も私が苦しかった時に助けてくれたからではない。たくさん人がH先輩の伝説を語る。こういう各それぞれ勝手な「期待」に文句一つ言わずに応えてくれた。H先輩はどんな気持ちだっただろう。今は聞く術もない。今頃は提灯の淡い光に誘われて下界に降りて来てるはず。H先輩方向音痴だったからなぁ。その辺の空中で迷子になって私のところまで来てくんないかな。あの時泣き崩れて言えなかった「ありがとう」を言わせて欲しい。






携帯が鳴ったのでびっくりして振り向いたら携帯が鳴っていたので出てみたら、結婚した友人からの相談だった。

「なになに、もう上手く行ってないのか。エゲゲゲ。」とかほくそえんでいたら微妙にノロケだった。

え:ちょっとさー聞いてよー。

チ:何スか。

え:うちの旦那ったらさ、結婚する前とした後じゃあもう別人格なの!

チ:んだの?(ハナクソむしりながら。どうでもいい。)

え:そうなんっ!! 昔はさー、結構理解があってさー云々かんぬん稲川云々かんぬん。

チ:んっ?! 稲川…?! ごめん、も一回ゆって。

え:ほら、稲川淳二よ。

チ:ん…はぁ…?!

え:だーかーらー、稲川淳二。毎年夏にトークライブすんじゃんっ!
  今年に限って旦那が行かせてくれねーんだよっ!

チ:(知らんがなっ) ブチッ。ツーツーツー。







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Last updated  2004/08/15 11:41:02 PM
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