ヒジャイ        日々の詩

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2020/06/28
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日本共産党・北朝鮮・中国の今を考えるⅠ

 沖縄と韓国の問題で批判する対象は左翼である。左翼のバックには日本共産党が存在しているというのは私の見解である。そのことを説明しようとするがうまくいかない。難しい。難しいがなんとしても左翼、共産党批判をする理由を知ってほしいという気持ちは強い。
 うまく説明できないので悩んでいる内に急がば回れの心境になった。

 左翼、共産党の問題の元はロシア革命にある。ロシア革命をきっかけに日本共産党が誕生し、次々と社会主義国家が誕生した。戦後に中国、北朝鮮が誕生した。社会主義国家は拡大していったが1991年にソ連は崩壊し、ソ連圏の社会主義国家は次々と議会制民主主義国家になった。
中国と北朝鮮は社会主義国家を持続している。日本では社会党は崩壊したが、日本共産党は存続している。複雑で長い歴史があるのが共産党、左翼問題である。沖縄と韓国の問題で私が批判する対象は共産党、左翼である。なぜ共産党、左翼かということをうまく説明できない。だから、急がば回れで説明していこうと思っている。

その前に・・・・
祖国復帰に賛成したのは日本が民主主義国家であること、日本復帰の原因はベトナム戦争による米国に財政危機が原因であったと書いたが、ベトナム戦争関係で若い時に思ったことを二点書く。
1、 ベトナム戦争はベトナム人民が立ち上がった

  1962年にソビエト連邦がキューバに核ミサイル基地建設していることが発覚して、米国とソ連の核戦争危機が起きた。キューバ危機は中学一年生の時だった。世界核戦争が起きるかもしれないととても心配した。核戦争が起きれば米軍基地のある沖縄に核ミサイルが撃ち込まれ沖縄の人はみんな死ぬと信じていた。ケネディ大統領が核戦争を阻止したと信じた私にとってケネディ大統領ヒーローだった。
核戦争は回避したがケネディ大統領は社会主義の拡大を阻止するために局地戦争を始めた。それがベトナム戦争であった。ケネディ大統領がベトナム戦争を始めたと聞いてショックを受けた。

2、 ひめゆり部隊だった女性が沖縄戦で多くの仲
間が死んだことを話し、戦争の悲劇を切々と話した。そして、二度と戦争をしてはならない、平和でなければならないと訴えた。彼女は沖縄戦の悲劇を話すだけで、現在進行形のベトナム戦争については一言も話さなかった。ベトナ戦
争で毎日被害者が出、農民や市民が戦争に巻き込まれて被害を受けている報道が何度もあった。






  多くの映像や写真がマスコミで紹介された。ベトナム戦争で被害を受けた人々の写真を見ると心が締め付けられた。ベトナム戦争を無視して沖縄戦の悲劇を強調する戦争経験者や運動家に反発した。この人たちは本気で反戦平和を願ってはいないし、世界平和も望んでいないと思った。
慰霊の日に集まる人たちもそうであると思っている。慰霊の日は名前の通り慰霊する日であって、「世界の平和を望む」日ではない。5月15日復帰記念日、6月3日の慰霊の日に参加する気はないし、参加したことは一度もない。

本題に入る。
日本共産党、北朝鮮、中国は共産主義である。北朝鮮と中国は社会主義国家である。日本共産党は日本の少数政党で政権を握ったことはない。同じ共産主義ではあるが成り立ちや今までの歴史が違う。だから性質が違う。北朝鮮、中国について追及した後に日本共産党について追及する。

北朝鮮
 北朝鮮の正式国名は朝鮮民主主義人民共和国である。国名通りであれば北朝鮮は民主主義国家である。北朝鮮は1948年に成立した。第一代最高指導者が金日成主席である。金日成は「主体主義」である「チュチェ思想」を北朝鮮のイデオロギー支柱としたことでも有名である。北朝鮮=チュチェ思想と考えている日本の識者がいるが、イデオロギーは国を設立するまでは理念として存在するが、実際の政治ではイデオロギーは無視され、権力闘争に明け暮れて、人民が自由で豊かになる政治はしなくなる。それが社会主義国家の内部であることを知ったのは学生の時である。

 企業が国営になれば経営に優れた人間を社長にするのではなく政治仲間の人間を社長や幹部にして高給取りにさせる。経営が悪化しても社長や幹部の給料は政府が保証する。だから経営には熱心に取り組まない。それが社会主義国家の実態である。
 北朝鮮は朝鮮民主主義人民共和国という国名であるが国名は名ばかりで、実態は金日成中心の独裁国家であった。
 社会主義国家には血縁関係者を後継者にするなという不文律がある。血縁関係者が後継者になれば共産党一党独裁ではなく血族独裁国家になってしまうからだ。だから血縁関係者が後継者になることは禁じている。
 ソ連が崩壊した後にほとんどのソ連圏の国々は民主主義国家になった。共産党独裁を倒した民主主義革命である。革命ではあるがルーマニア以外の国は無血革命であった。ルーマニアだけは暴力革命であった。国内の民主化に共産党は反対したのだ。治安維持部隊と市民の間で衝突が起こり多くの血が流れた。戦いは市民が勝利した。ルーマニア共産党の最高指導者チャウセスクは処刑されて民主主義革命は成就した。
 ルーマニア共産党は共産党の不文律を破りチャウセスク一家が共産党を握っていた。いわゆる血族独裁国家になっていたのだ。

チャウセスク独裁政権下のルーマニアでは個人の自由は認められず、警察も含め、誰もチャウセスク一家に逆らう事は出来なかった。
ナディア・エレーナ・コマネチは1976年に行われたモントリオールオリンピックで3個の金メダルを獲得し、オリンピックの舞台で初めて10点満点を獲得した選手であった。1984年から1989年まで彼女はルーマニア体操協会のコーチとしてジュニア選手の育成にあたったが、ニコラエ・チャウシェスク大統領の次男ニクが毎晩のように夜の街へ付き合うように求められ、愛人関係となることを強いられた。身も心もボロボロになったコマネチは、1989年11月28日、命がけでルーマニア脱出を敢行、6時間歩いて地雷が埋められた国境を越えハンガリーに逃れた。しかし、ハンガリー国境警察に逮捕されてしまう。ここでも彼女は決死の脱走を計り、オーストリアに脱出しアメリカ大使館に駆け込む。12月1日彼女はアメリカに渡り、自由を得た。
コマネチの亡命はルーマニア国民を奮い立たせた。12月22日、チャウシェスクの演説中群集はチャウシャスク打倒デモ隊と化した。大統領夫妻はブカレストを脱出したものの近郊のトゥルゴビシュティで逮捕、25日に特別軍事法廷で死刑判決を受け即刻処刑された。

 ルーマニア以外の共産党員は民主主義に理解があり、無血の民主主義革命となったのである。

 北朝鮮は親子三代にわたり政権のトップにいる。共産主義、チュチェ思想は全く関係のない普通の金一家独裁国家になっていることを理解してほしい。金一家にとって重要なことは国家体制の崩壊を防ぎ金独裁を守ることである。

「内なる民主主義16」2018年4月号に「米国と北朝鮮の戦争は起こらない。しかし」を掲載した。北朝鮮は金独裁国家であり、独裁を守るのが金正恩の目的であり米国と戦争する気はないことを書いた。
 保守系の多くのジャーナリストたちは米国と北朝鮮の核、ミサイルをめぐる対立で、
櫻井良子よしこ「なぜ国難を論じない・・・迫り来る北朝鮮の有事、中国の脅威・・・。我が国は国難と正面から向き合うべきだ。しかし、相変わらず核武装を論じることもできない・・・」。 
麻生幾氏「忍び寄る恐怖・・・半島有事が静かに始まる・・・」。
久保田るり子氏「破局のカウントダウン・・・核ミサイルはどうなっている? 米国はいつ軍事攻撃を始める?・・・」
渡部昇一、小池百合子、西尾幹二、日下公人、中山恭子、吉川勝久、吉川元偉「核戦争勃発に備えろ・・・北朝鮮有事を考えるための7論文」
と北朝鮮と米国の戦争を予期し、日本の危機を問題にしていた。それは間違っていると「米国と北朝鮮の戦争は起こらない。しかし」に書いた。私の指摘が正しかった。戦争の危機はなかったのだ。今もない。

北朝鮮は2015年から核開発とミサイル実験が盛んになっていった。アメリカと韓国を威嚇する狙いで弾道ミサイルを発射しただけでなく、、ノドンとみられる弾道ミサイルを秋田県沖の日本の排他的経済水域に発射した。これまで直接的な威嚇の対象にはなりにくかった日本にまで強いメッセージを送り、日本もミサイル攻撃の対象であることを宣言した。日本の緊張も一気に高まった。
北朝鮮のミサイルは開発が進み、核爆弾を装着したICBMは米本国まで届くと豪語するようになった。そして、金正恩は1月1日の新年のあいさつで米本土を攻撃できる核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備を宣言した。
なぜ、北朝鮮の金正恩は核実験を頻繁にやりミサイル開発を進めているのか。米国を攻撃するためだろうが、そう思う人は多いかも知れない。
金正恩は米国と戦争をしようとしているのか。
答えはNOである。
  「米国と北朝鮮の戦争は起こらない。しかし」
 金正恩が核ミサイルの性能を米国に誇示したのは米国が北朝鮮を攻撃させないためである。戦争を回避するために北朝鮮の実力を誇示したのだ。米国と戦争をすれば確実に北朝鮮は敗北、金独裁は崩壊し、金正恩の死が待っている。だから、絶対に米国との戦争は避けたい。そのための駆け引きをトランプ大統領とやったのである。金正恩の狙いは成功し米国との戦争を避け、トランプ大統領とは友好関係を結んだ。金正恩の本心を見抜くことができないのが日本のジャーナリストたちであった。

 金正恩が独裁支配を維持するには米国と戦争しないこと以外にもう一つある。韓国民との友好関係を避けることである。北朝鮮の国民が韓国民の生活が豊かで自由であること、選挙で政治家を選ぶことを知ったら金独裁の危機である。徹底して避けなければならないのが北朝鮮国民が韓国を知ることである。
 去年10月15日にカタールW杯アジア2次予選の北朝鮮対韓国の試合が平壌で行われた。29年ぶりに平壌開催となった試合は生中継が禁止され、観客も取材陣もシャットアウトされた。テレビ放送はされなかったのだ。北朝鮮の国民は韓国と試合したことを知らなかった。金正恩の目的は北朝鮮の国民に韓国との試合を知らせないことだった。韓国と試合をすると分かれば北朝鮮国民は韓国に関心が高くなるだろう。試合を見れば韓国への親近感が湧いてくる。北挑戦の国民が韓国に親近感を持ち韓国のことを知りたくなることを金正恩は最も恐れているのだ。だから試合は無観客、テレビ撮影禁止にしたのである。
 韓国の文大統領は左翼系である。北朝鮮と親しくし交流を深めていこうとしている。金正恩はそれを一番避けている。


16日夕、北朝鮮南北共同連絡事務所を爆破した。
北朝鮮人民軍は、軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)に進入する準備ができていると警告し、数時間後に爆破した。北朝鮮対韓国の試合が無観客、テレビ放送無しと爆破が金独裁政治のやり方である。
南北共同連絡事務所を爆破した後に、韓国に対する軍事行動計画も宣言した。北朝鮮の本音は韓国と戦争する気はない。米国と核ミサイルで米国に攻撃できることを誇示した本音は米国との戦争を避けるためであった。同じように軍事行動計画は脅しであって本気ではない。韓国との交流を断つのが目的である。戦争はしたくないから軍事行動は保留した。
金正恩の気持ちを理解していないのが文在寅大統領である。
「我々は絶えず、平和を通じて南北共存の道を探し出す。統一を論じるより先に、仲の良い隣人になるよう望む」
金正恩が一番なりたくないのが「仲の良い隣人」である。
文大統領は北朝鮮に向けて対話と協力を呼び掛け、「韓国の体制を、北朝鮮に強要するつもりはない」と述べ、北朝鮮の体制を保証する考えも強調している。北朝鮮は金独裁体制であり、国民は貧しく自由もない。北朝鮮の国民に韓国を見せたくないのが金正恩である。文大統領が北朝鮮体制を保証すると言っても「仲の良い隣人」になれば金一家独裁が崩壊するだろう。金正恩が一番恐れていることである。独裁を守るために兄の金正男を暗殺した金正恩である。「仲の良い隣人」になることを拒否し、韓国とは戦争も辞さない態度をみせながら文大統領とは距離を保とうとしている金正恩である。
 北朝鮮の経済は最悪である。金正恩が欲しいのは韓国からの援助である。援助は喉から手が出るほどほしい。しかし、韓国との交流は全て遮断したい。援助と遮断の間で独裁を守ろうとしているのが金一家である。

 南北共同連絡事務所を爆破するという強硬な行動に出た金一家と「仲の良い隣人」を目指している文大統領との関係が今後どのようになるのかは予想できる。文大統領は援助するが、「仲の良い隣人」にはなれない。

北朝鮮当局は脱北者の家族に対する監視業務を強化した。韓国に住む脱北者が送金すれば、同地域に居住する顔見知りの保衛員にその一部を手渡す方法で監視を逃れてきたが、中央の保衛機関が業務を担当し、統制が強化された。韓国の脱北者から北朝鮮に残る家族への送金が事実上、遮断された。電話での通話もできなくなっている。
「北にいる家族にお金を送ると約束したが、1か月間連絡が取れず送金できずにいる。ここ数年間、こんなことはなかった」

北朝鮮の経済は最悪である。地方の人々は豆腐、豆もやし、卵を食べるのが精一杯。金日成主席はかつて「人民が米のご飯に肉のスープを食べ、絹の服に瓦の家に住めるようにするべき」と言っていたが、2010年の正月に金正日総書記は「その遺言を達成できていない」と失敗を認めている。10年経ったが、北朝鮮の経済はますます悪化している。

 韓国の情報が北朝鮮の国民に伝わることは金一家独裁支配の危機に直結する。だから、金一家は韓国との交流を遮断するのに必死なのだ。近い内に金一家独裁支配末期の足音が聞こえてくるかも。





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Last updated  2020/06/28 06:43:37 PM
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